前回記事で群馬埼玉県境の利根川を行き来する「赤岩渡船」を取り上げました。わずか4~5分の船旅ですが、れっきとした県道に指定されている航路であり、かつ歴史ある渡し船でもありますので、川風を全身に受けながら昔日の往来に想いを馳せ、実に風流なひと時を楽しむことができました。

さて群馬県側に降り立った私は、千代田町役場付近でタクシーを呼び寄せて館林駅まで向かい、館林から東武電車に乗車。せっかくなので羽生駅で途中下車し、駅から至近にある温泉入浴施設「華のゆ」へ立ち寄ることにしました。駅からとても近く、しかもお湯の質も良いため、これまで私は4~5回ほど利用しているのですが、拙ブログでは遠方の温泉を優先して取り上げていたため、なかなか紹介する機会がありませんでした。

こちらは別の日に撮った正面の画像です。当たり前ですが、明るい時間帯に撮った画像の方が見やすいですね。この「華の湯」はホテル「ルートイングランディア羽生」の入浴部門と称すべき施設で、ホテル宿泊客は無料で利用できるほか、スーパー銭湯としても営業しており、いつも多くのお客さんで賑わっています。

「華の湯」の玄関は、ホテルのエントランスからぐるっと裏側へ回ったところにあります。

まず下足を下駄箱に納め、その鍵を持って玄関ホールを横切った奥にある受付へ向かい、料金を先払いします。そして料金と一緒に下駄箱の鍵も預け、引き換えに館内精算用バーコードが付いたロッカーキーを受け取ります。
脱衣室のロッカーは縦に長い上下二段式で比較的大きなものが用意されています。また脱衣室の奥の方には洗面台付きパウダーゾーンが設けられ、ブース数が多く、総じて使い勝手が良好です。

今回の記事に浴場内の画像はありません。場内の様子をご覧になりたい方は、お手数ですが公式サイトでご確認ください。
脱衣室から浴場の引き戸を開けると、男湯の場合は入ってすぐ右手にスライドドアで仕切られた洗い場があり、中に入るとシャワーつき水栓が計30基設けられています。一般的なスーパー銭湯ですと、大きくて広い一つの空間の中に洗い場や浴槽を配置しますが、こちらは両者を完全に分けており、相互間を行き来するには通路を歩くという、他ではあまり見かけない設計を採用しています。なぜこのようなスタイルにしたのか、どのような効果が期待できるのか、どなたかご存知でしたら教えてください。
内湯にはミスト・高温・中温の各サウナ、水風呂などといったサウナ愛好家に欠かせない設備があるほか、真湯のジェットバスや半身浴など各種浴槽が並び、窓側には源泉かけ流しの主浴槽が配置されています。プールを彷彿させる大きな主浴槽は檜風呂で、縁の表面は滑り止めの溝が掘ってあります。また底面にはグリーンタフの石材が敷かれており、湯船に浸かっておしりを落とした時の感触が良好です。
この主浴槽では壁際にある湯口からは源泉のお湯が絶え間なく落とされ、大きな湯船を満たしています。適温で実に良い塩梅です。そして湯船のお湯は檜の縁からオーバーフローして直下のグレーチングヘと流下していきます。グレーチングの周りは温泉成分の付着によって薄く焼け爛れたような色に染まっており、温泉マニアとしてはビジュアル的な興奮を覚えずにはいられません。
次に露天ゾーンへ移りましょう。露天にもバラエティに富んだ浴槽が並んでいます。まず中央には屋根が無い源泉かけ流しの岩風呂(歪な楕円形で縦4メートル×横2メートル程か)、そして丸い形をした「変わり湯」(私の訪問日は山代温泉の入浴剤が投入されていました)が隣り合っており、そしてその中央の浴槽を取り囲むようにして、左から時計回り順に、寝転び湯、寝湯、真湯の熱湯、屋根付きの源泉かけ流し浴槽(2.5×3メートルほどの四角い岩風呂)、座湯、壺湯といった浴槽が並んでいます。お客さんがそれぞれ自分の好みに合った浴槽を選べますし、いろんな浴槽をハシゴする楽しみも得られますね。なお、こちらの施設において、源泉かけ流しの浴槽にはネームプレートに温泉マークが付けられており、私のような「かけ流しじゃなきゃ入りたくない」という御仁にとっては実に親切な配慮と言えましょう。
露天風呂の各浴槽(特に2つのかけ流し浴槽)は内湯よりも若干ぬるめの湯加減でしたが、とはいえ適温であることに変わりなく、特に私個人としては、奥に位置する屋根付きの小さなかけ流し浴槽に入った時の気持ち良さが他の浴槽より頭一つ抜け出ていたような気がします。

分析表によれば、地下1500メートルから汲み上げたこちらのお湯の見た目は無色透明なんだそうですが、実際の浴槽では薄い鼈甲色を帯びた透明であるように見えます。湯口のお湯を口に含んでみますと、薄い塩味と重曹らしい清涼ほろ苦味、微鉱物油臭や微かな木タール臭が感じられ、ツルツルスベスベの滑らかな浴感が全身を包み込みます。重曹の滑らかさや爽快感とともに食塩泉の力強さが兼ね備わっているため、温浴効果が強く、いつまでも汗が引きません。
不特定多数のお客さんが利用するために全浴槽において塩素消毒が実施されていますが、内湯・露天ともに源泉かけ流し浴槽は文字通り加水・加温・循環・濾過が行われておらず、良好な状態の温泉を堪能できます。
埼玉県平野部といった利根川流域の氾濫原に点在する各温泉は古東京湾の影響を受けているため、化石海水型のしょっぱい温泉が多いのですが、この羽生では確かに塩分が含まれているものの決して塩辛くなく、むしろ滑らかな感触が肌に優しい重曹の個性がはっきり出ています。これは利根川の対岸にある熊谷の「花湯スパリゾート」も同様です。平野部の地下に存在する温泉だからみんな同じというわけではなく、地域によってちゃんと個性が分かれているんですね。だから温泉巡りはやめられません。
羽生温泉 華のゆ
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 43.8℃ pH8.0 460L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1.404g/kg 成分総計1.412g/kg
Na+:389.0mg(94.68mval%),
Cl-:290.1mg(43.03mval%), I-:0.8mg, HCO3-:659.0mg(56.81mval%),
H2SiO3:38.0mg, CO2:7.3mg,
(平成29年10月26日)
加水・加温・循環なし(気温が低いときは加温)
消毒あり
埼玉県羽生市西3-19-3
048-560-4126
ホームページ
10:00~24:00(最終受付23:00)
平日850円、土日祝1100円(平日・土日祝とも21時以降は割引料金適用)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★

さて群馬県側に降り立った私は、千代田町役場付近でタクシーを呼び寄せて館林駅まで向かい、館林から東武電車に乗車。せっかくなので羽生駅で途中下車し、駅から至近にある温泉入浴施設「華のゆ」へ立ち寄ることにしました。駅からとても近く、しかもお湯の質も良いため、これまで私は4~5回ほど利用しているのですが、拙ブログでは遠方の温泉を優先して取り上げていたため、なかなか紹介する機会がありませんでした。

こちらは別の日に撮った正面の画像です。当たり前ですが、明るい時間帯に撮った画像の方が見やすいですね。この「華の湯」はホテル「ルートイングランディア羽生」の入浴部門と称すべき施設で、ホテル宿泊客は無料で利用できるほか、スーパー銭湯としても営業しており、いつも多くのお客さんで賑わっています。

「華の湯」の玄関は、ホテルのエントランスからぐるっと裏側へ回ったところにあります。

まず下足を下駄箱に納め、その鍵を持って玄関ホールを横切った奥にある受付へ向かい、料金を先払いします。そして料金と一緒に下駄箱の鍵も預け、引き換えに館内精算用バーコードが付いたロッカーキーを受け取ります。
脱衣室のロッカーは縦に長い上下二段式で比較的大きなものが用意されています。また脱衣室の奥の方には洗面台付きパウダーゾーンが設けられ、ブース数が多く、総じて使い勝手が良好です。

今回の記事に浴場内の画像はありません。場内の様子をご覧になりたい方は、お手数ですが公式サイトでご確認ください。
脱衣室から浴場の引き戸を開けると、男湯の場合は入ってすぐ右手にスライドドアで仕切られた洗い場があり、中に入るとシャワーつき水栓が計30基設けられています。一般的なスーパー銭湯ですと、大きくて広い一つの空間の中に洗い場や浴槽を配置しますが、こちらは両者を完全に分けており、相互間を行き来するには通路を歩くという、他ではあまり見かけない設計を採用しています。なぜこのようなスタイルにしたのか、どのような効果が期待できるのか、どなたかご存知でしたら教えてください。
内湯にはミスト・高温・中温の各サウナ、水風呂などといったサウナ愛好家に欠かせない設備があるほか、真湯のジェットバスや半身浴など各種浴槽が並び、窓側には源泉かけ流しの主浴槽が配置されています。プールを彷彿させる大きな主浴槽は檜風呂で、縁の表面は滑り止めの溝が掘ってあります。また底面にはグリーンタフの石材が敷かれており、湯船に浸かっておしりを落とした時の感触が良好です。
この主浴槽では壁際にある湯口からは源泉のお湯が絶え間なく落とされ、大きな湯船を満たしています。適温で実に良い塩梅です。そして湯船のお湯は檜の縁からオーバーフローして直下のグレーチングヘと流下していきます。グレーチングの周りは温泉成分の付着によって薄く焼け爛れたような色に染まっており、温泉マニアとしてはビジュアル的な興奮を覚えずにはいられません。
次に露天ゾーンへ移りましょう。露天にもバラエティに富んだ浴槽が並んでいます。まず中央には屋根が無い源泉かけ流しの岩風呂(歪な楕円形で縦4メートル×横2メートル程か)、そして丸い形をした「変わり湯」(私の訪問日は山代温泉の入浴剤が投入されていました)が隣り合っており、そしてその中央の浴槽を取り囲むようにして、左から時計回り順に、寝転び湯、寝湯、真湯の熱湯、屋根付きの源泉かけ流し浴槽(2.5×3メートルほどの四角い岩風呂)、座湯、壺湯といった浴槽が並んでいます。お客さんがそれぞれ自分の好みに合った浴槽を選べますし、いろんな浴槽をハシゴする楽しみも得られますね。なお、こちらの施設において、源泉かけ流しの浴槽にはネームプレートに温泉マークが付けられており、私のような「かけ流しじゃなきゃ入りたくない」という御仁にとっては実に親切な配慮と言えましょう。
露天風呂の各浴槽(特に2つのかけ流し浴槽)は内湯よりも若干ぬるめの湯加減でしたが、とはいえ適温であることに変わりなく、特に私個人としては、奥に位置する屋根付きの小さなかけ流し浴槽に入った時の気持ち良さが他の浴槽より頭一つ抜け出ていたような気がします。

分析表によれば、地下1500メートルから汲み上げたこちらのお湯の見た目は無色透明なんだそうですが、実際の浴槽では薄い鼈甲色を帯びた透明であるように見えます。湯口のお湯を口に含んでみますと、薄い塩味と重曹らしい清涼ほろ苦味、微鉱物油臭や微かな木タール臭が感じられ、ツルツルスベスベの滑らかな浴感が全身を包み込みます。重曹の滑らかさや爽快感とともに食塩泉の力強さが兼ね備わっているため、温浴効果が強く、いつまでも汗が引きません。
不特定多数のお客さんが利用するために全浴槽において塩素消毒が実施されていますが、内湯・露天ともに源泉かけ流し浴槽は文字通り加水・加温・循環・濾過が行われておらず、良好な状態の温泉を堪能できます。
埼玉県平野部といった利根川流域の氾濫原に点在する各温泉は古東京湾の影響を受けているため、化石海水型のしょっぱい温泉が多いのですが、この羽生では確かに塩分が含まれているものの決して塩辛くなく、むしろ滑らかな感触が肌に優しい重曹の個性がはっきり出ています。これは利根川の対岸にある熊谷の「花湯スパリゾート」も同様です。平野部の地下に存在する温泉だからみんな同じというわけではなく、地域によってちゃんと個性が分かれているんですね。だから温泉巡りはやめられません。
羽生温泉 華のゆ
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 43.8℃ pH8.0 460L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1.404g/kg 成分総計1.412g/kg
Na+:389.0mg(94.68mval%),
Cl-:290.1mg(43.03mval%), I-:0.8mg, HCO3-:659.0mg(56.81mval%),
H2SiO3:38.0mg, CO2:7.3mg,
(平成29年10月26日)
加水・加温・循環なし(気温が低いときは加温)
消毒あり
埼玉県羽生市西3-19-3
048-560-4126
ホームページ
10:00~24:00(最終受付23:00)
平日850円、土日祝1100円(平日・土日祝とも21時以降は割引料金適用)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★