経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

 死者が語る コロナ肺炎の危険度 (110)

2022-04-30 08:04:55 | なし
◇ やっぱり不可解な中国の惨状 = 世界の感染者は累計5億1175万人、この1週間で470万人増加した。この増加数は6週連続で縮小している。死亡者は622万8622人で、週間2万0805人の増加。5週間ぶりにやや拡大した。全体としては、高水準のまま横ばいの状態が続いている。こうしたなかで不可解なのは中国の状況。多くの主要都市で厳しい外出規制が実施されているのに、感染者や死亡者が増え続けている。

国別の死亡者数をみると、アメリカは累計99万2740人。この1週間で2532人増加した。増加数は5週連続で縮小している。次いでブラジルが66万人台、インドが52万人台、ロシアが36万人台、メキシコが32万人台。さらにイギリスが17万人台、イタリアが16万人台、インドネシアが15万人台、フランスとイランが14万人台となっている。インド・メキシコ・イギリスなどで、死亡者数がやや拡大した。

中国の感染者は累計89万6144人、この1週間で20万3000人増加した。死亡者は4876人で、週間221人の増加。厳しい都市封鎖にもかかわらず、感染者も死亡者も急増している。理由としては①過去の感染者数が少なかった②ワクチンの効果が切れた③感染力の強い新種が発生した――などが考えられるが、詳細は不明。台湾でも同様の傾向がみられるようで、日本も警戒する必要がある。

日本の感染者は累計782万1687人、この1週間で27万8778人増加した。この増加数は前週より1万7957人減っている。死亡者は2万9512人で、週間303人の増加だった。前週の317人増加より14人縮小している。規制が全面的に解除されても、改善傾向が続いていることは喜ばしい。大型連休で感染者は増加するだろうが、そのヤマを低く抑えられるかどうか。
  
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またもやバラマキ 補正予算

2022-04-28 07:53:09 | 政治
◇ 「新しい資本主義」は選挙のあとに = 政府は26日、物価高騰に対処するための緊急経済対策を決めた。財政支出の総額は6兆2000億円。①原油高対策②エネルギーや食糧などの安定供給③中小企業対策④生活困窮者への支援--の4項目から成り立っている。一方、岸田首相が公約している「新しい資本主義」の実行計画は、6月までに策定する方針だ。

このうち原油高対策では、ガソリンに対する補助金を1リットル25円から35円に引き上げる。財政支出の総額は1兆5000億円。エネルギーなどの安定供給には5000億円、中小企業対策には1兆3000億円を支出する。また生活困窮者へ支援は低所得の子育て世帯を対象に、子ども1人あたり5万円を支給する方針。これらの財源は予備費の使い残しを充てるほか、新たに2兆7000億円の補正予算を編成する。

急激な物価高に苦しむ人たちに、救済の手を差し伸べることは重要だ。しかし今回の緊急対策は、すべて傷口に薬を付ける応急対策ばかり。物価高そのものを抑える方策や、物価高でも病気にならないような体質の強化策は全く見られない。たとえば岸田首相はエネルギー対策について「原発はできるだけ活用して行く」としか説明しなかった。

こうした根本的な経済対策について、岸田首相は「新しい資本主義の実行計画を、6月までに作成する」と述べている。つまり面倒な問題は、参院選後に先送り。選挙の前は、票に結び付きやすいバラマキだけという作戦だ。しかし、こんなノンビリした態度で大丈夫なのだろうか。エネルギー問題だけを考えても、夏の電力不足が心配されているというのに。

        ≪28日の日経平均 = 上げ +461.27円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】
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大山鳴動した 四半期報告書の廃止

2022-04-27 07:55:41 | なし
◇ 岸田首相の公約で仕方なく? = 政府は上場企業が開示する2種類の決算書類を、一本化する方針を固めた。金融商品取引法に基づく四半期報告書と証券取引所の規則に基づく決算短信のうち、四半期報告書を廃止する。岸田首相が就任直後の所信表明演説で公約、ことしになってから金融庁に検討を指示していた。来年の通常国会に、必要な改正法案を提出する。

四半期報告書を開示すると、経営者は3か月間の業績に関心を集中しやすい。すると長期的な観点からみれば必要な、投資や賃金水準に対する配慮が薄れがちだ。この弊害をなくすために、四半期報告書を廃止する。--これが岸田首相の発想だった。ところが3か月ごとに開示する決算短信が残ってしまったため、この弊害はなくならない。そこで金融庁は「企業の事務負担を軽減するため」と、理由を変えている。

四半期報告書と決算短信の内容は、そんなに変わらない。売上高、最終利益、保有資産などは、どちらにも記載される。異なる点は、四半期報告書には監査法人のチェックが必要だが、決算短信では不要なことぐらい。だから企業の手間は、その分が軽減される程度だろう。いずれにしても開示するかどうかは別として、企業はもっと詳細なデータを作成し続けるはずである。

経営内容を四半期ごとに開示することの弊害は、欧米でも前々から問題視されてきた。その結果、ヨーロッパ諸国では四半期報告書を廃止したところも多い。しかし多くの企業は任意で、報告書を開示し続けている。またアメリカは、まだ開示を義務付けている。したがって日本が報告書の廃止を決めても、海外市場に上場している企業は報告書を作成しなければならない。こうみてくると、今回の政府の決定は、大山鳴動してネズミ一匹の感を免れない。

        ≪26日の日経平均 = 上げ +109.33円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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業績相場への 移行シナリオ

2022-04-26 07:16:40 | 株価
◇ 銘柄の選別は厳しくなる = アメリカの中央銀行であるFRBは来週5月4日に開くFOMC(公開市場委員会)で、「政策金利の0.5%引き上げと量的金融引き締めの開始」を決定する。ウオール街はずいぶん前から織り込んできたはずだが、それでも先週の株価は大きく下げた。これまでは「金利上昇→債券市場への資金移動」という理屈で考えてきたが、ここまでくると実際に投資する銘柄の厳しい選別を始めなければならなくなったからである。

一般論で言うと、金利が上がると儲かるのは金融機関だ。また製造業や非製造業でも、巨額の現金・預金を貯め込んだ企業は利子収入を見込めるようになる。逆に信用度の低い企業は、発行した社債の利率が上昇して経営が苦しくなる。金融機関であっても、こういう社債を大量に保有するところは危ない。住宅ローンの金利が上がれば、住宅関連企業の株式は買いにくくなるだろう。

インフレの影響も、考慮しなければならない。価格が上昇しそうな燃料・資源・原材料・食料を保有する企業は、評価益が期待できる。逆にインフレによって経営が圧迫されるのは、主として小売りやサービス業だろう。これから投資家は個別の企業について、こうした点を綿密に検討しなければならなくなる。

世界の株式市場は,これまで”カネ余り相場”を謳歌してきた。しかし今後は‟業績相場”に移行して行くだろう。ただ金融引き締めによって景気が悪くなりすぎると、業績の悪い企業が多くなって‟業績相場”は成立しない。この意味でも、アメリカのやや性急な金融引き締めが実体経済に与える影響に注目する必要がある。
 
        ≪25日の日経平均 = 下げ -514.48円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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今週のポイント

2022-04-25 07:44:23 | 株価
◇ 「滝つぼが見えた」--NY市場 = ダウ平均は先週640ドルの値下がり。強気と弱気が交錯していたが、金曜日になって大きく売り込まれた。原因はFRBによる厳しい金融引き締めが目前に迫ってきたこと。来週の決定会議で「0.5%の利上げと量的引き締めの開始」が決まることが確実となった。ずいぶん前から覚悟はしてきた市場だが、やっぱり”滝つぼ”が見えると怖くなったらしい。

日経平均は先週12円の値上がり。コロナ規制の解除で経済の正常化が進むという期待もあったが、円安の進行で結果は行ってこいに終わった。アメリカの金利が上昇すれば、円安はもっと進むだろう。財務相や日銀総裁が口先介入しても、効き目はなさそうだ。したがって東京市場も、来週のFOMC(公開市場委員会)までは動きがとれない。

アメリカでは住宅ローン金利が急上昇し、株式市場では住宅関連銘柄が幅広く売られた。これまでは「金利上昇→債券市場への資金移動」という形を心配してきた市場だが、これからは「利上げの実体経済への影響」を注視する必要があるわけだ。こういう意味からも、間もなく始まる3月期の企業決算が重要になってくる。

今週は26日に、3月の労働力調査。28日に、3月の鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは26日に、3月の新築住宅販売、4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、1-3月期のGDP速報。またEUが29日に、1-3月期のGDP速報。中国が30日に、PMI製造業・非製造業の景況指数を発表する。

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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