松代という、嘗て大本営の地下壕が築かれた町にある
「池田満寿夫美術館」に行ってきた。
しかし、「池田満寿夫」に特別関心があるという訳では
なく、松代も(同じ長野県でも行った事がないところ
のほうが断然多い、未だに上高地すら行った事がない)
何か機会がなければまず行く事もない所なのだが、た
またま行く人がいて、誘われ、その何かの機会が訪れ
たわけで、同行するということになった次第だ。
高速で、一時間ほどで着くのだが、感覚的には東京よ
り遠いと思うのは、それだけ接点がないということ。
長野県は北信、中信、南信と分けるが、本当にそれぞ
れの文化的交流というのはない。
今はあまりないのだろうが、嘗ては対抗心が相当あっ
たようだ。
それで、「県歌」などを作って、どうにかまとめ、一
体感を持たせようなどとしたのではないだろうか。
アメリカ国歌で急に皆まとまるのと同じ効果を狙って。
そんな、北信にある松代だが、ところどころ昔の面影
が残って、どうにも鄙びたところで、なかなか味があ
る町だ。
特に駅舎は、物凄く古びていて、建築的価値とかはな
いと思うが、その古さにちょっと感動する。
その駅から直ぐのところに「池田満寿夫」美術館はあ
る。
どうやら栗菓子メーカーの資本の美術館らしく、同じ
敷地にその店舗もある。
展示作品は、学生時代の頃の物から、最後の焼き物ま
で、時代別に網羅されている。
個人的には「ヴェネチアビエンナーレ」のころの作品
が好みである。
デュシャン風、ピカソ風、マチス風、ウォーホル風、と
いろいろ変化するのを見て、その変遷を感じる事がで
きるのが、こういう個人美術館の良さだろうか。
ざっと見終わって、我々は小布施に向かった。
小布施というのは、北斎縁の地で、有名な「北斎館」な
どがあるところ。
しかし、それを観にいったわけではなく、昼飯を小布
施で食べようというそれだけの理由で向かったのだ。
小布施というのも初めてのところだ。
松代から、30分ほどで到着。
「Vent Vert」という店に、「蕎麦粉のガレット」
を食べるために入った。
予め、調べ、良さそうだったのだ。
つづく