先週に引き続き「霧が峰」に行く。
身近な割りに、行くところは決まっているので、知っ
ているようで知らないところのほうが圧倒的に多い。
歩かないと、そういう場所には行けないので、結果的
に遠足でもない限り行くことはなくなり、自然と足は
遠ざかってきたのである。
しかし、このところの観察好きの復活によって、徐々
に足元に目が向かいだしたのだ。
前回は、ほんの数分の範囲だったが、今回はちょっと
ハードである(飽くまでも前回との比較)。
距離により、いくつかのコースを自分で設定でき、そ
れに沿って好きなように歩けるのが「霧が峰」の良い
ところ。
しかも、草原主体なので、急坂もあまりない。
だから、本格的登山ではなく、ハイキングなどをした
い人にとっては最適な場所であるのだ。
ここ数年の中年登山ブームの煽りも受け、今回も平日
にも関わらずその数の多いこと(個人的には、少ない
ほうがありがたいが)。
特に多くなったのは、ここ二三年のことらしい。
それで何ゆえ、少ないほうがありがたいかというと、
挨拶する回数もそれに応じて少なくて済むから。
多いと、結構煩わしいのである。
しかも、こちらは、殆ど普段着で、いかにも山という
格好ではなく日常の延長のような感覚。
その意識の違いもあり、余計にそう感じる。
一応、山の掟として、挨拶を交わすというものがあり、
「霧が峰」でもそれは適応される。
しかし、その掟がどこから有効になるかというのが難
しいところで、スタート地点では、車で来てちょっと
周辺を散歩などという人間と、そうではないハイキン
グ客が混在している。
どうやら、スタートから半径数百メートルの範囲は、
緩衝地帯であるようだ。
つまり曖昧なエリアなのだ。
いずれにしろ、挨拶するべきかしないべきか、そうい
うことを考えること自体が疲れる原因となる。
結局、人がいない方が良いということになるのだ。
で、今回こちらが選んだコースは、10キロ以上はあ
りそう。
途中、一山越えたり降りたりで、起伏にとんだコース
である。
人が集まるところは、車山周辺。
そこに至るまでの道は殆ど歩いてなかったが、近付く
に連れ、ここは「尾瀬」か、という風景に一変する。
まあ、観光できて高原を満喫したいのだから、ある場
所に集中するのも致し方ない。
こちらは日常、向こうにとっては非日常だから。
途中、昼食タイムとして、今回は「ジャンボンサンド
イッチ」(バゲットのハムサンド)を用意した。
観光客用のレストランはもう使いたくないし、コンビニ
のものはあまりに貧しいしということで、自分で用意
したのだ。
マヨネーズ味というのも避けたかった。
「バゲット」はレベル以上のいつものパン屋のもの。
それにバターを塗りハムをはさむだけ。
ハムが今ひとつであったが(スーパーのものには限界
がある)、高原の風景を見ながらの食事は文句なしに
気持ち良い。
缶コーヒーすら、「カフェ」のエスプレッソの如くで
ある。
そのご、新たな蝶(ウスイロオナガシジミ)も撮れた
し、全体的には満足のいくちょっと長い散歩であった。
写真は、その「ウスイロオナガシジミ」。