ゲロゲロ少年Yが、ドライヤーの「ゲアトルー
ズ」を回収に来た。どうでした?と聞くので
もちろん良かったと答える。そして、こんな
作品を撮ってたなんて凄い、これだけは間違
いないね、と二人で納得する。
そのYの手には、新たな二枚のDVDが。一つは
ストローブ=ユイレの「セザンヌ」。すかさ
ずYは「いやあセザンヌは凄い」と一言。どう
やらこの映画を見て、セザンヌは凄いと深く刻
みこまれたようだ。それで、セザンヌが凄いの
か、それともそれを撮ったストローブ=ユイレ
が凄いのかと聞くと、どっちも凄いということで
あった。完全に憑依してしまったようだ。まあ
これもいつものことだと軽く受け流す。こちら
としては楽しみな映画がまた一つ来たわけだ。
因みに、もう一枚はクロード・シャブロルの「不
貞の女」という作品。これに関しては、あまり
期待はしていない。
突然「ドラクロア」も凄いですよ、とY。セザンヌは
ドラクロアを尊敬してたらしいことをこの映画で
知っての一言であった。ドラクロアねえ、「何と
かの自由の女神」ぐらいしかしらないし、と言う
と、えっそれ何ですか?とY。あの有名な、ジャ
ンヌ・ダルクみたいなやつだよ、と言うと、あれ
は「ラ・マルセイエーズ」って言うんじゃないで
すか、ととぼけたこと言う。どうもドラクロアも
よく分かってないYであった。