温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

西豊田温泉 藤崎町藤崎老人福祉センター

2013年12月15日 | 青森県
 
津軽平野に点在する市町村営の老人福祉施設には得てして温泉浴場が付帯しているものですが、今や日本で生産されるリンゴの半数以上を占める「ふじ」の生まれ故郷である藤崎町もご多分に漏れず、役場に隣接している「藤崎老人福祉センター」に温泉浴場が開設されているので、どんなお湯なのか体感すべく、先日入浴してまいりました。名前からもわかるようにこちらは老人のための施設ですが、私のような他県民の非老人でも利用が可能ですし、駅から近くて駐車場も広いので、アクセス面もまずまずです。


 
正面玄関から入ると、目の前に広がるロビーでは地域の爺さん婆さんが談笑の真っ最中。ロビーの右手には施設の事務室がありますので、券売機で料金を支払って券を事務室の窓口へ差し出します。


 
脱衣室は典型的な公衆浴場スタイルで、この手の施設にしては広いスペースが確保されていました。脱衣室と浴室との間はガラスで仕切られています。



訪問時の浴室は窓を閉め切られていたためか湯気が充満しており、決して狭くない室内空間ながら、視界がいまいちでした。浴室内には左右に洗い場が配置され、その間に大小の浴槽が1つずつ設けられています。


 
左右に分かれた洗い場にはシャワー付き混合水栓が計17個(かその前後)取り付けられており、お湯を出すとかなり熱い源泉が吐出されました。


 
上述の洗い場の他に、浴室の右手前には立って使うシャワーも2基設けられており、2基ともガッチリとした囲いが施されていました。
こちらのお風呂はこまめに係の方がチェックなさっているのか、あるいは常連さんのマナーが良いのか、桶や腰掛けがきちんと整頓されていたのが好印象。


 
主浴槽はアメーバみたいな形状をしており、容量としては12~3人といったところです。槽内には水色の小さなタイルが敷き詰められ、朱色の石材で縁取りされており、その縁の上から絶え間なくお湯が溢れ出ていました。
主浴槽とその隣の小浴槽の間には湯口があり、双方に対してお湯を吐き出しています。その吐出口には袋が被せられており、湯中に含まれる固形物を濾しとっていました。私の皮膚感触による推測ですが、湯口では45~6℃、湯船では43~44℃くらいの温度であり、いずれにしてもちょっと熱めの湯加減でした。



主浴槽の手前側(脱衣室側)にはジャグジーが稼働している小浴槽があり、主浴槽は形容の難しい形状でしたが、こちらはシンプルな小判型で3~4人サイズ。私は騒々しいお風呂が苦手なのですが、爺様方はむしろジャグジーの泡に体を当てたいらしく、せっかくの大きな浴槽には気を留めず、皆さんこの狭い浴槽へ肩をすぼめて詰め合いながら入浴なさっていました。

さてこちらで使われてる温泉に関して、湯船では暗い山吹色の透明に見えたのですが、これは室内の照度やタイルの色による影響が大きいと思われ、実際には無色透明かあるいは薄い山吹色の透明ではないかと思われます。味覚嗅覚に関してはほぼ無味無臭ですが、神経をよく研ぎ澄ますと微かな塩味と臭素臭が確認できました。味や匂いは薄いものの、湯船に浸かって自分の肌を擦ると、ヌルヌルに近いツルスベ浴感が全身を包み、あまりの気持ち良い感触に嬉しくなって、ついつい何度も体のあちこちをさすってしまいました。これらの知覚や浴感うえに、アルカリ性に傾いた重曹泉なのかと勘違いしてしまったのですが、泉質としては津軽平野によくありがちな食塩泉なのですね。ですから、食塩泉らしい温浴効果は実にパワフルで、湯上り後もいつまでもポカポカし、汗もなかなか引きません。寒い冬には心強い味方になるでしょうね。


西豊田2号源泉
ナトリウム-塩化物温泉 48.9℃ pH不明(記載なし) 溶存物質1.290g/kg 成分総計1.290g/kg
Na+:382.8mg(95.20mval%),
Cl-:521.6mg(83.11mval%), Br-:1.7mg, I-:0.3mg, HCO3-:156.3mg(14.46mval%),
H2SiO3:177.3mg,

五能線・藤崎駅より徒歩6分(500m)
青森県南津軽郡藤崎町西豊田1丁目3  地図
0172-75-3232

9:00~21:00 毎月1・15日定休
250円
ドライヤーあり(有料10円/2分)、貴重品は事務室預かり

私の好み:★★
コメント (2)
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