紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

「星空の約束」(あかね書房刊)が出ました!

2022-10-09 10:12:33 | 2・仕事の周辺

三宅島を舞台に書いた物語が、出版されました♪

私が三宅島に移住したのは、七年前のことだ。その年の六月、小笠原諸島に遊びにいった夫は、帰りに友人が住む三宅島に立ち寄ると、その場で島に移り住んで畑をすると決めてしまった。

私に何の相談もなく決めたので、私はこれまで通り東京で暮らすつもりでいた。なぜって、私は船がメチャクチャ苦手だったからだ。

それでも借りた家に、家財道具などをそろえなくてはならない。夫から少し遅れて、島に渡った。もちろん船ではなく、調布飛行場から小さな飛行機に乗って。

三宅島に近づくにつれて、太平洋の碧く澄んだ海に眼を奪われた。真っ青な空が広がり、白い雲が数珠つなぎに浮かんでいた。

そのときから、持病のある私は、病院受診のため、東京の内地と島との行ったり来たりの生活が始まった。

あれから七年。三宅島にいる時間も、だんだんと長くなり、三宅島の良いところも、大変なところも、しだいに知るようになった。

そのうち、島を舞台にして、物語を書けないかと考え始めた。

物語の骨格ができあがったのは、四年ほど前のことだ。

ところが、その後新型コロナが蔓延し、原稿は寝かせたままになった。

時を経て、今年になり、ようやく『ウィズコロナ』の中で、少年たちの物語は進み出した。

本文中のマリンスコーレは、実際には今年延期になったが、ここでは主人公の少年たちに楽しんでもらいたく、最初の原稿を生かしてその場面も入れることにした。予定通り8月6日に行われたこととして。

今この本を手にしながら思うのは、ほんとうに数え切れないほどたくさんの方々にお世話になったということだ。

三宅島に住むきっかけを作ってくれた西野直樹さん。

野菜や魚を分けてもらったり、畑のことを教えてもらったり、年がら年中、ありとあらゆることで、お世話になり続けている大勢の島の方たち。

そして、本になるにあたっては、この物語に、星空を初めすてきな挿絵を描いてくださった森雅之氏。

このアシタバを描くだけでも、アシタバ農家の夫から、何度もダメ出しされ、その度に書き直してくださって、申し訳ないやら、ありがたいやら、言葉を尽くしても感謝しきれない。

さらに、新型コロナによって、原稿は何回も中断したにもかかわらず、つねにアドバイスをくださったあかね書房の榎一憲氏には、心より感謝している。

榎さんがいなければ、おそらく、この物語は完成させられなかったでしょう。


懐かしい人からの電話

2020-10-15 21:20:32 | 2・仕事の周辺

今日の午前中は買い物にいった帰り、海の近くを通る。

けっこうすごい風。雨も降っている。

そして、午後は、明日葉の種を、一粒一粒もぐという単調な仕事。

上のをもいで、このようにする。

コンテナは、まだ3-4個ある。しばらく雨が続くようなので、せっせともごう。

 

そして、夕方、嬉しい電話を頂いた。電話を受けて、こんなに興奮することも、一生のうちにそうないだろう。

かけてくれた相手の方は、私がとてもとてもお世話になった編集の人で、今はその仕事から離れている。

最後に会ったのは沖縄の名護。あれから10年の月日が流れた。

積もり積もる話はたくさんあったが、ほとんどの会話は「大草原の小さな家」について。

私の三宅島での生活を話したら、彼女が、

「それは大草原の小さな家の世界ですね。」といったのが始まり。

そして、「今年はコロナで出かけられないとき、大草原のシリーズのビデオ、通しで3回目を全部見ました。」というので

「今年の夏、私も3回目を見ました。Amazonぷらいむで。」と私がいうと、

「私も、Amazonぷらいむで。」と彼女もいい、あまりの偶然の一致に、笑ってしまった。

それから、話は盛り上がり、あのシリーズは、シーズン8で終わった方がよかったんじゃないかと思う、と私がいうと、彼女は最後は見ない方がいいと思い、やめているとか、ほんとうにいくら話しても話し尽きない感じだった。そして、最後はマイケル=ランドン賛美で終わった。

何冊も本を作ってもらった彼女には感謝するとともに、なにか大切にする部分が一致していたのだというのを、今日はしみじみ感じられて、嬉しい日だった。

写真は、いつだったかブログに載せた、主人公ローラが出てくる一場面。


日本児童文学者協会主催の文学賞贈呈式、表彰式

2019-05-25 06:46:19 | 2・仕事の周辺
昨日は、児文協の文学賞贈呈式、表彰式にいってきた。

場所は中野サンプラザ。



中野駅前は、高校時代中野の高校で過ごした私はなつかしい場所だけど、その頃はまだ、サンプラザはできていなかった。
もっぱら、友だちと遊びにいくのはブロードウェイだった。

式は、会長の内田麟太郎氏のオープニングの挨拶で、始まった。



各賞受賞の方々。



三宅島にいると(どこに住んでいてもか?)、こういう場所にいくと、気後れする。
でも、1年に1度しか会えない仕事関係の人に会えたり、仕事以外でもいろいろ有意義な話が聞けて、ためになった1日だった。

今日は昼過ぎの便で、三宅島に渡るので大忙し。

昨日は児童文学者協会の授賞式などに参加

2018-05-26 06:37:08 | 2・仕事の周辺
三宅島に住んでいると、このような華やかな場とは縁遠いなあと、昨年も思った。
たくさんの作家さんたち、編集者さんたちにも出会え、刺激をいっぱいもらってきた。

2:00から5:00の学習交流会のテーマは、

  ★子どものいまと向き合う

6:00~は、

  ★2018年度文学賞贈呈式

長編児童文学新人賞の選考委員をしているのに、今年の1月の選考委員会は、広島の孫が入院していて出席できなかった。
でも、昨日はいくことができ、プレゼンターをさせて頂いた。

ずっと岡田なおこさんと一緒にいて、いろいろ話もできて楽しい時間だった。





授賞式の後のパーティー。



今日は、昨晩三宅島からきた夫が、午前中、慈恵医大病院。今日で目処がたつといいのだけど。
夜の船で一緒に三宅島に帰る。

児童文学者協会のあつまり

2017-05-27 07:08:44 | 2・仕事の周辺
昨日は協会賞、新人賞、などの文学賞表彰式、贈呈式に出席した。
長編児童文学新人賞表彰も行われた。賞に応募された方とお話ができてよかった。
私は審査員をさせてもらっているが、私よりよほど、文学関係に詳しく教えてもらうのは私の方だった気が・・。(汗)
こういう場に行くのは久しぶりだったが、、いろいろな方にお会いできてよかった。
今日は児童文学者協会の総会。その前にはマンションの理事会。
それが済んだら、いつでも三宅島に帰れる。

明日から北秋田にスキーに行く

2017-01-30 20:49:03 | 2・仕事の周辺
今日で、仕事が一段落。
私の手に余るなあと思いつつ、今年から、日本児童文学者協会が主催する、長編児童文学新人賞の選考委員をつとめることになった。
今日が、その選考会だった。
一般公募で集まった原稿のうち、前段階の選考を経てきた7編を読んで、新人賞にふさわしいのはどの作品か、5人の選考委員で協議した。

私も、35年前に、一般公募していた講談社に原稿を送って、拾い上げてもらい、初めての本を出版してもらうことができたので、心して原稿を読ませてもらった。
こういう機会は多ければ多いほど、作家として一歩を踏み出す機会も増える。

私は、講談社の前に、実は別の出版社の新人賞に応募しようとしていた。ところが、1年も2年もかかって書いている間に、その出版社は、新人賞の募集そのものをやめてしまった。
あのときは、けっこうショックだった。
そんなこともあったけれど、幸運にも、講談社児童文学新人賞を受賞することができ、無事に1歩を踏み出すことができた。

そして、話は変わり、明日から、新幹線と、私が大好きな秋田内陸縦貫鉄道に乗って、北秋田の山にテレマークスキーをしにいってくる。
板にワックスをかけ、準備万端。板はすでに現地に送った。




しかし、天気はイマイチ。
でも、まあいいのだ。深く積もった雪をながめつつ、新しい板の乗り心地と、BCクロカンの練習ができれば。
今シーズン初めてのスキーを楽しんできたい。
秋田の福士さんにお世話になります。





「ぼくらは鉄道に乗って」を連載していた時

2017-01-19 15:58:48 | 2・仕事の周辺
今思うと不思議な気がするのだけど、三宅島に家を借りて、住む準備を始めたのは、この連載が始まる直前だった。
家具を買ったり、電気製品をそろえたり、寝具を整えたり、台所用具をそろえたり。
けっこう忙しかった。

そのため、住む場所を決めたのも、家を決めたのも夫だった。
家の準備と連載に追われていて、私は見にいけなかったのだ。
原稿を送らないとならないので、ネットが通じないところには行くことができない。
それだけは早くしてと頼んで、やっと、ネットが通じたと連絡をもらうと、すぐに、飛行機でいった。
行ってみたところ、考えれば当然なのだけど、島には電車が通ってない。

私は列車がすごく好きで、それで書き始めた物語なのだけど、電車が通っていない島で、鉄道少年たちの話を書いているって、なんか変だなあと思っていた。

飛行機の窓から、初めて見た三宅島の景色。ガスっていたので、島にただ一つある雄山が見えない。
山も好きなので、早く雄山に上れる日がきてほしい。今は火山ガスがでているため、入山禁止になっている。







新刊が出ました! 「ぼくらは鉄道に乗って」

2017-01-18 16:58:52 | 2・仕事の周辺
一昨年、毎日小学生新聞に連載していた「ぼくらは鉄道に乗って」が、小峰書店から刊行されて、本日見本を頂いてきた。

「ぼくらは鉄道に乗って」が本になるまでには、今までに、こんなにたくさんの人たちのお世話になったことはないというほど、いろいろな人のお世話になった。

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Uさんが毎日新聞に連載しませんかとお声をかけてくださったのは、2015年の12月のことだった。
そして、担当してくださった、毎日新聞社のDさん、その他のかたたち。
それを本にするのに当たって、担当してくださった小峰書店の編集のYさん、他のみなさん。
Yさんには、ほんとうにキメ細かく見て頂いて、何度も原稿がいったりきたりして直したが、楽しい作業だった。
ちょうど村上春樹さんの「職業としての小説家」を読んでいたときだったので、ここを楽しまなきゃいけないことを胸にきざみつつ、仕事をした。

連載のときも、本にするときも、絵を描いてくださった佐藤真紀子さん。
連載のときは、毎日絵をつけるのが、そうとう大変だったと思う。
また本にするにあたって、新たに絵を描いてくださったが、表紙も迫力があるし、どの絵もすばらしい。
とても、とても感謝している。

装丁の城所潤さんも美しく、かわいらしく仕上げてくださった。

そして、校正をしてくださった方。
校正の段階で、あんなに文章を変更したのは、初めてだった。
すごい資料と直しの数に、えーーっと思ったが、直せば直すほどよくなったと思う。なにより自分で納得できる形になった。

ちょうど「地味にスゴイ! 校閲ガール」というドラマをやっていたときだったので、ドラマもたのしく見つつ、校正もたのしんだ。
自分もドラマの中にいるような(?)気分だった。(笑)

そんな風にしてできあがった本です。ぜひお手にとってください。






母校に行く

2016-07-02 18:00:10 | 2・仕事の周辺
今日は、私の出身校、杉並区にある西宮中学にいってきた。




1年ほど前に、土曜授業に行うシンポジウムで、話しをしてくれないかと、友人の瀬上氏に頼まれた。

全中学生と保護者が来るという。

私にシンポジストがつとまるか、ちょっと(というかだいぶ)心配ではあったが、瀬上氏は、長い間(12年)同じ学校に通った仲でもあるので、お引き受けすることにした。
三宅島の行き来やら、娘の出産やらで、なかなか日程の調整がつかなかったが、今回、ようやくうまく日にちがあって、実行に移せることになった。

シンポジストは、全員西宮中同期(5期)で、
 辻優氏(外交官で、オランダ大使などをしていた人。今は学習院大学で教えている)
 寺井勝氏(現在千葉市海浜病院の院長で、子どもの心臓医一筋の人)
 瀬上清貴氏(厚生省の元局長で、今もさまざまな分野で活躍している人)
 私(子どもの本の作家)




4人が、1セッション、中学時代の話しをまじえて
     2セッション、それぞれの仕事の専門分野の話し

と、2巡することになった。時間は10:00~11:30まで。




みんな、会ってしまえば、○○君と呼び合う仲間であるが、今日はあらたまった席で、それぞれの歩んできた道や、仕事の話しを聞けたのは、とても貴重な体験だった。

肝心の中学生たちが、楽しんでくれたかはわからないが、誰かの一言でも、心に残ってくれたら嬉しいと思う。

帰りがけに、図書館にいったら、このようなコーナーを作ってくれていた。
できれば、図書委員の人たちと直接話しがしたかった。








「逆転! ドッジボール」(あかね書房刊)が出ました!

2016-06-22 06:54:15 | 2・仕事の周辺
昨日、新刊の見本を頂いてきた。(下のブログに作品紹介をのせました)

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本ができあがるまでには、たくさんの人のお世話になる。
あかね書房の編集の榎さん。何度も書き直すのにつきあってくださって、ほんとうにありがとうございました。
絵を書いてくださった、石山さやかさん。
物語の挿絵は初めてとのことで、そういう瞬間に立ち会えたのを嬉しく思った。
このブログを見られるかしら? イメージ通りの絵を描いてくださって、どうもありがとう♪

そのほかにも、物語の登場人物のモデルになってくれた、たくさんの子どもたち。

そして、カメコ。
20年ほど前、家ではカメコというカメをかっていた。
近所の友人が引っ越すことになり、持っていけないからといって、プラスティック容器ごとカメコをおいていったのだ。
ほんとうに、よく人になれた、かわいいカメだった。それ以来、「我が家のカメ」になった。




新刊「逆転! ドッジボール」に登場するカメゴンは、その時のカメコがモデルである。

もうずっと長い間、いつかカメコが出てくる話を書きたいと思っていた。
そして、ようやく5年ほど前に、書き始めた。
その後も、いろいろストーリーを変更したり、時間がかかったが、遂に本になることができた。