経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

居酒屋”ニッポン”の 危うい経営

2022-08-12 07:15:34 | 国際収支
◇ 経常収支の黒字が激減した = 財務省が発表した1-6月期の国際収支統計によると、経常収支の黒字額は3兆5057億円。昨年同期に比べると63.1%も減少した。実額でみると6兆0021億円も減っている。原因は貿易収支が5兆6688億円の大幅な赤字になったため。その原因は原油や資源などの価格騰貴と円安の影響で、輸入代金が前年比40.8%も増加したためである。

経常収支は、日本と外国とのおカネのやり取りをまとめた統計。貿易収支と第1次所得収支、サービス収支の3部門で成り立っている。このうち貿易収支が大赤字となったが、外国との投資のやり取りを示す第1次所得収支は12兆8728億円の黒字。サービス収支は外国人観光客の減少で2兆4947億円の赤字だった。所得収支の黒字によって、経常収支はなんとか黒字を保った格好となっている。

居酒屋‟ニッポン”の経営状態はこうだ。客の入りはまずまずで、売り上げは順調に伸びている。ただ材料費が高騰、特に光熱費が大幅に増加した。このコスト高のため、大幅な減益に陥っている。ただ巨額の株式を保有、多額の配当収入がある。その結果、決算上は黒字を維持することが出来た。だが、こういう経営状態なので、従業員の賃上げには消極的にならざるをえない。

光熱費の値上がりは、今後も続きそうだ。しかし経営者は、効率の悪い旧式の調理設備を新しくしようとは考えない。また太陽光発電などを取り入れて、少しでも電気代を安くしようという気もない。つまり経営努力という点では、かなり問題があると言えるだろう。世界的なインフレが収まり、原材料や光熱費が値下がりすることだけを待っているようにも思われる。こうした居酒屋、先行きはどうなることやら。心配である。

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

配当で食える身分になった 日本

2018-02-17 07:51:56 | 国際収支
◇ 配当・利子の稼ぎが貿易の4倍に = かつては“貿易立国”を旗印に掲げていた日本だが、いまや配当や利子の収入で十分に食えるようになった。財務省が発表した17年の国際収支によると、経常収支は21兆9000億円の黒字だった。その内訳は貿易収支が5兆円の黒字、旅行収支が1兆8000億円の黒字、第1次所得収支が19兆7000億円の黒字などとなっている。

第1次所得収支というのは、海外子会社からの配当や投資した証券などからの利子を集計したもの。日本の収入金額から日本が支払った金額を差し引いた結果を示している。内訳は証券投資による利子収入が9兆円でいちばん多く、次いで子会社からの配当金4兆3000億円など。これらの儲けだけで、貿易で儲けた分の4倍に達しているわけだ。

若いころには汗水たらして働いて貯金し、老後は株の配当金で暮らす。一国の経済も成熟するにしたがって、こういうパターンを辿るようだ。イギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパの先進国は、こうしたパターンに入っている。日本も06年から第1次所得収支の黒字が貿易黒字を上回るようになり、この差がしだいに大きくなってきた。

配当や利子で暮らせるのは、いい身分に違いない。しかし問題もある。まず世界経済が不調になると、輸出と同時に所得収支も悪化する。また円高が進んだ場合も、所得収支は目減りする。さらに企業は海外での儲けが大きくなるから、利益を海外で使い、国内での設備投資や人件費の増加には慎重になりがちだ。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +255.27円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝3敗】  


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