ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ある日のリストランテ

2008年02月28日 | Weblog


新しく出来たイタリアン(トラットリアではなくリスト
ランテという感じの)に行ったら、あまりに隣の客の
会話が興味深く、思いっきり聞き耳を立ててしまった。
仕切られたつくりになっているので、たとえ、聞き耳
を立てなくても良く聞こえるのだが。

登場するのは、20歳そこそこの女性二人組み。
どうやら大学生のようだ。
ということは、会話の内容からして信州大学か。
それにしても、学生が普通にこういう店に来るのか。
もう一度言うが、トラットリアではなくリストランテ
だ。
と言うほど値段が高いわけではなかった。
飽くまでも雰囲気が、東京の今風イタリアンであると
いうことで、値段的にはトラットリアで良いかもしれ
ない。
どちらにしろ、同じ頃の自分は、学食の60円の汁が
大分濃いかき揚げうどんがせいぜいだった。
隔世の感というやつか。

さて、その二人だが、一人は理論派で、自分の意見を
自信を持ってずばずば言うタイプ。
もう一人は、「私って優柔不断なタイプだから」とい
かにも言いそうな、標準的な真面目(そうな)タイプ。
関係としては、先生とその生徒と言った感じである。
仮に先生をA子、生徒をB子とする。

店の人に
「グラススプマンテってなんですか?」(A子)
「イタリアのグラスシャンパンです」(店の人)
「じゃあ、それお願いします」(A子)

おいおい、学生が昼間っからグラスシャンパンか、も
とい、グラススプマンテか。
隔世の感である。

「シャンパン地方しかシャンパンて言っちゃあいけな
いのよ」(A子)
「へえ、そうなんだ」(B子)
「だから、他のはみんなスパークリングワインって言
うのよ」(A子)

出来れば、シャンパーニュ地方と言ってほしかった。
それにしても、田舎の学生で良くそんなことまで知っ
ているものだ。
そして話題は、シャンパーニュから何故か冷戦時代の
ドイツ。

「ベルリンていうのは、壁ができた時に同じ市内なの
に分断されて、東と西になったのよ」(A子)
「へえ、そうなんだ」(B子)
「だから、冷戦時代でも飛び地のベルリンには西から
行けたんだよね」(A子)
「へえ、そうなんだ」(B子)
「ああ、ヨーロッパに行きたいね」(A子)
「行きたいね」(B子)
「やっぱり最低二週間はね」(A子)
「そうね、その位はね、ガウディも見たいし」(B子)
「スペイン、良いわね」(A子)
「ところで、サグラダファミリアのサグラダってどう
いう意味?」(B子)
「英語でいえばSaint、つまり聖家族という意味よ」(A子)
「へえ、そうなんだ、なんかサグラダファミリアってい
うと、日本の会社の名前みたいなんだよね」(B子)
「サクラダ工業で作った車ファミリアって、違うだろ」(A子)

つづく。
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