◇ トランプ政策の実現性には疑問 = ダウ平均株価が2万ドルの大台に乗せた。1万ドル台に乗せた1999年から、わずか18年。その間にはITバブルの崩壊やリーマン・ショックという谷間もあった。リーマン後の安値6547ドルに比べると、実に3倍を超える上げ率になっている。ナスダックやSP500も史上最高値を更新。ニューヨーク市場は順風満帆に見えるのだが・・・。
株価を押し上げている最大の要因は、トランプ政権の景気対策に対する期待感である。5年間で1兆ドルのインフラ投資、4兆ドルの減税。金融とエネルギー産業に対する規制緩和。こうした施策によって成長率を3-4%に引き上げ、2500万人の雇用を創出する。トランプ大統領は、選挙戦を通じてこの構想を強調してきた。これなら株価も上がるに違いない、と多くの投資家が考えても不思議はない。
だが、この構想の実現はそう簡単ではない。まず5兆ドルの財源をどこに求めるか。たしかに共和党は上下両院で多数派となり、“ねじれ”は解消した。しかし、もともと共和党は“小さな政府”主義であり、財政赤字の拡大には反対の議員が多い。アメリカでは予算に関する権限は議会が握っており、大統領令で実現というわけにはいかない。
逆にトランプ大統領が、議会の説得に成功した場合。景気がよくなれば、インフレの心配も出てくる。FRBの利上げは加速されるかもしれない。すると高い金利に惹かれて、新興国市場からドルの還流が進む。ドル高と新興国の経済不安が重なって、アメリカの輸出は伸び悩む。物価の上昇も進みやすくなる。トランプ大統領に、こうした厄介な問題を処理する能力があるのかどうか。多くの投資家が疑問を感じていることも、また確かのようだ。
(続きは明日)
≪30日の日経平均 = 下げ -98.55円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
株価を押し上げている最大の要因は、トランプ政権の景気対策に対する期待感である。5年間で1兆ドルのインフラ投資、4兆ドルの減税。金融とエネルギー産業に対する規制緩和。こうした施策によって成長率を3-4%に引き上げ、2500万人の雇用を創出する。トランプ大統領は、選挙戦を通じてこの構想を強調してきた。これなら株価も上がるに違いない、と多くの投資家が考えても不思議はない。
だが、この構想の実現はそう簡単ではない。まず5兆ドルの財源をどこに求めるか。たしかに共和党は上下両院で多数派となり、“ねじれ”は解消した。しかし、もともと共和党は“小さな政府”主義であり、財政赤字の拡大には反対の議員が多い。アメリカでは予算に関する権限は議会が握っており、大統領令で実現というわけにはいかない。
逆にトランプ大統領が、議会の説得に成功した場合。景気がよくなれば、インフレの心配も出てくる。FRBの利上げは加速されるかもしれない。すると高い金利に惹かれて、新興国市場からドルの還流が進む。ドル高と新興国の経済不安が重なって、アメリカの輸出は伸び悩む。物価の上昇も進みやすくなる。トランプ大統領に、こうした厄介な問題を処理する能力があるのかどうか。多くの投資家が疑問を感じていることも、また確かのようだ。
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≪30日の日経平均 = 下げ -98.55円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫