ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

童年往事

2008年02月14日 | 映画


昨日の最高気温はマイナス2度。
この期に及んで「真冬日か」、の世界である。
山の方はどうかなと、ちょっとした好奇心もあり蓼科
に行ってみると、やはり真っ白であった(当たり前だ)。
昼でも、マイナス四五度といった感じで、当然道路は
雪で踏み固められスタッドレス無しでは無理な状態。
車の通らない脇の道は、雪に埋もれて、それこそスノー
シューでもないと歩けない。
長靴で歩いてみようと思ったこちらの思惑はもろくも
崩れた。
「Trace Hunting」(今考えた造語、獣の足跡を見つ
けて収集すること)でもしようと思ったのに(嘘です)。

ところで、例のギル.エヴァンスの「ラスベガスタンゴ」
であるが、やっとT君が惹かれた理由が分かった。
ロバート.ワイアットがそれをフィーチャーしていたの
だ。
ロバート.ワイアットは元々T君の好きなミュージシャン
であるから、これで納得である。
そんなT君に「ローリー.アンダーソン」の聴いてない
のを貸し、また新たなCDを借りてきた。
最近は、すっかりパーソナルレンタルCD屋状態である。

その後、ビデオの残りを見る。
見かけのビデオがあったのだ。
ホウ.シャオシェンの「童年往事」。
この前久しぶりに見ようと思い、半分くらいのところで
眠くなり、その状態で放置してあったのだ。
十何年ぶりかに見たのだが、確かに眠気を誘う映画では
ある。
というのは、そのゆったりしたテンポ。
そして、劇的なストーリー展開とは無縁な、日常的風景。
最近ご贔屓の「ジャ.ジャンクー」と、やはり共通な世
界である。
見る人によっては、あまりに平板と感じるであろう。
しかし、その一見平板な世界の構造に目を向けると、そ
こには全く違う世界が現出する、ということではないか?
つまり、一見平板な世界にこそ真実が隠されている、と
いうことでもないか?
まあ、要するに魅力的なのであるのだ。
ホウ.シャオシェンは台湾の監督であるから、当然舞台
は台湾のある町である。
しかし、昭和30年代の日本そのものといった世界が、
そこにはある。
例えは悪いが、「三丁目の夕日」などよりは遥かに「童
年往時」の方が日本である。
というより、世界である。
つまり、真の映画であるということだ。
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