◇ これでは景気はよくならない = 財務省は20日、21年度の貿易統計を発表した。それによると、輸出は85兆8786億円で前年度比23.6%の増加。過去最大を記録している。一方、輸入は91兆2534億円で、輸出を上回る33.3%の大幅な伸び。この結果、貿易収支は5兆3749億円の大赤字となっている。ウクライナ戦争の影響でエネルギーや資源・食料品の価格が高騰、円安の進行が加わって輸入価格が大きく押し上げられた。
食料品や木材・鉄鉱石などの原材料をはじめ、ほぼすべての品目で輸入金額が増加した。なかでも際立って増加したのが、エネルギーの輸入代金。原油・天然ガス・石炭など鉱物性燃料の輸入額は19兆8002億円にのぼった。数量は伸びていないのに、金額は前年より87.0%も増えている。戦争の影響とはいえ、異常な激増ぶりだ。
鉱物性燃料の輸入先は、半分近くが中東地域。輸入金額は9兆1320億円で、前年比95.1%も増加した。これらの輸入代金は、企業や家計が電気・ガス料金、あるいはガソリン代の値上がりという形で支払っている。20年度の鉱物性燃料の輸入額は10兆5878億円だったから、21年度はそれより約9兆円多い。それだけ企業や家計の負担が重くなったことを意味している。
仮に9兆円というおカネが海外に流出せず国内にとどまったとすれば、大部分が消費や設備投資に回っただろう。それがなくなってしまった状態で、景気がよくなるはずはない。したがって、いまは国内のエネルギー自給率を少しでも上げる努力をすべきである。ところが政府は原発にも手を着けられず、ガソリンへの補給金でお茶を濁している始末だ。
≪21日の日経平均 = 上げ +335.21円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
食料品や木材・鉄鉱石などの原材料をはじめ、ほぼすべての品目で輸入金額が増加した。なかでも際立って増加したのが、エネルギーの輸入代金。原油・天然ガス・石炭など鉱物性燃料の輸入額は19兆8002億円にのぼった。数量は伸びていないのに、金額は前年より87.0%も増えている。戦争の影響とはいえ、異常な激増ぶりだ。
鉱物性燃料の輸入先は、半分近くが中東地域。輸入金額は9兆1320億円で、前年比95.1%も増加した。これらの輸入代金は、企業や家計が電気・ガス料金、あるいはガソリン代の値上がりという形で支払っている。20年度の鉱物性燃料の輸入額は10兆5878億円だったから、21年度はそれより約9兆円多い。それだけ企業や家計の負担が重くなったことを意味している。
仮に9兆円というおカネが海外に流出せず国内にとどまったとすれば、大部分が消費や設備投資に回っただろう。それがなくなってしまった状態で、景気がよくなるはずはない。したがって、いまは国内のエネルギー自給率を少しでも上げる努力をすべきである。ところが政府は原発にも手を着けられず、ガソリンへの補給金でお茶を濁している始末だ。
≪21日の日経平均 = 上げ +335.21円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫