昨日の続き
ウスバサイシンのあるところから更に山の上の方に歩いていく。初めて通る道だ。それにしても天気がいい割には蝶は飛んでいない。今日は外れ日なのかもしれない。条件が良くても何故かいないというのは偶にある。当然凄い当たり日というのもあるが、当たり日の翌日はさっぱりだったりと、こればかりは運のようなものである。林を抜ける道を進んでいくと、やっと一頭のヒメギフチョウを目撃した。それは、目の前を通り、林の中を抜けてあっという間に消えた行った。結局、目撃したのはこの一頭だけだった。他の蝶すら飛んでないのだから今日はこれまでだろう。
ちょっと物足りないので、場所を移動した。
八ヶ岳が穏やかな姿を見せている。移動先はヒメシロチョウという、矢張りこの時期に見られる、昔は普通にいたのだが今や希少の、白い蝶がいるところ。現地に到着すると、早速白い影が。発生地を動かないので、その時期発生地に行けば大体見られる。ところがこの蝶、なかなか止まらないのだ。モンシロチョウなども忙しないのだが、同じような習性を持っているのかもしれない。ヒメシロチョウがあまりに止まらないので周辺をを観察すると、これも羽化したばかりの本日二頭目のトンボ、シオヤトンボが止まっていた。このトンボもこの時期ならではのもの。成熟するとオスは塩をふいてシオカラトンボのようになる。
そして、再び発生地に戻ると、やっと一頭のヒメシロが食草のツルフジバカマに止まって、如何にも産卵なするようなそぶりを見せた。直ぐさま撮影体勢に入る。暫く止まっていたので充分に撮ることはできた。ただ、この産卵行動は結局シミュレーションのようであった。こういった擬似行為を蝶はよくするのである。