た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

木刀

2009年11月24日 | essay
 先日、温泉旅行に行ったついでに、木刀を購入した。

 さすがに同行した家人には大いに笑われた。中学生の修学旅行じゃないんだからと言われた。しかしなんと言われようが、私は木刀で運動不足を解消することに決めたのである。庭先で、まるで剣の道に生きる者のようにびゅんびゅんと風を切る。課題だった上半身の強化になるし、王貞治が素振りで畳をすり減らしたように(確かそんな逸話が小学生のころ読んだ伝記にあった)、私の足踏みだけで庭の雑草という雑草は押し花よろしく土に押し固められてしまうであろう。一石二鳥ではないか。

 ただし昼間は近所の噂もあるのでおおっぴらにできない。夜は夜で仕事疲れでできない。そんなこんなで、購入してはや一カ月が経とうとしているが、振りぬいた回数は合計でも百を超えないと思われる。

 風を切る音も一向に聞こえない。回数が少ないので息切れもしない。実に静かな運動である。

 剣の道は、厳しい。 

コメント (4)
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