ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

カンヌについて

2013年05月24日 | 映画

 

三池崇史「悪の教典」を見る。過剰な演出が特徴の監督だが、いい具合に抑え目になると「十三人の刺客」のように結構面白いものもある。今回の「悪の教典」は、終盤に一気に本領発揮となるのだが、その描写が過剰ではあるのだがむしろ単調に感じ、全体を通じての印象も単調で面白くなかったというのが正直な所だ。前半の思わせぶりな所は、園子温を思い起こさせた。

その監督、今現在はカンヌに「藁の楯」を持って乗り込んでいるようだ。その様子をテレビで見たが、出演している松嶋奈々子も一緒にフラッシュを浴びていてじっくり見てしまったが、何だか作り物のような顔で気色悪かった。凹凸のない顔なので、まるで何かの仮面を付けているように感じたのだ。しかし、一応日本では美人と言うことになっている、のだろう。が、個人的には全く理解できない所だ。

と、そんな女優のことはどうでもいいのだが、歴代のグランプリ作品を振り返ってみると、日本人のでは、1997年の今村昌平の「うなぎ」が最後の受賞作品であった。それほど良いとも思えなかったが、このあたりに、アカデミー賞とは一線を画しているというカンヌの姿勢は表れている。他のグランプリ(パルムドール)作品についても見てみたが、実際この十年の作品で見たのは、ケン.ローチの「麦の穂をゆらす風」一作品だけだった。結局、アカデミー賞も同じだが、グランプリを取ったというのが見る動機にはなっていないというわけなのだ。それではと、ヴェネチア、ベルリンとそれぞれの過去十年の受賞作品を見てみれば、どれも似たような状況で、何だかんだ言っても、アカデミー賞の方が見てるのが多かったという事実が判っただけだった。悔しいが、これも映画会社の力関係が個人の見方に影響しているということなのだろう。

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