経済なんでも研究会

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ダウ2万ドル台 ⇒ その先は? (上)

2017-01-31 07:44:10 | 株価
◇ トランプ政策の実現性には疑問 = ダウ平均株価が2万ドルの大台に乗せた。1万ドル台に乗せた1999年から、わずか18年。その間にはITバブルの崩壊やリーマン・ショックという谷間もあった。リーマン後の安値6547ドルに比べると、実に3倍を超える上げ率になっている。ナスダックやSP500も史上最高値を更新。ニューヨーク市場は順風満帆に見えるのだが・・・。

株価を押し上げている最大の要因は、トランプ政権の景気対策に対する期待感である。5年間で1兆ドルのインフラ投資、4兆ドルの減税。金融とエネルギー産業に対する規制緩和。こうした施策によって成長率を3-4%に引き上げ、2500万人の雇用を創出する。トランプ大統領は、選挙戦を通じてこの構想を強調してきた。これなら株価も上がるに違いない、と多くの投資家が考えても不思議はない。

だが、この構想の実現はそう簡単ではない。まず5兆ドルの財源をどこに求めるか。たしかに共和党は上下両院で多数派となり、“ねじれ”は解消した。しかし、もともと共和党は“小さな政府”主義であり、財政赤字の拡大には反対の議員が多い。アメリカでは予算に関する権限は議会が握っており、大統領令で実現というわけにはいかない。

逆にトランプ大統領が、議会の説得に成功した場合。景気がよくなれば、インフレの心配も出てくる。FRBの利上げは加速されるかもしれない。すると高い金利に惹かれて、新興国市場からドルの還流が進む。ドル高と新興国の経済不安が重なって、アメリカの輸出は伸び悩む。物価の上昇も進みやすくなる。トランプ大統領に、こうした厄介な問題を処理する能力があるのかどうか。多くの投資家が疑問を感じていることも、また確かのようだ。

                                (続きは明日)

      ≪30日の日経平均 = 下げ -98.55円≫

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ


今週のポイント

2017-01-30 08:01:20 | 株価
◇ ダウが2万ドル台乗せを達成 = ニューヨーク株式市場に大輪の花が咲いた。ダウ平均株価は先週25日、終り値で2万0069ドルに。ナスダックやSP500も史上最高値を更新した。ダウ平均が1万ドルに達したのは1999年だったから、18年間で2倍の高値に到達したことになる。ダウ平均は週間267ドルの値上がり。

株価を押し上げたのは、トランプ政権の景気対策に対する期待感。5兆ドルにのぼるインフラ投資や減税、さらに金融やエネルギーに関する規制緩和。これらの政策が実行に移されれば、アメリカの景気は格段によくなるという期待感が市場に満ち溢れている。特に金利の上昇と規制緩和で業績の向上が見込まれる金融株が、市場をリードした。

日経平均も先週は329円の値上がり。前半はトランプ大統領のTPP(環太平洋経済連携協定)離脱命令などを嫌気して下げたが、後半はニューヨークの株高に引かれて上昇した。問題は、この上げ基調がどこまで続くかだ。ニューヨーク市場は基調的にかなり強い。だが今週あたりから、トランプ政権の各国に対する貿易政策が徐々に明らかになりそう。これを東京市場はどう受け止めるのか。必ずしも楽観はできない。

今週は31日に、12月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産。1日に、1月の新車販売台数。2日に、1月の消費動向調査。アメリカでは30日に、12月の中古住宅販売。31日に、11月のSPケース・シラー住宅価格。1日に、1月の新車販売台数とISM製造業景況指数。3日に、1月の雇用統計とISM非製造業景況指数。また中国が1日に、1月の製造業と非製造業のPMI。EUが31日に10-12月期のGDP速報を発表する。

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


就職内定率は 過去最高 : 大学生

2017-01-27 08:24:27 | 就職
◇ 女性と文科系は新記録 = 文部科学省と厚生労働省の共同調査によると、今春卒業予定の大学生の就職内定率は昨年12月1日時点で85.0%に達した。前年の同じ調査に比べて4.6ポイント上昇、この調査を始めた1996年以来の最高を記録した。人口減少による人手不足に加えて、企業の収益が高水準を維持していることの反映だと考えられる。

同調査によると、今春卒業予定の大学生のうち22%は就職を希望していない。就職内定率は、希望した大学生のうち就職が内定した人の割合。近年は11年3月卒業予定者の68.8%を底に、6年連続で上昇している。地域別にみると、関東地方の88.3%が最も高く、次いで近畿、中部、北海道・東北、九州の順。中国・四国は78.6%で最も低かった。

男女別では、男性の内定率が83.1%なのに対し、女性は87.2%と相変わらず高い。これを国公立と私立に分けてみると、国公立の男性は88.1%、女性は85.6%。私立の男性は81.6%、女性は87.7%となっている。国公立では男性が、私立では女性が頑張った形だ。

また文科系は84.6%、理科系は86.6%だった。相変わらず理科系の方が高いが、ことしは文科系も伸びている。こうした結果を総合してみると、女性と文科系の内定率が過去最高を記録したことが判る。とにかく昨年12月初めの時点で、もう85%の学生が内定を獲得した。残る15%の人も、あせらずにいい就職先を見つけてほしいものだ。

      ≪26日の日経平均 = 上げ +344.89円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ


Zenback

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