ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

レッドキドニー

2008年02月12日 | 食べ物


それにしても、ここに来て良く雪が降る。
しかし今日の雪は、所謂、この地方で「カミユキ」(上
雪なのか紙雪なのか諸説ある)という、気温が高い時
特有の、大粒の、紙をちぎったような湿っぽい雪で、
あまり積もることは無い。
その降ってくる雪を見ると、まるで歌舞伎の舞台で降っ
てくる雪のようで、見慣れた風景も、どこか浮世絵の
世界に見えてくるから不思議だ(大分装飾してるが)。

ところで、「豆同好会」(今作った)の活動である。
「レッドキドニー」という初めての食材をどう使うか
ということであったが、当初は「カスレ」で行こうだっ
たのだが、「カスレ」に使おうと思った「子牛のコンフィ」
は、サラダで食べてしまっていた。
ということは、「コンフィ」から作らないといけない。
しかい、それだけで2日は必要だ。
そこまでの準備が整わない。
それに、次回「コンフィ」を作る時には「ほろほろ鳥」
を使おうという計画もあった。
もろもろ鑑み、取り敢えず、「カレー」にしようとい
うことになった。
「結局、それか!」の世界だが、一番無難と言えば無
難だ。

いつものように、トマトと玉ねぎだけを使い、後は「レッ
ドキドニー」。
ここで一応説明すると、「レッドキドニー」というの
は、「赤インゲン豆」のことで、形が腎臓にに似てい
るのでそういう名前になった。
メキシコとか、ブラジルの豆料理によく使われるよう
だ。
で、カレーなのだが、今回トマトは生ではなく缶詰を
使った。
ところが、缶詰のトマトというのは、封を切ると全部
使いたくなる。
というより、残すことが憚れるのだ。
次に使う予定でもあれば、いくらでも残せるのだが、
そういう予定がない場合、ひっそりと冷蔵庫の中でい
つまでも存在し続けることになる。
気が付いた時には黴だらけ、なんて運命が待っていた
りする。
だから、一旦封を切るとどうしても使い切りたくなる。
今回もそういうことになった。
ちょっと多いかなという懸念は勿論あった。
というのは、酸味が強くなりすぎると思ったからだ。
予想的中。
その通りになった。
物によっては、酸味が強い方が美味いというのはある
が、豆の場合は、酸味が強いと豆の個性を邪魔するこ
とになる。
決して不味くは無いが(美味いレベルではあると思う)、
こちらの想定したものとはちょっと違う。
ということで、トマトは缶の半分で良いということが
判った。
こうやって、レシピの完成度は増してくるわけだ。

今回、もう一つ特筆すべきことがあった。
「レッドキドニー」特有の色だ。
赤というより赤紫なのだが、その色がカレーに移り、
カレーが物凄く濃い色になるのだ。
黄色味は一切無く、全体が赤紫系だ。
系つながりで、昔の木の床の、最後は五日市線辺りを
走っていた国鉄時代の電車の色を思い出した。
床の油の臭いが何ともいえない、あの電車の色だ。
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