「豊島美術館」は、終点「唐櫃」(からと)のバス停から、「心臓」とは逆方向へ、歩いて15分。
バス路線を引き返すのです。上り坂で、真昼の陽射しがきつい。でも、瀬戸内海は真っ青で、風は乾いていて、それほど暑さは感じません。
時折、レンタサイクルの人たちが颯爽と追い越していきます。
すれ違う人は、下りなので、ものすごく気持ちよさそう~~~
やっぱり、豊島はレンタサイクルで巡るのが正解だな、、、
バスからの風景 photo by BLUESKY・TULIPさん
トレッキング気分で、やっと目的地に辿り着いたら、門の前でおねーさんが整理券を配っていて、「次のご案内は、いちばん早くて45分後です」と、、、
(前回もそんな感じだったことを、そこで思い出した)
この中途半端な時間を何もしないでここで待つのはもったいないってことで、お昼を食べてから、また戻ろうってことになって、1時間半後の整理券をいただきました。
さあ、ようやくランチだ! 「島キッチン」にいこう!!
…ところが、辿り着いたら、ランチメニューはすべて完売( ̄□ ̄;)!!
美術館の近辺の屋台系うどん屋さんでさっさとお昼を済ませて、早く美術館に行きたかったTakは、超絶不機嫌になり、
3人の道中に暗雲が立ちこめ、険悪な雰囲気が、、、
そんな中、「島キッチン」周辺のアートを3つばかり巡ったけれど、険悪ムードの中、画像はナシ(^_^;)
「ストーム・ハウス」
実物は全然こんなにきれいで整然とした感じじゃなく、昭和30年代のおばあちゃんちな感じ。
畳も古びて擂り切れ、踏むとへこむし、ガラス障子の桟も薄汚れてガタガタしてて、ホンモノの古い家。
2部屋の和室は、通り雨に包まれている…
薄暗い部屋の中に入って好きな場所に座ると、雨音、雷、風がガラス障子を叩く音、
そして、水が滝のようにガラス障子の外側を流れ、天井からは雨漏りが…
ポタポタと滴る、数箇所の雨漏りの雫は、バケツが受け止める、
電灯は消えたり点いたり、今にも停電しそうな感じ…
臨場感満点です! アートというよりアトラクション!?みたいだけど、この感じ、怖いというより、すごく懐かしい。
古い蔵や、空家を改装した展示はたくさんあるけれど、こんな発想はどこにもなかった。
他2点もゆっくり見たかったけど、とにかく美術館の周辺に戻って、あの屋台系うどんでも食べないことには…と、無言でさっさと歩き、やっと辿り着いたら、ここももう完売閉店!
がーーーん( ̄□ ̄;)!!
トラックで水や食材を運んでくるので、こーいうことになるワケです。
しかし…売り切れとは知らず並んでいる人たちもたくさんいた。
ここは、瀬戸芸とは関係のない、瀬戸芸便乗店のようで、なんだかそっけない感じだったなあ。
ひぇ~~朝からカフェでアイスを食べただけの私としては、キツイなあ、、、
島だから、こんなこともある。覚悟を決めなければ、、、
さて。空腹のまま豊島美術館に引き返し、集合時間までに少しあったので、館内のカフェ(おみやげ屋さん)をのぞいてみました。
ドーナツがあるじゃ~~ん!!
ふてくされまくっているTakと、それに付き合ってくれてるSYOさんを携帯で呼び出し(もう、ふてくされてるので、別行動となっている( ̄_ ̄|||))
「ドーナツがあるよ、集合時間に間に合わなくなるといけないから、早く早く!」
みんなでドリンクと米粉ドーナツをオーダー。
出てくるまでに10分。時間ギリギリ3分で食べたけど、美味しかった~~~!!
さて、やっとドーナツでTakの機嫌が直ったところで、館内鑑賞。
…といっても、これまた15分ぐらい並んで待たされたかな。
1~2グループずつ、館内の説明を聞いてから、靴を脱いで入るのです。
作品は1点のみなのです。
Takが、「何があるの、教えて~~」としつこく聞くので、
「水と風と床と壁」
「え~っ、それだけ? どーなってんの??」
私たちの前と後ろに並んでる人は、何も知らない人もたくさんいるから、これ以上言うとネタバレになるから、内緒!!
…とはいっても、もう周知のことだし、画像検索したらいっぱい出てくるし。
私は前回瀬戸芸を巡って、Takにいちばんここが見せたかったのでした。
Takは絶対楽しむだろうなあ…
当時のTakは5年生だった。一緒にいったのは「大島」だけで、なんだか校外学習みたいだったね。
ハンセン病について、たくさん学んだのはすごくよかったけど。
3年後には中2。もう母と一緒に行こうとは言わないだろうな…
と思ってたけど、Takの周囲には、「瀬戸芸」に興味ある友達がいないらしくて、
3年経ったけど、Takは結局母とSYOくんと(TakはSYOさんのことをこう呼ぶ)3人で来ることになったね~~
そして、館内に入ったとたん、「え~~っ!なんじゃこれは!!」という、まずは普通の反応をしてから、案の定、ハマりました。
ずっと一箇所に座り込んで、水滴を追い続ける。
Takは観察が細かく、何十秒に1度だか、同じところから水滴が流れて、穴に流れ落ちていく様子を飽きもせず観察している。
時々、別のところから、違う水滴がやってきて合流したり、ハプニングが起こる。
1時間近く居たけど、私だってもっともっと居たかったな。
出口のところで、係りのおねーさんに、「雨の日はどうなるんですか?」と聞いてみました。
雨の強さにもよるけれど、当然オープンなので雨は吹き込んできて、床の上の水の動きは活発になり、
雨脚が強いときは、音も館内に響き渡り、静かなときとは全然違った、自然の脅威を見せ付けられる感じなのだそうです。
見たい…
きっと、雨そのものが空から降ってくる様子も、館内から観ると感動的だろうな…
雨の豊島美術館、ぜひ行って見たい。
ものすごく後ろ髪をひかれながらも、「今度は雨の日に行きたいね」ってことで、美術館を後にし、あとは、一路港へ。
こんどは積み残されないように…ってことで、残りのアートは諦めて、バス停に向かったのでした。
ところが、ここから思いもよらない展開となるのであります。
次回最終回、大長編 「ふれあい編」 乞うご期待♪
photo by BLUESKY・TULIPさん