◇ 根は浅いのか深いのか = トヨタ自動車は19日「東京五輪・パラリンピックに関するテレビCMを中止する」「豊田章男社長はじめ同社関係者は、開会式に出席しない」と発表した。トヨタは五輪・パラリンピックの最大級スポンサー。今回も3340台の車両を提供するなど、大会の開催には協力してきた。それが、どうしてテレビCMを止めるのか。関係者の間で、大きな憶測を呼んでいる。
CM中止の理由について、トヨタの長田執行役員は「いろいろなことが理解されていない五輪になりつつある。アスリートが集中できることを、いちばんに考えたい」と説明した。だが、この言い回しでは何のことだか判らない。だから憶測だけが独り歩きしている。味の素やNTT、アサヒビールなどの大スポンサーも、対応をどうするのか考え始めたという。もし追随するスポンサーが続出すると、民間テレビ局や広告会社は経営的な損失を免れない。
大会の運営については、紆余曲折があった。たとえば有観客か無観客か。そんな曲折の経緯が、スポンサー側には全く報告されなかった。トヨタはそれを怒っているのだという推測もある。だが、それなら組織委員会が詫びを入れれば、トヨタも怒りを鎮めるかもしれない。問題の根は浅いと言えるだろう。
世論調査の結果をみると、オリンピックの開催に批判的な回答が予想外に多い。コロナ禍のさなかに強行することへの批判もあるが、その根底には肥大化し、カネまみれになったオリンピックそのものへの反発がある。そんなときにCMを出せば、企業のイメージを悪くする危険がある。トヨタがそう考えたのであれば、根はずっと深い。
≪21日の日経平均 = 上げ +159.84円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】
CM中止の理由について、トヨタの長田執行役員は「いろいろなことが理解されていない五輪になりつつある。アスリートが集中できることを、いちばんに考えたい」と説明した。だが、この言い回しでは何のことだか判らない。だから憶測だけが独り歩きしている。味の素やNTT、アサヒビールなどの大スポンサーも、対応をどうするのか考え始めたという。もし追随するスポンサーが続出すると、民間テレビ局や広告会社は経営的な損失を免れない。
大会の運営については、紆余曲折があった。たとえば有観客か無観客か。そんな曲折の経緯が、スポンサー側には全く報告されなかった。トヨタはそれを怒っているのだという推測もある。だが、それなら組織委員会が詫びを入れれば、トヨタも怒りを鎮めるかもしれない。問題の根は浅いと言えるだろう。
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