2021年9月25日(土)、一関市東山町長坂字柴宿の「柴宿団地」と呼ばれている住宅団地内にある柴宿教会の庭に植栽されているユウゼンギク(友禅菊)が、花を沢山咲かせて見頃を迎えていました。
© KYODONEWS 満開の季節を迎えた「キイジョウロウホトトギス」=8日、和歌山県すさみ町
2021年10月12日(火)発行の「共同通信社」のWebサイトに”和歌山・すさみで「貴婦人」満開 黄色い花、農家の石垣に”という見出しの記事が掲載されています。
”紀伊半島南部にだけ咲くとされる「キイジョウロウホトトギス」が和歌山県すさみ町で満開の季節を迎えた。釣り鐘のような形の約4センチの黄色い花が農家の石垣など町のあちこちで見られる。「ジョウロウ」には「貴婦人」の意味もあり、秋風に清らかにそよぐ。
町は、崖に咲いていた自生の花を石垣などに植え替えて増やし、地域おこしに役立ててきた。
すさみ町の農家中露栄子さん(77)は自宅の高さ約2メートルの石垣で30年以上、大切に育て続けている。しかし今年は8月の長雨が影響したためか大半が枯れてしまった。「かわいくて美しい大好きな花。来年は石垣全体に咲かせたい」と力を込める。"
2021年10月11日(月)に送られてきた「趣味の山野草」2021年11月号に、絶滅危惧種の「タコノアシ」の画像が掲載されています。
私の手元にある築地書館発行の「滅びゆく日本の植物50種」にこの植物が掲載されています。
危急種 タコノアシ 被子植物門・ユキノシタ科 Penthorum chinnse Pursh
分布:本州・四国・九州・南西諸島(奄美大島)。東アジア。
タコノアシは、花茎の先端から伸びた枝に多数の花が並び、ちょうど吸盤のついたタコの足のように見える。サワシオンの名も古くから知られていたようだが、タコノアシの名はこの植物の形をよくとらえている。1825年(文化8年)に出た水谷豊文の『物品識名拾遺』にタコノアシの名は登場する。古くから知られていた植物である。
ところで、植物では絶滅に瀕している種をみると大きく2つのグループに分けることができる。その1つは花や風情が観賞心を誘う植物で、多くのランやカンアオイの仲間がこれに入る。他は、丘陵や平地あるいは河川敷や池沼などの水辺に生えていた植物である。このグループの植物は開発で生育する場所そのものが失われたことによって絶滅に追いやられた。
平地や水辺は生活に欠かせぬ場であったから、このような所に生えていた植物は、古くから人々に顔なじみだった。フジバカマ、サクラソウ、ガガブタ、アサザ、ミゾコウジュ、スブタ、ミクリが絶滅に瀕するなど、牧野図鑑を昭和10年代に執筆した牧野富太郎は夢にも想像しなかったであろう。牧野の図鑑には、普通とは書いてはいないものの、その書っぷりはどこにでも生えているというふうである。専門家が研究のすえ発見したような珍しい植物ではなく、このような古くから人々に名の知れたポピュラーな植物の絶滅が危惧されるところに、問題の深刻さが表れている。
タコノアシは、泥湿地や河川敷のヨシ原の周り、休耕田など、青森県から南西諸島までかつては広くみられた。減反直後には、放置された水田に出現した。当時、京成電車で通っていた私は、津田沼駅付近で車窓から、水田に生えたタコノアシを眺めては、その行く末を案じたりした。今ではすっかり家が建ち、タコノアシは姿を消した。タコノアシは国外にも分布し、中国を「はじめ東アジアの湿地から採集された標本がある。タコノアシは春から初秋まであまり目立たない。シカシ、ヨシやヨシ原に一緒に生えていた他の草が枯れる仲秋の頃は、全体が鮮やかな赤褐色を帯び人目を引くようになる。
タコノアシは、多年草で地中の根茎から走出枝を出して広がる。地上には直立する花茎があり、披針形あるいは楕円形の葉が沢山つく。花には花弁がないので、目立たない。果実も花と形のうえで大差はなく、先端が帽子のように外れ、けし粒様のたくさんの種子が強風で体外に押し出されていく。北アメリカ東部に分布する近縁種と一緒にタコノアシ科に分類されることがある。この場合、この科はたった2種からなるのだが、類縁はまだよくわかっていないというのが実情である。タコノアシはキリンソウに類縁があると筆者は考えているのだが、最近ヨーロッパにも同様の考えをもつ研究者がいることを知った。だが、いざ研究となっても今では材料を得ることすら難しい。(大場秀章)
2021年10月11日(月)、毎月購読している「趣味の園芸」2021年11月号が送られてきました。今月号の表紙は、ノコンギク(野紺菊)です。