Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

狼、美女と野獣、そしてデュティーユ

2007-06-11 23:28:11 | 古典~現代音楽フランス編
今日は和田町から横浜駅までを歩く。
どうってことのないコースではあるが、
歩く道を少し変え、その違いを少し楽しむ。

途中で聴いた曲はデュティーユのバレエ音楽「狼」である。
1916年生まれのデュティーユは、この曲を1953年に作曲した。
美女と野獣の悲しい物語で、狼と人間の女性との間の愛と
そのはかない終わりの悲劇を扱っている。

第一曲は、旅芸人の小屋というタイトルである。
それを思わせる旅芸人的な主題と、不思議な世界が描かれ、
激しい部分はストラヴィンスキーの、
三楽章の交響曲の冒頭を想起させもするが、
その先何が起こるかわからないその後の展開を、
暗示しているようでもある。

第二曲は婚礼の部屋とタイトルで、
ところどころ狼の遠吠えが聞こえてくる。
深い森の中をイメージさせる曲である。

第三曲は、冬の森というタイトルで、
何ものかと何ものかが対立し、戦う様子が描かれる。
第一曲の主題が現れる共に、その後村人との対決があり、
狼は撃ち殺され、あたりは静かになる。
やがて、遠くからは旅芸人の主題も聞こえ、
めでたしめでたしなのかわからないが、盛り上がって終わる。

ともかく、デュティーユを聴く場合、内容がわかりやすく、
音楽との関連性が深いのはこの作品であろう。
とはいってもなかなかCDはなかったりするのだ。
夢・幻想と現実、美女と野獣、文明と文明的ではないもの、
おおよそ、相容れない対立したものがテーマになり、
いかにも西欧が好みそうなテーマである。
音楽は現代的でありながらも、
なぜかある時にはロマンティックであったりもする。
AB型の私にとってはおもしろいのではあるが、
みんながおもしろいかどうかは、さあ?ってことだよね。
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昼の雷雨、そしてダンディの「山の夏の日」

2007-06-11 07:14:05 | 古典~現代音楽フランス編
昨日は時間がなかったので鶴ヶ峰から二俣川を歩く。
いつも歩いている道にもかかわらず、
こんな店があったんだっけと新しい発見をした。
人間の視覚と記憶もけっこういい加減なものだと思う。

途中聴いた曲は1851年生まれのダンディの「山の夏の日」。
1905年に作曲され、1906年に発表されたこの曲は、
深い森の世界を感じさせるロマンティックな曲で、
3つの部分から構成され、「田園交響曲」ともいわれている。

第一曲の醸し出す雰囲気は自然の森そのものである。
静けさを保つ森は日の出の前に、一日の始まりの準備をするが、
その間に伝わってくるのが、森の自然の厳しさと畏れである。
鳥たちのさえずりが聞こえ、少しずつ活気を帯びてくる。
日の出を迎えるまでの森の中の変化と、
日の出によって森全体に日が射していくようすが、
オーケストラにより見事に表現されている。

第二曲は日中の夢のような時間とまどろみ、幻想的な世界、
祭りのざわめきを思わせる音楽と、遠くから聞こえる雷鳴、
それにしてものどかな森の世界である。

第三曲もハープが神秘的な森の様子を醸し出す。
最後の方に第一曲の冒頭に登場した主題が現れ、
森の一日が終わりを告げ、森は静けさを取り戻していく。

ダンディといえば有名な作品が、
フランスの山人の歌による交響曲ではあるが、
ここでは円熟した彼のオーケストレーションを
垣間見ることができるのである。

今日は横浜で昼頃雷が鳴り、雨が降った。
自然の力の前に僕らはどうすることもできない。
ダンディは森の自然を描写する中で、
そのことを我々に伝えているのかもしれない。
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