中国旅行に行ってきた知り合いに、現地の様子を聞い
てみた。
まず行ったところが「西安」。
どこら辺にあるのかは、当然のことわからない。
昔の「長安」のことであると言われ、ああ「長安」か
ということになるが、場所がどの辺かはやはり判らな
い。
中国の真ん中辺だよと言われ、ああなるほどねとなる
が、なんせ中国のこと、真ん中辺と言ってもその範囲
は広い。
まあ、その辺は大まかにやるのが中国式であろう。
「兵馬俑」があるところだよ、と言われると、ああそ
うなんだ「西安」だったかということで、なんとか落
ち着く。
となると、「兵馬俑」なんかあるから観光客は凄いん
じゃないの、という話になるが、日本人はそれ程多く
なかったそうだ。
日本人以外の、ヨーロッパ辺りの観光客にはもっと受
けそうな感じがするが、と聞くと、やはり多かったよ
うである。
泊まったところは何とか大飯店か?とか、どうでも良
いようなことを色々聞いてくうちに、話題は現地のト
イレについてとなった。
ホテルなどは良いが、田舎に出ると今でもちょっと、
という状態であるようだ。
一応水洗ではあるが、下水管が細いゆえ紙が流せない
ことになってるらしい。
だから使用後の紙は、専用のバケツに入れる。
そのいろんな人の使用後の紙が、しゃがむと目の前に
せまってくる。
とてもゆっくりできる雰囲気ではないということだ。
しかも、ドア無しとか、そのトイレの便器に辿り着く
まで爪先立ちで行かないとならない(汚れているので)
とか、なかなか貴重な体験をしてきたようだ。
あれじゃ、便秘になっちゃうよ、と知り合いは嘆息し
た。
変に水洗にするより、どっぽん便所の方が余程ましだ
というのが我われの結論であった。
それともう一つ、現地の人間は流さないということも
言っていた。
徐々に堆積したそれらを想像すると...。
昔は色々聞いたが、いまでもそんな状況か。
根本的に衛生観念が日本人とは違う、ということを言っ
てた別の知り合いがいたが、そういうことなんだろう。
現地の人間は、大して気にならないから改善もされて
いないと考えた方が良さそうだ。
その点日本人は、潔癖症と言ってもいいくらいの清潔
好きだ。
考えてみれば、こういう環境にいると、いざとなった
時の抵抗力、適応力もなくなるのではないか、とかえっ
て危惧されるくらいのものだ。
柔な環境とも言える。
清潔の方が良いにきまっているが、人間本来の生命力
もなくなっているとしたら、それも問題である。
実際、様々なアレルギーは、寄生虫がいなくなったこ
とにより増えたという説もある。
一ついえるのは、そんな環境で鍛えられている中国と
いう国の人間は逞しいということだ。
こんなとこからも、中国恐るべしという結論が導き出
されるが、本当は、中国のトイレ恐るべしなのである。