ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

壁に歴史あり

2010年04月09日 | Weblog


今日の写真は、所謂「原爆タイプ」の普通に
見られるものである。しかも地味めな。が、
よく観察すると、これがなかなか味わいがあ
った。しっかりと時を刻んだ壁であったのだ。

まず、全体では「原爆タイプ」の基本通り、
隣のいえが無くなり(剥がされ)その家の形
が壁に残された。その部分を、前からある素
材と同じような素材(モルタル)で塗って修
復した。しかし、庇の部分は(写真の①)壁
が違う素材だったのだが、そこでその部分だ
け変えるほどの配慮(職人気質)はなかった。
そこまでの完成度は求めなかったのだろう、結
果、庇の形は素材の違いとしてくっきり残る
こととなった。そして次に、窓だ。新たに一つ
ほしくなった。そこで作ったのが写真の②の
窓。左の庇のあった点線上(写真④)がバラ
ンス的には良い位置だったのだろう。そして、
晴れて二つの窓が壁に映えることとなった。
しかし、暫くすると、前からあった窓(写真③)
の方が老朽化してきた。そこでその窓を新
しくサッシににすることにした。その結果、
まえからあった窓(③)の方が、新たに出来
た窓(②)よりみかけは新しいものとなった。
と、こんな壁でも、人知れずそんな歴史を刻
んでいたのだ(全ては推測)。
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