peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市東山町のニガイチゴ(苦苺)

2006年07月08日 | Weblog



今は閉鎖されていますが、旧・一関市と旧・東山町の間に「狭山トンネル」があります。このトンネルに通じる東山側の峠道を歩くと、道路の両側に生えているいろいろな植物が花や実をつけていることがあります。
 モミジイチゴの橙地色の実が落ちてしまった頃、「ニガイチゴ(苦苺)」の赤い実が目立ちます。



ニガイチゴ(苦苺)バラ科 キイチゴ属 Rubus microphyllus
山野の土が崩れているような所に生えている落葉低木で、高さ70~90cmになる。よく枝分かれし、枝は細く、白い粉をふいたような色で刺(トゲ)が多い。

 葉は有柄で互生し、長さ3~5cm、幅2~4cmの広卵形で、3つに切れ込むものが多く、基部はハート形。両面とも毛はなく、表面は緑色で裏面は粉白色を帯びる。

4~5月、短枝の枝先に直径2~3cmの5弁の白花を上向きに開く。果実は直径1cmほどの球形で赤く熟す。液汁は甘いが粒々の中にある核が苦いことからこの名がある。分布:本州、四国、九州、中国

一関市街地のラベンダー

2006年07月06日 | Weblog


6/29(木)、一関市街地にある民家の庭先に植えられている「ラベンダー」が咲いていました。






ラベンダーシソ科 ラワンデュラ属 Lavandula officinalis
地中海沿岸からインドにかけて自生する多年草で、乾燥したやせ地に生えるという。根もとは堅く木質化する。ギリシャ・ローマ時代から利用されていたとのこと。「ラベンダー」は英名。

 高さは40cmぐらい。茎は細くてかたく、灰緑色の細い葉を対生する。6~7月ごろ紫色の小さな唇形花が多数集まって花穂(かすい)を作る。

 日本では、花穂や茎葉からラベンダー油を採るために、はじめ北海道で栽培されたことは良く知られているが、現在では各地で栽培されており、近年のハーブ人気で、家庭でも栽培され、花穂や葉を乾燥して香りを楽しむようになっている。

 代表的なものは、「イングリッシュラベンダー」と呼ばれる種で、高さは約130cmに、株は半球状で直径約1mになる。花は長さ1.5cm前後、1花序に10~20個ずつつき、細長い花穂を作る。
 花穂が太い、「フレンチラベンダー」は、花壇や切花に多く使われる。

一関市街地のフサスグリ(房酸塊)

2006年07月06日 | Weblog


6/29(木)、一関市街地の民家の庭先で、真っ赤に熟した「フサスグリ(房酸塊)」を見つけました。取って食べてみたかったのですが我慢しました。





フサスグリ(房酸塊)ユキノシタ科 スグリ属 Ribes rubrum
西ヨーロッパ原産の落葉低木で、欧米では果樹としての利用が盛んで、交雑や改良によって、いろいろな品種が生まれている。果実が美しいので、観賞用にも栽培されている。別名:アカフサスグリ、アカスグリ

4~5月に黄緑色の小さな花が総状花序に多数つく。果実は直径約1cm。6月頃に赤色に熟し、食用のほか切花にも利用される。

 スグリの仲間は北半球を中心に150種ほどあり、日本にも10種程度が自生している。
 果樹として栽培されているスグリには刺(トゲ)の有無、花や果実のつき方で「カラント(Currant)」と「グーズベリー(Gooseberry)」の2つの系統がある。
カラントは刺がなく、花や果実が房状に多数つくグループで、「フサスグリ」ともいう。果実が赤い「アカフサスグリ」や果実が黒い「クロフサスグリ」などが、この中に含まれる。北ヨーロッパからロシアにかけて大々的に栽培されているとのこと。

一関市厳美町のジギタリス(ジギタリス・プルプレア)

2006年07月05日 | Weblog



6/17(土)、一関市厳美町の「サハラ・ガラスパーク」の近くにある民家の庭に「ジギタリス」の花が咲いていました。




ジギタリス(ジギタリス・プルプレア)ゴマノハグサ科 ジギタリス属 Digitalis purpurea
ヨーロッパ原産の2年草または多年草。日本への渡来は明治初期といわれ、乾燥させた葉を強心・利尿薬として利用するために栽培されてきたという。花壇に植えるほか、鉢植えや切花にも利用する。
 
 葉は互生し、下部のものほど長大になる。花の形をキツネの手袋に見立てた英名「フォックスグローブ」を直訳した「キツネノテブクロ(狐の手袋)」という別名もある。

 高さは普通1~1.5mほどにもなり、5~7月に花筒の内側に斑紋の入った花を総状に多数つける。花筒の外側の色は紅紫、桃、白、淡黄などいろいろある。

 春に種子蒔きすると、1年目は長楕円形の葉を根生したまま過ごす。2年目の春から6月にかけて茎が1mぐらいに伸び、長さ5cmほどもある大形の花が穂になってつき、下から順に咲きあがる。

宮城県栗駒市「世界谷地・原生花園」のタテヤマリンドウ(立山竜胆)

2006年07月04日 | Weblog






6/19(月)、宮城県栗駒市「世界谷地・原生花園」に行ったとき、湿原の「タテヤマリンドウ(立山竜胆)」が咲き始めていました。少し早かったようで、咲いている花が少なかったので、木道から身を乗り出して写してきました。





タテヤマリンドウ(立山竜胆)リンドウ科 リンドウ属 Gentiana thunbergii var.minor
山地~亜高山・亜高山の湿地に自生する2年草(越年草)。低地に生えていて5月頃に咲く「ハルリンドウ(春竜胆)の高山型で、高さは5~10cm。全体に淡緑色で柔らかく、毛はない。茎はまばらに枝分かれする。茎につく葉は茎に寄り添い、まばらで小さい。根生葉は長さ1.5~2cmの卵形でロゼット状になる。

 6~8月、根元から数本の花茎を伸ばし、先端に淡い青紫色のトランペットに似た花を1個ずつつける。花は直径2cmほどで、5つに切れ込んだ花冠の間にリンドウ科特有の小さなに副片と呼ばれるやや小ぶりな花びらがある。5裂した萼片は、花にぴったりとついて反り返らない。日照に敏感で、日が当たると大きく開き、日が陰ると閉じてしまい、曇った日は開花しないこともある。
分布:北海道、本州(中部地方以北)

 和名の「ヤテヤマ(立山)」は、高山性の草に「ハクサン(白山)」とか「シラネ(白根)」というような山の名前がつくように、富山県の「タテヤマ(立山)」がついた。「リンドウ(竜胆)」は、秋咲きのリンドウ(竜胆)に由来する。
 リンドウの根は、熊の胆よりも苦くて薬効があるということで、熊より上位の「竜胆」になったという。

 仲間には、高山の湿地に自生する「ミヤマリンドウ(深山竜胆)」や「ヒナリンドウ」がある。