映画少年兼サッカー少年Yに、かねてより連れて行っ
てくれと頼まれていたイングリッシュパブに、とうとう
行く事になった。
店の名は「BULL AND BEAR」という。
場所は、ここから車で一時間ほどの、八ヶ岳の麓の、と
いうより懐か、そんな周りが殆ど林の中。
夜出かけることになるが、真っ暗な人の気配が殆どない、
こんなところにそんな店があるのか、と誰しも不安に
思うような場所に、忽然と、明かりに照らされたイギ
リスのパブそのまんまの姿の一軒家が眼前に登場する
のだ(大分大袈裟に言ってます)。
それにしてもイギリスそのものだ(行ったことはない
が)。
イギリス人なら泣いて喜びそうだ(多分)。
店内に入ると、これまた現地そのまんまだ(行ったこ
とはないが)。
兎に角、雰囲気は良い。
イギリスと言えば「フィッシュアンドチップス」とい
うことで、フィッシュ、チキンアンドチップスの盛り
合わせを頼む。
要するに、チキン、フィッシュのから揚げとポテトフ
ライの盛り合わせだ。
居酒屋で言えば「から揚げセット」。
流石イングリッシュパブ、居酒屋セットも何か特別な
もののように感じられる。
これこそイングリッシュマジックだ。
マジッククリスチャン(適当)。
飲み物はYはギネスの生をone pint、こちらは運転
なのでノンアルコールビール。
美味そうにYはギネスをゴクゴク。
こちらのノンアルコールビールも心なしか香りが良く、
ノンアルコールにしては美味い。
これもイングリッシュマジックか。
あっという間にone pintを飲み干し二杯目を頼んだ
Yは、このポテト美味いですよと、幸せそうに言う。
確かに、揚げたてでかりっとした皮付きポテトは美味
い。
フィッシュ、チキン無しのポテトだけで良いかもしれ
ない。
次に、こちらは「ミートパイ」Yは「手羽先の何とか」
を頼む。
「ミートパイ」は、一般的なひき肉ではなく、すね肉
を柔らかく煮込んだものを使っていて、これぞ正しく
ママンの味。
イギリス人が故郷を思い出し、望郷の念に暫し涙する
ものではないか(全て適当)。
「ミートパイ」ではなく「キドニーパイ」は確か名物
ではあったと思うが(これは本当)。
今回初めて知ったのだが、Yは軟骨好きで、手羽先の
骨も全てぽりぽり食べて、完食した。
お皿には何も残っていない。
焼き鳥の軟骨は判るが、手羽先の骨まで食べるか、普
通。
まあ、骨も食べられ、ギネスの生黒ビールを4pint
飲み、Yにとっては至福のひと時であった事だろう。