こんなに暑くなった時期になんであるが、懸案の「カ
スレ」をいよいよ作ろうかと思い、豆を、今回は「う
ずら豆」と「手亡豆」(早速使ってみた漢字、白イン
ゲンのことだ)、を煮た。
このときに、本場の場合ベーコンなどを出汁代わりに
一緒に煮るのだが(日本の場合スープの素も)、しかし
その為だけにベーコンを買いに行く気に今ひとつなら
なかった。
元々がこってり料理なので、動物系を使わないと「カ
スレ」としての味が弱いだろうことは分かる。
だから、何かは入れないといけない。
すると、何かそれに適したものがあったようなかすか
な記憶が蘇ってきた。
思い出した。
「金華ハム」だ。
以前、中国土産で貰ってずっと冷凍してあった固まり
があったのだ。
ただ問題は、結構前だったということ。
そのまま食べるわけではないし、飽くまでも出汁代わ
りだから、ということで、冷凍庫の底で殆どその存在
を忘れられていた「金華ハム」が、久しぶりに外界に
その姿を現すことになった。
直方体の「金華ハム」は、表面のところどころが変色
していた。
見るからに怪しい色である。
しかし、まあ、出汁代わりだから。
で、その部分をこそげ取り、適当に刻んで豆と一緒に
煮込んだのであった。
ここからが問題なのだが、元々「金華ハム」のいい状
態というものを知らないので、これが本来のものなの
か分からないが、一言で言えば臭いのである。
それと、かなりしょっぱい。
ちょっと下味程度に塩を入れたら、物凄く塩辛い豆に
なってしまった。
仕方ないので、薄めるために、「手亡豆」をたすとい
う追加手段をとった。
それでもまだちょっとしょっぱい。
今度は、他の野菜を追加せねば、という段階である。
「金華ハム」というのは、相当塩辛いものなのか。
それに臭いは、本来こうなのか。
そこのところがどうにも疑問である。
中華系は、得意分野ではないので良く分からないのだ。
思わぬ豆の追加で、量だけは多くなった「カスレ」の
ベース。
これに今度は「コンフィ」を乗せパン粉などを振り、
オーブンで30分ほど焼けば出来上がりなのだ。
どう考えても、この時期に食べるものではないが、兎
に角ここまで来たら、「カスレ」の完成目差し、意地で
もやろうという気になっている。