経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2024-07-15 07:46:15 | 株価
◇ 企業業績と円相場が握る東京市場 = ダウ平均は先週625ドルの値上がり。終り値は4万0001ドルで、再び4万ドル台を取り戻した。火曜日にはSP500が、水曜日にはナスダックが史上最高値を更新している。パウエルFRB議長が議会で「もはや景気は過熱していない」と証言。9月の利下げが確実になったという見方が浸透。さらに6月の消費者物価が上昇幅を縮小したことで、株価が押し上げられた。

日経平均は先週278円の値上がり。終り値は4万1191円だった。しかし火-木曜日は3日間で1443円も急騰したあと、金曜日には1033円とことし最大の下げ。波乱に満ちた1週間だった。アメリカで消費者物価の鈍化が発表されたのに合わせて、政府がドル売り介入を実施したため、円相場が3円以上も上昇。大幅高の反動とも重なって、週末には売りが集中した。

9月の利下げがほぼ確定したため、ニューヨーク市場の関心は「年内にもう1度の利下げがあるかどうか」と「バイデン大統領の進退」に移りそうだ。一方、東京市場では「最近の株高はバブルかどうか」の論争が起きそうな雲行き。この点については今月下旬にピークを迎える決算発表が焦点に。また円相場がさらに円高に進むかどうか。この2点が株価を動かすことになりそうだ。

今週は16日に、5月の第3次産業活動指数。18日に、6月の貿易統計。19日に、6月の消費者物価。アメリカでは16日に、6月の小売り売上高、7月のNAHB住宅市場指数。17日に、6月の住宅着工戸数、工業生産。また中国が18日に、4-6月期のGDP速報、6月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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今週のポイント

2024-07-08 08:20:03 | 株価
◇ 壮観! 日米で史上最高値ラッシュ = ダウ平均は先週257ドルの値上がり。終り値は3万9376ドルで、5月に付けた最高値まであと600ドルあまりに接近した。一方、ナスダックとSP500指数は、そろって火曜日に史上最高値を更新している。雇用や非製造業の景況判断が弱含みとなったほかは、あまり大きな上げ材料は見当たらない。にもかかわらず株価が上昇したのは、半導体関連が相変わらず相場を支えたこと。それに広い分野で、出遅れ株が物色されたためだと思われる。

日経平均は先週1329円の大幅な値上がり。木曜日には終り値で4万0914円、史上最高値を3か月ぶりに更新した。同時にTOPIXも2898.47に上昇、こちらは34年7か月ぶりの新高値となった。半導体をはじめ製造業や金融など、広範な分野が買われている。週初は円相場が161円72銭と38年ぶりの水準にまで下落したが、輸出関連株が上昇しただけで、株価全体への悪影響は全くなかった。

とにかくニューヨークでも東京でも、株価の史上最高値が続出。記念すべき1週間だった。今週は利食いが増えそうだが、それにしても株式市場は新たな上げ局面を迎えたのか。それともバブルの末期なのか。その答えは、やはり企業の業績見通しから導き出すしかない。年内あるいは年度内の見通しが固まる8月末には、その答えが出るだろう。

今週は8日に、5月の毎月勤労統計、6月の景気ウオッチャー調査。10日に、6月の企業物価。11日に、5月の機械受注。アメリカでは11日に、6月の消費者物価。12日に、6月の生産者物価、7月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、6月の消費者物価と生産者物価。12日に、6月の貿易統計を発表する。

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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今週のポイント

2024-07-01 07:23:58 | 株価
◇ 日本株は買われ過ぎ? = ダウ平均は先週31ドルの小幅な値下がり。終り値は3万9119ドルで、いぜん4万ドルを狙える位置に付けている。これで6月中は1.12%の上昇、年初来では3.79%の上昇だった。インフレ圧力が予想外に強く、FRBの利下げが遠のくなかで、じりじりと値を上げている。大きな要因としては、やはり半導体関連の上昇が見逃せない。利下げ期待と半導体の活況が、相場を支えている。

日経平均は先週987円の値上がり。ニューヨーク市場が足踏みしたのに、東京は大きく上げた。終り値は3万9583円で、こちらも4万円を狙う姿勢。これで6月中は2.84%、年初来は18.2%の上昇となった。ダウ平均と比べると、上昇スピードはかなり速い。出遅れ株が物色されたのと、行き過ぎた円安で外国人投資家の関心が高まったことが原因だろう。金利高を予想して、金融株も買われている。

先週末に行なわれたテレビ討論会で、バイデン大統領の‟自滅”がかなり明白になった。トランプ前大統領が復帰するとなると、株式市場はどう対応するのだろう。今週から、そんな状況が報道されるのではないか。株価がどう動くかは、まだ判らない。一方、東京市場はやや上げ過ぎ。円安は全体として、株価を下げる要因として働き始めている。

今週は1日に、6月の日銀短観、消費動向調査、新車販売。5日に、6月の家計調査、景気動向指数。アメリカでは1日に、6月のISM製造業景況指数。3日に、5月の貿易統計、6月のISM非製造業景況指数。5日に、6月の雇用統計。また中国が1日に、6月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  
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驚くべき怪物! エヌビディア (下)

2024-06-28 07:25:54 | 株価
◇ ついに“独り勝ち”の状態に = 20年5月の日経新聞は「GAFAMの時価総額が東証1部全体の時価総額を上回った」と報じている。GAFAMというのは、グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフトの頭文字。いずれもAI(人工知能)を駆使するアメリカの巨大企業だ。ニューヨーク株式市場に君臨して、相場を引き上げる原動力となっていた。それに昨年はEVのテスラとエヌビディアが加わって、MAG7(壮大な7社)に。ところが現在は、なんとエヌビディアだけが急成長を続けている。

ことし4月、ニューヨーク市場はFRBによる利下げが遠のいたことから、大幅に売り込まれた。MAG7の株価も急落、エヌビディアも10%下げている。ここからIT関連株は、全体として足踏み状態に陥った。ところがエヌビディアはだけは株価を上げ続け、世界一の時価総額を達成する。その原因は、エヌビディアが発表した恐るべき決算内容だった。

エヌビディアが発表したことし2-4月期の決算内容は、市場関係者に大きな衝撃を与えた。売上高は前年同期の3.6倍、純利益は7.3倍というとてつもない成績。市場の事前予測をはるかに上回った。このためダウ平均やナスダックの株価が下がっても、エヌビディアの株価は上昇。それでも利益が大幅に増加したため、PER(株価収益率)は40倍程度にとどまっている。アナリストの多くはまだ買い推奨の姿勢を崩していない。

いまエヌビディアが直面するリスクの一つは、アメリカ司法省が反トラスト法違反の疑いで調査の準備に入ったこと。実際に調査が始まれば、株価にとっても大きなマイナス材料になるだろう。もう1つは、やはりバブルの疑問。3か月で利益が何倍にもなる快進撃は、どこかで止まるだろう。止まれば、株価は大きく売られるかもしれない。5-7月期の決算発表は、8月下旬に予定されている。

        ≪27日の日経平均 = 下げ -325.53円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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驚くべき怪物! エヌビディア (上)

2024-06-27 06:56:06 | 株価
◇ 日本のGDPに迫る時価総額 = もの凄い企業が出現した。アメリカの大手半導体会社エヌビディアである。先週18日、その時価総額が3兆3350億ドル(約526兆円)に達し、アップルやマイクロソフトを抜いて世界一となった。時価総額というのは、発行株式数に株価を掛け合わせた数値。その企業の全株式を市場で購入するのに必要な金額と言っていい。それがなんと日本のGDP、23年の名目値591兆円に迫ってきたのだから、全く驚いてしまう。

もっと凄いのは、その成長スピード。わずか2年前の22年6月、エヌビディアの株価はたったの18ドル。市場でも全く目立たない存在だった。それがことし6月には140ドルに急騰している。時価総額も23年5月に1兆ドル、24年2月に2兆ドル、そして6月には3兆ドルを超えた。スピードは尻上がりに速まっており、こんな調子だと日本のGDPもアッと言う間に追い越しそうだ。

エヌビディアは1993年に設立された若い会社。高機能半導体の開発に特化し、製造はTSMC(台湾積体電路製造)に委託している。結果として、生成AIやデータセンターで使われる先端半導体の世界シェアが8割に。売上高営業利益率が65%という高収益体質を産み出した。だから売上高はアップルの3分の1にも満たないのに、利益はアップルよりも大きくなっている。株価も上がるはずだ。

日本のGDPに匹敵するような巨大会社。そんな話になると、やっぱりバブルの臭いがしてくる。たとえば経済紙ウオールストリート・ジャーナルは「90年代のITバブルを彷彿とさせる」と警鐘を鳴らした。市場では「有名な投資家がエヌビディア株を手放した」といった情報も乱れ飛んでいる。しかしエヌビディアという怪物は、いまのところ元気いっぱい。株式市場でも売られるどころか、むしろ‟一人勝ち”の様相さえ見せ始めた。

                   (続きは明日)

        ≪26日の日経平均 = 上げ +493.92円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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