◇ ナゾを放置する政府 = 総務省は30日、4月の労働力調査を発表した。それによると、雇用者数は5757万人で前年比57万人の増加。失業者は197万人で28万人減少した。雇用者の増加は52か月連続、失業者の減少は83か月連続である。また厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.48倍で、43年ぶりの高さとなっている。人手不足は、全く和らぐ気配さえない。
総務省は同じ日、4月の家計調査も発表した。それによると、2人以上世帯の消費支出は29万5929円。実質値は前年比で1.4%減少した。減少は昨年3月から14か月の連続となっている。また勤労者世帯の実収入は47万2047円で、前年比では1.7%減少した。こちらは小幅な増減を繰り返しているが、1-4月の通算では1.9%の減少となっている。
人手が不足すれば、ふつうは賃金が上昇するはず。だが現実はそうならない。考えられることは、新たに雇用された人は非正規での採用が多く、賃金水準が低い。また正規の雇用者も団塊の世代が定年で退職し、全体の平均年齢が下がっていることなど。しかし労働力調査は雇用だけを調査し、家計調査は収入と支出だけを調べているから、両方の関連性は明らかにならない。
賃金が上がらなければ、消費支出は増えない。すると安倍首相の言う「経済の好循環」は始まらない。政府は首相の意向を“忖度”して、この関連性について、もっと研究すべきではないか。とにかく同じ総務省が集計している労働力調査と家計調査が、全くそっぽを向いている現状は直ちに改めてほしいものだ。
≪30日の日経平均 = 下げ -4.72円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
総務省は同じ日、4月の家計調査も発表した。それによると、2人以上世帯の消費支出は29万5929円。実質値は前年比で1.4%減少した。減少は昨年3月から14か月の連続となっている。また勤労者世帯の実収入は47万2047円で、前年比では1.7%減少した。こちらは小幅な増減を繰り返しているが、1-4月の通算では1.9%の減少となっている。
人手が不足すれば、ふつうは賃金が上昇するはず。だが現実はそうならない。考えられることは、新たに雇用された人は非正規での採用が多く、賃金水準が低い。また正規の雇用者も団塊の世代が定年で退職し、全体の平均年齢が下がっていることなど。しかし労働力調査は雇用だけを調査し、家計調査は収入と支出だけを調べているから、両方の関連性は明らかにならない。
賃金が上がらなければ、消費支出は増えない。すると安倍首相の言う「経済の好循環」は始まらない。政府は首相の意向を“忖度”して、この関連性について、もっと研究すべきではないか。とにかく同じ総務省が集計している労働力調査と家計調査が、全くそっぽを向いている現状は直ちに改めてほしいものだ。
≪30日の日経平均 = 下げ -4.72円≫
≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫