ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

単独登山 ②

2013年05月03日 | 生き物 自然

 

大見山を越えて向こう側に出るとあるのは蓼の海という湖。ここは人工湖で、嘗てはスケートのメッカであったが、今はブラックバスを放して釣り専用湖になっている。単なる溜め池にして、自然の状態にすれば生態系の豊かな湖になると思うのだが、現状は最悪である。それにしても日が差せば何とか耐えられるが、日が陰り風でも吹くとまるで木枯らしに遭ったような寒さである。とても春とは思えない。

 

 

そのあまりの寒さに、昼飯用に用意したケバブサンドも座って食べる気が起きず歩きながら食べることにした。ところでこの自家製ケバブサンドだが、どうして作ったかと言うと、調度キーマカレーの残りがあり、それを利用すれば出来るのではないかと思ったから。鶏肉を使ったキーマカレーも、日に日に香りは失われていき、味の方も日に日に落ちていく。そこで、単独で食べずにこれを新たなひき肉とあわせれば、味付けしなくてもケバブ風になるのではと閃いたのだ。早速スーパーに行き鶏のひき肉を買い、合わせてハンバーグのように整形し焼き、それをトーストした食パンに挟みキャベツの千切りも入れてアルミホイルに包んだのだ。

そのケバブサンドを歩きながら食べたわけだが、これが想像以上に美味く、いい具合のエスニック味となっていたのだった。ともすればぱさつき気味になる鶏のひき肉ハンバーグも、キーマカレーのソース(トマトが主体)の水気でしっとりして、しかもエスニックの元となるクミン、コリアンダーも効いて結果的に丁度良い味付けとなっていたのだ。このケバブ風サンドはいける、と思った。これで寒さもちょっと和らいだ。

下りは違う道で普通の車道なので、あまり面白いものを期待できないと思っていたが、そんなところに一際目立つ金属的な輝きを放つ二センチほどの虫を発見。アスファルトの上にぽつんといたので自ずと目を惹いた。それは初めて見る虫だ。お腹が大きく翅がいやに小さい。現物では今回が初めてだが、ネットでは見た記憶がある。ツチハンミョウという虫ではないか。それにしてもきれいである。触角(形が面白い)だけを盛んに動かし体は動く気配がない。こんなところにいると車に轢かれるので脇の草むらに移した。この時、確かツチハンミョウは毒を出すのではというかすかな記憶が蘇り、素手ではやらずカメラのストラップに捕まらせてやった。これは結果的に正しくて、ツチハンミョウには毒があるのだった。後で調べると、種類はどうやらヒメツチハンミョウであるようだ。春先に出現し、翅は退化して飛べない。この時期ならではの虫だった。いくら寒くても、それなりの出会いはあるものである。今回の歩いた距離、約15キロ。

 

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