◇ どこまで膨張するのやら = 財務省は5日、来年度予算の概算要求が一般会計の総額で114兆3852億円になったと発表した。110兆円を超えるのは3年連続で、過去最大の規模となる。もちろん、これからの予算折衝で、財務省が不要不急の項目を切り捨てて行く。だが今回は金額を明示しない‟事項要求”が異常に多く、結果的に24年度予算案がどこまで膨れ上がるか判らない状態。タガが外れたままの予算編成になる危険性が、きわめて大きい。
概算要求額がいちばん大きいのは、厚生労働省の33兆7300億円。前年度比1.8%の増加で、社会保障費の自然増を反映している。また目立つのは防衛省の7兆7385億円で、前年度比1兆円の増加。国土交通省も7兆円、前年度比19%の増加を要求した。さらに財務省は28兆1400億円の国債費、前年度比10%の増加を要求したが、これは日銀の利上げを見込んだもの。長期金利の1.5%に対応する要求となっている。
異常なのは、‟事項要求”の多さ。‟事項要求”というのは、この時点では必要経費の計算が出来ないため、金額を書かずに政策事項だけを要求する方式。たとえば少子化対策。6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」の内容がまとまらず、財源についても未定なため、事項要求が認められた。ほかにも物価対策や公共事業など。日経新聞の調査によると、80項目にも及ぶというから大変だ。
公共事業や物価対策などは、これからの物価動向が不明なために金額を算定できないという。これも妙な話だが、財源について決着していない場合も多い。端的に言ってしまえば、選挙を控えて増税論など国民負担の増加は禁物。だから事項要求にしたというケースも少なくない。したがって選挙が終われば、一気呵成。予算案も、異常に膨張することになりはしないか。
≪6日の日経平均 = 上げ +204.26円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
概算要求額がいちばん大きいのは、厚生労働省の33兆7300億円。前年度比1.8%の増加で、社会保障費の自然増を反映している。また目立つのは防衛省の7兆7385億円で、前年度比1兆円の増加。国土交通省も7兆円、前年度比19%の増加を要求した。さらに財務省は28兆1400億円の国債費、前年度比10%の増加を要求したが、これは日銀の利上げを見込んだもの。長期金利の1.5%に対応する要求となっている。
異常なのは、‟事項要求”の多さ。‟事項要求”というのは、この時点では必要経費の計算が出来ないため、金額を書かずに政策事項だけを要求する方式。たとえば少子化対策。6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」の内容がまとまらず、財源についても未定なため、事項要求が認められた。ほかにも物価対策や公共事業など。日経新聞の調査によると、80項目にも及ぶというから大変だ。
公共事業や物価対策などは、これからの物価動向が不明なために金額を算定できないという。これも妙な話だが、財源について決着していない場合も多い。端的に言ってしまえば、選挙を控えて増税論など国民負担の増加は禁物。だから事項要求にしたというケースも少なくない。したがって選挙が終われば、一気呵成。予算案も、異常に膨張することになりはしないか。
≪6日の日経平均 = 上げ +204.26円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫