◇ 「サプライズになることも」と予告? = 植田和男・次期日銀総裁は先週24日、国会で所信を表明した。そのなかで植田氏は「いま日銀が行っている金融政策は適切だ」「金融緩和政策は継続する」などと発言。また質問に答えて「物価2%上昇を目標とする政府との共同声明を見直す必要はない」と言明した。要するに現在の路線をそのまま継承するという内容。市場はこれに安心して、日経平均はこの日350円の上昇となった。
だが植田氏は4月8日に、日銀総裁に就任する予定。いまの段階で、仮に「金融政策を変更する」などと言ったら大騒ぎになる。安全運転に徹するだろうことは、見え見えだった。それでもこの日の植田発言をよくみると、気になる点がいくつかある。たとえば「大規模な緩和はさまざまな副作用を生んでいる」という発言。だから「緩和政策は是正する必要がある」という言葉を飲み込んでしまったようにも受け取れる。
長短金利を政策的に規制するイールドカーブ・コントロールについては、対象を「10年よりもっと短いところにするやり方もある」と具体策に触れた。たとえば2-5年もの国債を買い入れて金利を下げる代わりに、10年もの国債の買い入れは減らして金利のある程度の上昇は認める。植田氏がそう考えているかどうかは判らないが、それに近い政策が頭のなかにあることは確かだろう。
もう1つ気になったのは「時と場合によって、サプライズになることも避けられない」という発言。「情報発信に努力するけれども場合によっては」という意味にもとれるが、「政策の効果を高めるためにはサプライズも必要」と考えているようにも解釈できる。もしそうだとすれば、春のうちにもサプライズがあるのかもしれない。
≪27日の日経平均 = 下げ -29.52円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
だが植田氏は4月8日に、日銀総裁に就任する予定。いまの段階で、仮に「金融政策を変更する」などと言ったら大騒ぎになる。安全運転に徹するだろうことは、見え見えだった。それでもこの日の植田発言をよくみると、気になる点がいくつかある。たとえば「大規模な緩和はさまざまな副作用を生んでいる」という発言。だから「緩和政策は是正する必要がある」という言葉を飲み込んでしまったようにも受け取れる。
長短金利を政策的に規制するイールドカーブ・コントロールについては、対象を「10年よりもっと短いところにするやり方もある」と具体策に触れた。たとえば2-5年もの国債を買い入れて金利を下げる代わりに、10年もの国債の買い入れは減らして金利のある程度の上昇は認める。植田氏がそう考えているかどうかは判らないが、それに近い政策が頭のなかにあることは確かだろう。
もう1つ気になったのは「時と場合によって、サプライズになることも避けられない」という発言。「情報発信に努力するけれども場合によっては」という意味にもとれるが、「政策の効果を高めるためにはサプライズも必要」と考えているようにも解釈できる。もしそうだとすれば、春のうちにもサプライズがあるのかもしれない。
≪27日の日経平均 = 下げ -29.52円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫