「滝壺ビオトープ」のその後。
砂を投入し水が澄んだ頃を見はかり観察すると、「ボウ
フラ」以外に何か虫のようなものがいる。
体長5ミリほどの、形は「マツモムシ」のようにも見
える。
何もしていないのに、すでに水生昆虫が発生したかと、
自然の驚異に感嘆する(飽くまでもこの時点では)。
それにしても、どこから来たのか。
不思議である。
そこでもう少しよく見ようと思い、ルーペで観察する
ことにした。
しかし、拡大された姿は、想像していたものとは全く
違っていた。
どこが「マツモムシ」だ。
それはその手の虫の姿ではなく、エイリアン的な姿を
していたのだった。
ツーっと泳ぐ時は、普段丸めている尻尾のようなもの
を伸ばすのだった。
直線的に泳ぐから、ますます「マツモムシ」系かと思っ
たのだ。
その後、ネットで調べると、何のことはない「ボウフラ」
のその後の蛹でることが判った。
こういうのを「鬼ボウフラ」と言うらしい。
まさか、蛹もこんなに動くとは。
身近な「蚊」であるが、良く知らないことだらけだ。
蚊というだけで、対象から除外されているからこういう
ことになるのだ。
結局この時点では、「ボウフラ」以外いないというこ
とは判った。
まあ、雨水がたまっただけの水溜りだから。
そして、近くの田圃へ水草を採りに行く段となった。
聞いていた場所に行き、水草が生えている田圃を探す。
水草が全く生えていない田圃の方が多い。
そんな中、生えている田圃から水草をバケツに掬う。
ついでにちょっとどろも。
車で来ているので、バケツにほんのちょっとである。
家に戻り、それを「滝壺ビオトープ」に投入。
あわよくば他の水生昆虫も混じっていれば、という期
待は当然持っている。
そして、翌日観察。
最近では、朝の観察がすっかり日課となってしまった。
自分でも、良くやるよと思う。
目を凝らし、じっくり見る。
水草の方は、そう早く定着するわけもないので、何か
「ボウフラ」以外の虫がいないかという観察である。
すると、何かがいた。
これがまた小さく、動きが早い。
体長2ミリほどのその虫は、たまに呼吸のため水面に
顔を出す。
どうやら、今回はこちらの期待する水生昆虫のようで
ある。
しかし、大きさ的には「ノミ」である。
全く見当が付かない。
いつものようにネットで調べてみる。
今のところ怪しいのは「チビゲンゴロウ」というゲン
ゴロウの仲間だ。
ただ、それは大きさと動き方での判断で確証があるわ
けではない。
ということで、「ボウフラ」以外の水生昆虫も増え、徐々
にビオトープの形が整ってきた。
今度は、このあまりに多い「ボウフラ」をなんとかしなく
ては、とまたまた田圃に出動して、姿は「メダカ」(ま
ずメダカではなく何かの稚魚)の小さい魚を採ってき
て放流。
ちゃんと生き延びられるか。
ついでに、何だか知らない巻貝も。
これは、多分外来の巻貝だと思う。
しかし、ビオトープの多様性を保つために。
この限られた滝壺から他に移る可能性はないだろう。
これで、朝の日課はますます充実だ。