「ファラフェル」というのは、イスラエルの代表的ファ
ストフードで、謂わばヒヨコ豆でつったコロッケとい
うところだ。
と書いてはみたもの、本物を食べたことは無い。
飽くまでも、情報によるとである。
それでは何故「ファラフェル」かというと、ヒヨコ豆
の使い方が他に無いかと調べていて引っかかったか
らなのだ。
名前だけは、前から知っていた。
しかし、中東のどこかの食べ物で、コロッケみたいな
ものである、程度の知識しかなかった。
それが今回、イスラエルの食べ物で、しかも主原料
がヒヨコ豆であるという事実を知ることとなった。
ヒヨコ豆カレーだけでは、やはり飽きが来る。
人間、たまには変化がほしくなる。
それで、早速レシピを見た。
ふやかしたヒヨコ豆をミキサーにかけ、味付けして
揚げるだけだ。
比較的簡単そうだ。
味付けのポイントは、クミンシードのようである。
ということで、クミンシードなのだが、こういうと
きに田舎のスーパーは(品揃えが)使えない。
わざわざクミンシードだけのためにネットもないし、
松本まで買いに行くのもなんだしと思っていたら、何
とT君が持っていると言う。
喜んで分けて貰う。
これでクミン確保だ。
後は、玉ねぎにニンニク、これもポイントか、レモン
汁も使うようだ。
ヒヨコ豆をおから状になるまでミキサーにかけ、それ
ぞれの材料を混ぜ、味付けし、パセリも入れるように
なっていたが、忘れたので省き、丸めてパン粉をつけ
揚げるだけだ。
揚げ油は、以前買った1リットルのオリーヴオイルが、
今一古っぽくて使ってないのがあった。
揚げ油としてだったら大丈夫だろうという見込みの元、
それを使うことにした。
謂わば、廃物利用みたいなものだ。
あまり揚げ物はやりたくないが、「ファラフェル」のた
めだ我慢我慢。
油の温度が今ひとつ自信が無かったが、勘で調整し、
なんとか見かけは狐色に揚がった。
まさか、生ではないだろうな。
ヒヨコ豆は、生のをすり潰したものを使ってるわけだ
から。
味見をして見る。
火は通っているようだ。
若干不安だったオリーヴオイルも問題なし。
唯、一番肝心の味付けが。
どうも、クミンシードの味が強いぞ。
いくらクミンが決め手とも言え、多ければ良いという
ものではない。
最後に一つまみ余計に入れたのが、良くなかったと推
測される。
これでは、ヒヨコ豆の味が消されてしまう、と思った
が、本物を食べてないので、自信を持って判断が出来
ない。
つまり、この味が、方向としては「ファラフェル」に
なっているのか、単にこれはクミンだけの問題なのか。
この辺のところがはっきりしないのだ。
どうやら、本物の味を知ることから始めないとならに
ようだ。
「ファラフェル」の旅は今始まったばかりだ。
と言っても、イスラエルに行く気は毛頭無いし、いつ
第2話が書けることやら。