WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

宅配コンサート

2015-01-23 | アーティスト魂





一昨日、「宅配コンサート」行って参りました。

音楽が好き、歌が好きだけど、身体的、精神的などなどの事情で、ライヴやコンサートに出かけることができない方のところに、うたとピアノの宅配します。
お父さま、お母さまのお誕生日、喜寿、米寿…などなどのお祝いにいかがですか~?
クライアントさまのリクエスト曲を中心にプログラムを組みます。
リクエストにはできる限りお応えできるよう、最大限努力します。
現在のところ、100%お応えしています。

料金は今のところ¥7000です
そのうち\1000は機材搬入や交通費などの経費。
なので、1人あたりのギャラは \3000

私たちは、これで稼ぐつもりは全くないので、このような料金なのです。
あくまでも、ご高齢の方、心身の不自由な方を抱えるご家族が、「歌のプレゼント」として、
いくらならこのサプライズにお金を払おうと思っていただけるだろうか…と、、、
…まあ、花束よりちょっと奮発…な料金設定です。
そして、介護に疲れを感じているご家族の方も一緒に癒されていただければと…

しかし、パートを休んで宅配コンサートをやるとマイナスになってしまうのが現状…なので、宣伝はしてません。
\3000では、ヘアセット代にもならないので、
「自力でステージ仕様にできるようにカットしてくれ~!」と担当美容師さんにお願いして、
腰まで伸ばした髪をどんどんバサバサと切って、ついに、もとのショートになりました。

それでも、私はこれをライフワークにしたいんじゃ~。

…まあ、料金設定は今後の課題ではありますが。

私にも(あなたにも)そろりそろりと「老い」が確実に忍び寄っている。
「生涯現役」ってミュージシャンにとってはめっちゃシビア…

だけど、私のライフワークの、「生涯現役」は、「稼ぐ」こととちゃうんや。
あなたに歌をうたって、それを受け取ってもらえること。




前回の宅配コンサートの画像です


だから、私が病気で入院して、車椅子生活になって、もうシャバには戻れなくて、命カウントダウンになっても、
食堂や談話室で
「故郷」とか「赤とんぼ」とか、、、
私のうたを、あなたに伝えたい。

きっとどんな人も、命の終わるときまで、人の役にたちたいと思うだろう…と思う。
それが、生きる意義なのではと、、、
最後の最後まで、前を向いて生きて、あなたに伝えることを続け、
自分の人生をしみじみと振り返るのは、長くても最後の3日。短ければ数秒だと思う。



今回リクエストいただいたのは、

湯の町エレジー
別れの一本杉
テネシーワルツ(日本語バージョン)などなどでした

春日八郎さんが大好きと仰るクライアントさんのために、そんなら「お富さん」も!と、
直前に急遽追加でセットリストに加えました。

私は、この「お富さん」の歌が大大大好きなのです。

この曲の「お富さん」と「与三郎」は、過去にフリンの恋仲であった。
ヤクザの親分の女に手を出し、メッタ切りにされた「与三郎」と彼の死を嘆いて入水した「お富さん」は、
2人ともその時に死んだはずなのに、共に生きていて、
しかも、再会したとき、またもや「お富さん」は、別の男に囲われているところへ、
「与三郎」はゴロツキの友人に誘われるままに金の無心に行った…みたいな、どぉ~しようもないシチュエーション。
しかし、この壮絶な人生を生きてきた二人の再会の場面を、このように軽ぅぅ~~く歌い上げる…というのが、私にとっては、めっちゃ「タイプ」なのであります(^_^;)
人生、ここまで極めると、あらゆる重荷から解き放たれ、軽~く、澄んだ境地に到達できるもんなのかなあ…
そうであってほしいなあ… という憧れが私にはございます。


「お富さん」




かの、悲劇のオペラを書き続けたヴェルディ(彼の人生もまた壮絶であった)も、最後の作品は「ファルスタッフ」という、喜劇なのであった。


昭和歌謡…奥深く、ほんとに、楽しく、感慨深いです。


当日はそんなお話もさせていただきながら、「お富さん」歌いました。
お客さまのお1人は、中学生のころ、アルバイト先で、この歌をみんなで歌いながら作業をしていたそうで、
突然の「お富さん」、あまりにも懐かしかったと、感激してくださいました。

ああ、そんなことなら、フルコーラス暗譜で、もっとちゃんと準備しておけばよかった、、、


カウントダウンは生まれたときから始まっている。

1日、一瞬を大切に生きることがなかなかできずに、だらだらと日々過ごしているけれど、
瀬戸際オンナでもしょうがない、それは自分に許すから、とにかく、1回1回のステージだけはは悔いのないようにしたいな。
…そうはいっても、反省点は、毎回続出で、だからこそ「次は…」って思えるんだけどね


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