紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

新刊「鳥海山の空の上から」

2014-11-20 14:01:52 | 2・仕事の周辺
「鳥海山の空の上から」ができあがった。

最初に鳥海山のことを知ったのは、2010年5月の、まほろば倶楽部のスキーツアーだった。

その時に、鳥海山にとりつかれた。
以来、去年までの4年間に、6回鳥海山にいった。
祓川から山頂まで登ったこともあるし、山頂直下で敗退したこともあった。
鳥海湖でゆっくりと花を眺めて過ごしたこともある。
行くたびに、好きな山だなあと思う。

実は、この話しは、もうずっと前、おそらく10年前に、構想ができていた。
それが、なかなか納得いくように書けずに、もう完成することはないかなあと思ったりもした。
ところが、2010年に鳥海山に出会った時に、書けると思った。

小峰書店さんに原稿を送らせてもらったのは、去年の11月だった。
その年のうちに、縁あって、Iさんに編集を担当して頂けることになった。
編集長時代から、ずっと知っていたが、直接担当して頂いたのは初めてだった。
毎回編集の方にはお世話になるけど、今回もほんとうにお世話になった。
編集の方の一言で(実際にたったの一言)、この本のスタートの雰囲気はガラリと変わったのだけど、こんなに変わったのは、処女作以来だと思う。
今思うと、力を与えてくれた、ありがたい一言だった。

佐藤真紀子さんの絵も、ほんとうにすばらしく、大好きな鳥海山をあますことなく、描いてくださった。
私がこの本にこめた思いを、じっくりとくみ取って描いて頂けて、ほんとうにありがたいと思う。
私にとって、忘れられない一冊となった。
佐藤さんに「最後の夏休み」以来、久しぶりにお会いできたのも嬉しかった。

表紙





中の表紙 これはニッコウキスゲの花。わたしが一番好きな花です。




この本ができあがるまでに、はいろんな方のお世話になった。
真っ先に感謝したいのは、「ちょうげの男」鳥海荘のひろ社長さん。
何度も一緒に鳥海山に登ってくださったり、本になる過程でも、やっかいな質問にもかかわらず、何度もいろいろ調べてお返事をくださった。
ほんとうにありがとうございました。
他にも一緒に鳥海山に上ってくれた友人たちにも、たくさんの感謝を・・。








子どもの図書館

2014-08-10 15:36:48 | 2・仕事の周辺
「石井桃子のことば」の本を読んで、一時、私は「子どもの図書館」という本にすごくはまっていたのを思い出した。




20代最初の頃だ。
そろそろ、子どもの本の周辺で生きていきたい希望がめばえてきた頃で、できれば、自分で書きたいと思ったが、でもどうやって書いたらいいのかわからなかった。
書けるのかどうかもわからなかった。

そんな頃、石井桃子さんの「子どもの図書館」の本に出会い、くりかえし、くりかえし読んだ。
かつら文庫という、石井さんの私設文庫の7年間の記録だ。他にもいろいろ書いてあった覚えがあるけど、それはまた別の本だったかもしれない。

同じ頃、題名も忘れたが、アメリカ人のストーリーテラーの人の本にも惹きつけられた。

子どもたちに向かって本を読むのではなく、子どもたちの目を見ながら、ストーリーを話す。

どちらの本も、私の人生にすごく影響を与えたと思うのだけど、よく考えると、もう30年以上手にとっていない。
本棚をあちこち探したけど、本も見つからない。なんということだ。
また時間をみて、探してみよう。

この30年間、そういう意味では、書くという方向にブレはなかったからなのだろう。

この本がほんとうに、自分にとって必要だったのは、書くことで子どもの本と関わるのか、そうじゃないのか、迷っていた時期だったからなのかもしれない。





この1週間

2014-05-17 06:59:52 | 2・仕事の周辺
GWに山だの、スキーだのに行ったのに、また来週は立山スキーなのである。
今はツアースキーの最盛期。
春の山は、ザラメで滑りやすく、気候も暖かで、日も長い。
冬のように寒さに耐えて耐えて滑るのとはちょっと違うのである。

なので、こんなにさわやかでいい気候の日々だというのに、せっせと雪を求めて出かけて行く。

といっても、仕事はふつうにあるので、来週いなくなるし、今週はバタバタといろんなことに追われていた。
ようやく、今日、気がかりをあと一つ残すだけとなり、来週は立山に行く。

気がかりなので、年内(おそらく秋)に刊行される予定の本のタイトル。
こればかりは、時間だけかけても、うまく思いつけないことがある。
もちろん、原稿が仕上がった段階で、タイトルはつけているけど、それにダメ出しされたり、自分でよくないなあと思いはじめると、1歩も進めなくなる。

ps)ブログ記事に写真がないと、さみしい。カメラ、立山までにもどってこないかしら・・。





日常が始まる

2014-01-06 17:23:19 | 2・仕事の周辺
2014年、今日からふつうの生活が始まった。
毎年、この日は、今年はなんの仕事をするかなあと考える。
去年から続いている創作物語がある時は、それにとりかかるが、ちょうど切りがいいと、新しい物語をスタートさせる。
まだどうなるかわからないが、真っ白い原稿用紙を開く。
なんてことはなく、今は、パソコンの一太郎のソフトを立ち上げて、とりあえずのタイトルをつけて、そこからスタートする。

今年は、ここ3年くらい(もっとか?)かかえていた長編物語が昨秋書き終わったので、編集の人のアドバイスをもとに、書き直したりして完成させる作業がしばらくメインになる。
それは、自分でもすごく書きたかった話しなので、どんな風に変わっていくか、変えられるか心配でもあり、たのしみでもある。
以前は、書き直すのは、あまり好きではなかった。自分ではベストと思っているので、そこに手を加えるのは、かえって、大事なものをこわすような気がしていた。
けど、近頃は、編集の人の腕しだいで、作品がそれまでよりずっとよくなるので、必要なプロセスだと思えるようになり、実際にその作業をたのしめるようになった。

というわけで、Iさんとは、知り合ってから、多分20年目くらいにして、初めて直接一緒に仕事をさせて頂くことになった。ちょっとドキドキしている。

そして、またもう1つ(2つか?)気になっている原稿。本になるか、ならないかビミョーな感じだけど、しばらくそのことを考えるのはよそう。

暮れに片づけたのに、また散らかってしまった、マイ机。




おまけの1枚。部屋の壁。
福田さんから頂いた宝物の絵と、トントンのリトグラフの習作、そして、今年のカレンダー。




いつでも、半年~1年くらい先の、スキーの予定や、山登りの予定、広島行き、その他もろもろのことなどを考えているので、1年分が1枚になっているのじゃないと、私にとっては役に立たない。
ここ数年は、こちらの会社のカレンダーをかけている。


世界で一つだけの絵

2013-12-05 17:07:05 | 2・仕事の周辺
昨日とてもすてきな贈り物が届いた。

それは、額に入った絵。
その絵をプレゼントしてもらえるのは、おそらく、世界で1人だけだろう。

なんの絵かというと、私の今度出版された「岳ちゃんはロボットじゃない」の表紙の絵。




驚くやら、嬉しいやら、感動するやらで、家の中で飛び上がりそうになってしまった。

福田岩緒さんから頂いた、私の宝物です。

新刊が出ます

2013-11-09 09:43:10 | 2・仕事の周辺
昨日、新刊の見本が届いた。題名は「岳ちゃんはロボットじゃない」(佼成出版)
私にしてはめずらしい、小学校中学年向きの本。




福田岩緒さんの絵も、イメージにピッタリというか、ピッタリ以上で、とってもいい感じに仕上がっている。

自分の頭の中にだけあった世界が、絵描きさんに絵を描いて頂き、本という形になった時、他の人にも開かれたなあ、といつも思う。
ほんとうに幸せな瞬間だ。

最初に、この本を書こうと思ったのは、25年ほど前のことだ。でも、いろいろ事情があって、封印していた。
今回の表紙は、その25年前に、私が思い描いた絵のイメージとすごく似ていて、私の中では、その時のストーリーが生き続けていたのだと思った。
いつもそうだけれど、本ができあがるまでには、たくさんの人のお世話になる。
佼成出版社の編集の藤本さん、絵描きさんの福田岩緒さん。
それから、息子、取材に付き合ってくれた夫、畑を見せてもらったM橋さん、昔子どもだったたくさんの人たち。

配本されるまでに、まだ1週間か10日ほどかかると思うけれど、本屋さんで見かけたら、ぜひ手にとってみてくださいね。

明日から広島

2013-03-30 17:58:34 | 2・仕事の周辺
今日は、なんだか一日駆けずり回っていた。

一つは仕事。1年半くらい前から書いていたのを、この2週間、ラストスパートでこなし、今日やっと書き上げた。
1年半といっても、間に、依頼原稿を書いたり、母や義父が亡くなる前後は、丸々3ヶ月何もできなかったり。

また間をあけて、書き直したら、出版社の人にみてもらおう。
とはいうものの、1年かけても、まったく仕事にならないこともあるのが、つらいところです。

でも、書いている間は、ひじょうに楽しいので、それはそれ。一生書いていけたら、幸せな人生と思うこの頃。

それと、連句が今日巻き終わった。これも、最後はラストスパート。
13日間という、今までで一番の早さで巻き終わった。
早いからいいできとは限らないけど、楽しい時間でした。次は夏の巻です。

その他には、精米器の中を掃除したり、明日からの荷物をそろえたり、冷蔵庫の中を整理したり、ゴミの整理をしたり。

全部終わって、明日から広島。心ちゃんが8度の熱があるのが気にかかる。
早くなおってね~。


本はいつでもきみたちの味方です

2012-02-09 17:41:45 | 2・仕事の周辺
日本児童文学者協会の、被災地の学校図書館に本を届ける活動に参加させて頂き、本日、被災地の学校に本を送付した。
こういうのをとりまとめる協会の係の人には、大変なご苦労があったことと思う。
あまり、ふだん役に立てていない私なので、心苦しく思うことが多いが、できることで参加すればいいのだと、この頃は思っている。




今回一つ、ああそうかと思ったことがある。メッセージは本に書いてもいいけれど、手紙などは入れないでください。
送られた人たち(各学校の図書担当の先生や司書の方たち)が、お礼状を出すことが負担になるからだそうだ。それはそうだろうなあと思った。

送付した小学校や中学校の子どもたちのうち、一人でも二人でも、私の本を読んで、いい時間を過ごせてよかったと思ってもらえたらいいなあ。




小学校の司書の先生

2012-02-01 12:22:52 | 2・仕事の周辺
いつ頃からだったか、公立小学校に司書の先生が配属されるようになった。
以前は、担任がかねてやっていたので、整理するのも、図書館に置く本を選ぶのも、そうそう時間がとれなかったと思う。

ところで、私はマンションに住んでいるのだけど、管理人さんが常駐している。
マンションに住む小学生は、いつも学校から帰ってくると、家に行くより先に、入り口にある管理人室によって、「ただいまー。」とあいさつする。
とてもアットホームでいい感じだなあと思っていた。

何年か前から、新刊が出ると、管理人さんに本を差し上げて、管理人室に置いてもらっていた。
小学生が立ち寄るので、読みたい児童がいたら、貸してあげてくださいといって。
その後、本を読んだ子が、家に遊びにきてくれたこともある。

その置いてもらった本を、読む子どもがいなくなると、管理人さんはマンションの小学生に託して、第一小学校の図書館に寄贈してくれていた。
1冊の本を何人もの子どもが読んでくれるというのは、とても嬉しいものだ。
そして、最新刊の「ぼくらは、不思議の山探検隊」もそのようにして、一小の図書館に持って行ってくれたが、この度、司書のH先生からとても丁寧なお礼状が届いた。
内容も嬉しいものだったが、字もきれいで、感激した。

さらに嬉しかったのは、手紙には切手が貼ってなかったことだ。
このマンションの子が直接先生から託されたものなのだろう。きっとその時に、会話というか交流もあっただろから、それを想像しただけでも、楽しくなった。


新刊が出ました!

2011-10-21 10:22:35 | 2・仕事の周辺
前のブログにも載せたが、「ぼくらは、ふしぎの山探検隊」という本が出た。

新刊が先か、シンちゃんが先かと、毎日やきもきしていたけれど、偶然にも同じ日にできあがった。
いつもは、新刊は、編集者の方が届けてくださるのだけど、そういうわけで、全く予定が立たなかったので、送って頂くことになった。
今朝届いて、表紙をなぜて(笑)、あらためて、喜びをかみしめている。

私にとっては、思い入れの強い1作。
なぜかというと、最初の本である「ぼくらの夏は山小屋で」を書いた時から、あの本の続きを書こうと思っていた。
実際に、何度も書いたのだけど、うまくいかず、そうこうしているうちに、「ぼくらの夏」が絶版になってしまった。
となると、続きなど書きようがない。

その時にはかなりガッカリしたのだけど、少したってから、また別の形で書こう、いつか必ず、と思うようになった。
そして、できあがったのが、「あの夏、ぼくらは秘密基地で」であり、「ぼくらは、ふしぎの山探検隊」である。

25年という長い間、あたためてきた本ができて、ほんとうに嬉しい。
前作もだけど、この本も、書いている間がすごく楽しかった。いつもは、本を書くというのは、楽しい中にも、産みの苦しみというか、そういうのを伴うものだけど、この2作に限っては、そういうことがいっさいなく、楽しくて楽しくて、するすると書いてしまった。
あとで文章を大幅にけずるのに、相当時間がかかったが、それすらも楽しい作業だった。