た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

布団

2009年11月25日 | essay
 詰まらない話を続ける。
 子供のころから、私は寝相が悪かった。実家の冬が厳しかったので、どうしても寒いときは、兄と一つの電気炬燵を両側からは挟むように共有して寝たことがあるが、朝起きたら炬燵の脚が折れていた。まあそういう兄弟だったのである。
 大人になってさすがに炬燵の脚を折るほどの武勇伝は無くなったが、私の知的好奇心を喚起してやまない謎めいた現象が続いている。縦長の布団が、朝起きると必ずといってよいほど横長になっているのだ。俵むすびのように顔と足がはみ出している図である。当然足の先が寒くて目覚める。どうしてこんなにこの布団は短いのか、と半分夢見心地に悪態をつき、ああ、横になっているのだと気づいて直す。
 問題は、その頻度である。寝相が悪い時、十中八九横長布団になっているのは、なぜか。そこには睡眠時の運動の法則のようなものも絡んでくるのだろうか。北半球の低気圧は反時計回りに風が吹き込むと聞くが、布団を動かす両手の動きにも反時計回り的規則性があって、布団は漸進的に反時計回りに移動していくのか。とするとそこには地球の自転まで関わってくるのだろうか、と、この辺でやめておかないとまたお叱りを受けそうなのでやめる。
コメント (2)
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