経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

コロナ “満ち潮”と“引き潮”の 交錯

2020-09-30 08:07:08 | なし
◇ 日本は欧米と真逆の局面に = 秋本番だが、ヨーロッパ諸国にはコロナ・ウイルスの第2波が押し寄せた。ECDC(ヨーロッパ疾病予防センター)の発表によると、9月の1日当たり感染者数は4月の水準を大幅に上回っている。つまり感染者数でみる限り、第2波の高さは第1波よりも高い。またアメリカの感染者数は708万人に達し、コロナの勢いは衰えていない。その一方で、日本の感染者数は減少傾向にある。

欧米ではコロナが“満ち潮”の状態にあり、日本は“引き潮”の局面にあると言えるだろう。このため欧米諸国は、外出制限や店舗の営業時間短縮など、規制の再強化に乗り出した。日本はGO TO トラベルに東京を加えたり、イベントの観客数を増やしたり、逆に規制を次々と解除している。コロナという潮の流れが、欧米と日本では完全に真逆になった。

規制を強化すれば、経済活動は阻害される。解除すれば、景気は回復に向かう。したがって、ヨーロッパ諸国やアメリカの景気は下り坂。日本は上り坂。欧米の株価は下がり気味、日本は上がり気味ということにもなる。ただ日本円には上昇圧力もかかるから、日本株だけが値上がりすると言うわけにもいかない。

規制の強化でコロナが“引き潮”気味になれば、再び経済再生への歩みが始まる。規制の緩和で“満ち潮”が来れば、再び経済活動は阻害される。だから秋から冬にかけての局面では、欧米と日本の状態がそっくり入れ替わる可能性も十分にあると言えるだろう。そのとき日本は第3波に襲われることになるが、その”満ち潮”の高さをなるべく低くするチエと努力が求められる。

       ≪29日の日経平均 = 上げ +27.48円≫

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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コロナ第2波にざわめく ヨーロッパ

2020-09-29 08:32:10 | ヨーロッパ
◇ 景気の2番底は避けられない = ヨーロッパでは夏のバカンスが終わると、コロナ・ウイルスの再拡大が始まってしまった。スペインやフランスでは1日の感染者が1万人を大きく上回り、イギリス・イタリア・ドイツでも感染者の増加が目立っている。ECDC(ヨーロッパ疾病予防センター)の発表によると、EU全体の1日当たり感染者数は9月が4万2400人で、8月より7割も増加した。第1波に見舞われた4月は2万8500人だったので、今回の第2波の方が波はかなり高い。

このため各国は、あわてて規制の再強化に乗り出した。スペインはマドリード州の一部で移動制限や深夜の営業停止。フランスも集会を1000人までに制限、夜間のアルコール販売を禁止した。イギリスでは一部の地域だが、家族以外の面談を禁止したところもある。各国とも第1波のときに講じた大規模なロックアウトは避けているが、それでもフランスやスペインでは住民が規制の再強化に反対、連日のようにデモを続けている。

経済・社会活動を規制すれば、景気は悪化する。ユーロ圏の景況感指数は9月に50.1と前月より1.8ポイント低下した。これから冬に向かって、景気の落ち込みは避けられない。しかも今回は規制が局地的なため、コロナの鎮静化には時間がかかる。したがって、景気の下降期間も長引くことになるという見方が強まっている。景気の2番底が、春の1番底より深くなるかどうかが問題だという。

コロナ再拡大→規制の再強化→景気の再下降。こうした状況を受けて、先週のヨーロッパ市場では株価が一斉に大幅下落した。英仏独などの株価は3-5%も値下がりした。この不安感はアメリカにも飛び火し、ニューヨーク市場の株価も大きく下降した。さらに東京市場にも影響が及んでいる。ヨーロッパのコロナと景気の動向がどうなるか。当分は目が離せない。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +307.00円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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今週のポイント

2020-09-28 08:06:38 | 株価
◇ コロナ第2波への不安感が噴出 = ダウ平均は先週483ドルの値下がり。これで4週間の続落となり、この間の下げ幅は1500ドルに近い。先週の下げはヨーロッパの主要国がコロナ第2波に襲われ、次々と規制を強化したことがきっかけ。だがアメリカでも感染者は増大しており、市場は欧米のコロナ再拡大に改めて不安を感じたようだ。しかもアメリカでは、コロナ対策の追加支出について与野党の議論が折り合わない。これも市場では売り材料になった。

日経平均は先週156円の値下がり。欧米の株価が大きく下げた割には、粘り腰をみせた。というのも日本ではコロナが鎮静化し、旅行やイベントなどに対する規制が緩和されているからだ。また円の対ドル相場が大きく上昇していないことも、株価を下支えしている。さらに菅新内閣の経済政策にも、期待する投資家が多かった。

ニューヨーク市場は反発の動きをみせるかもしれない。しかし追加のコロナ対策が成立しない限り、大幅な上昇は見込めないだろう。東京市場の粘り腰は続きそうだが、こちらもニューヨークが弱ければ大きくは上げられない。そして欧米と日本では、コロナの満ち潮と引き潮が真逆になった。この現象が今後の株価や為替相場に、どんな影響を与えるのだろうか。研究すべきテーマになってきた。

今週は30日に、8月の鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。1日に、9月の日銀短観、新車販売台数。2日に、8月の労働力調査。アメリカでは29日に、9月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、4-6月期のGDP確定値、8月の中古住宅販売。1日に、9月のISM製造業景況指数。2日に、9月の雇用統計。また中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (29)

2020-09-26 08:01:25 | なし
◇ 欧米に第2波、次々と規制強化 = コロナ・ウイルスの世界的な大流行は、いぜんとして衰えをみせない。世界の感染者数は3142万人を超え、死亡者数は96万6000人に達した。まもなく100万人を上回るだろう。そうしたなかで、アメリカとヨーロッパ諸国には第2波が押し寄せたようだ。アメリカでは20州が経済再生の動きを停止、ヨーロッパでも規制を再強化する国が続出している。

日本時間25日午前0時の集計。アメリカの感染者は694万人。1週間で30万3000人増加した。インドの感染者は61万4000人増えて573万人。またスペインも1週間で7万9000人、フランスも7万6000人の増加となった。しばらく落ち着いていたヨーロッパ諸国だが、夏のバカンスが引き金となって第2波がやってきたという見方が強い。各国とも、あわてて移動制限や店舗の営業時間短縮など、規制の再強化に乗り出している。

死亡者数は、アメリカが20万人を突破して20万1920人。ブラジルが13万8105人、インドが9万1149人となった。次いでイギリスが4万人台、イタリア・フランス・スペインが3万人台。イランが2万人台、ロシアと南アフリカが1万人台と続く。さらにインドネシアが、新たに死亡者1万人台のグループに浮上してきた。

日本の感染者数も8万1302人で、8万人を超えた。死亡者数は1550人。1週間で47人の増加だった。欧米とは逆に、勢いはやや鎮静している。しかし、この4連休は人手もかなり回復。加えてGO TO トラベルへの東京解禁、イベントの観客数増加、来日する外国人への規制緩和など、立て続けに経済再生の措置が実行に移される。この影響は10月中旬以降に表われてくるはずだ。

       ≪25日の日経平均 = 上げ +116.80円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】     
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地方銀行の 憂うつ (下)

2020-09-25 08:06:21 | 地銀
◇ 地方の殿さま体質が最大の障害 = ひと口に地方銀行と言っても、その規模や内容はさまざまだ。なかには横浜や千葉などの中核都市に根付いて、大銀行の風格を持つ地銀もある。その一方では相互銀行から昇格した小規模な地銀も。そうしたなかで目立つのが、県庁所在地に本店を持つ文字通りの地方銀行。歴史も古く、その地域では長年”殿さま”扱いされてきた。だから現状変更には、気乗り薄だ。

同じ地域に存在する地方銀行は、ライバルになりやすい。その銀行同士が合併するのは、仲の悪い家同士の子女が結婚するようなもの。なかなか難しい。さらに経営状態の悪い地銀同士が合併すれば、状態はもっと悪くなる。また経営状態のいい地銀が悪い地銀を合併しても、あまりメリットはない。その場合は両行の給与水準の違いも、現実的なネックになる。

銀行が合併するメリットは、重複する店舗を統廃合し、コンピューター・システムなどを一元化することで生まれる。だが地銀の場合は、このメリットがそう大きくない。したがって政府が地銀の再編成を進めようとするなら、預金保険料の引下げぐらいではダメ。もっと大きなアメ玉が必要になってくるだろう。

菅首相の「地銀改革→中小企業支援→地域活性化」という考え方は、もしかすると逆なのかもしれない。政府は先に中小企業の改革に努力を集中し、その結果として地銀の経営もよくなるという方が現実的なのではないか。健全な中小企業がカネを借り、地銀が本業の預貸業務で利益を出せるようになれば、脱落する弱小地銀の救済合併も可能になってくるだろう。

       ≪24日の日経平均 = 下げ -258.67円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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