経済なんでも研究会

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儲かりました 国税庁

2023-07-13 08:04:34 | 税収
◇ 基幹3税がそろって大幅な増収 = 財務省の発表によると、22年度の税収総額は71兆1373億円だった。前年度より6.1%多く、初めて70兆円を超えた。基幹3税といわれる消費税・所得税・法人税が、そろって大幅に増加したため。また22年度の決算剰余金は2兆6294億円。使われなかった不用額は11兆3084億円にのぼった。このため財務省は赤字国債12兆円の発行を取り止めた。

消費税収は23兆0792億円。前年度を5.4%上回り、過去最大に。増加の大きな原因は物価高で、ちなみに22年度の消費者物価は3.2%上昇している。所得税収は22兆5216億円、前年度比5.3%の増加だった。賃上げ分を反映したほか、株式投資などによる金融所得の増加が大きい。また法人税収は14兆9397億円、好調な企業業績に支えられた。

なにしろ当初予算で見込んだ税収額を、結果としては6兆円も上回った。財務省・国税庁としてはホクホク顔である。だが考えてみると、22年度はコロナによる行動規制もあって、日本経済はそれほど活況を呈していない。それなのに、なんで税収だけが大幅に増加したのだろう。ちょっと不思議な感じもする。

その原因はいろいろあるが、たとえばコロナ禍でもネット販売が増えて消費がそれほど落ちなかった。また金融取り引きによる所得の増加。さらにコロナの被害は中小企業に集中し、大企業は物価高や円安で利益を拡大したこと。つまり税収の増加は、主として物価高と金融取り引きの拡大によってもたらされたと言えるかもしれない。しかし22年度の名目成長率は1,9%。それなのに税収は6%も増加した。その相関性が薄れたことについては、検証が必要だろう。

        ≪12日の日経平均 = 下げ -259.64円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

なぜ増えない? 法人税収

2019-06-28 08:08:54 | 税収
◇ 18年度の税収は過去最大に = 新聞各紙は27日付けの朝刊で一斉に「18年度の税収総額が過去最高になる」と報じた。18年度の税収は間もなく締め切られるが、それによると総額は60兆5000億円に達する見込み。これはバブル期の90年度に記録した過去最高の60兆1000億円を上回る。政府が見込んでいた59兆9000億円よりも6000億円ほど多くなる。大変に結構な話だが、その内容を読むといくつか疑問が湧いてくる。

報道によると、所得税の伸びがいちじるしく、前年度比で4000億円程度の増加が見込めるという。その半面、法人税と消費税は伸びが鈍いそうだ。だが18年度を振り返ってみると、企業の業績は絶好調で利益は史上最高の水準を維持していた。一方で家計の収入は増えていない。たとえば家計調査によると、18年度の勤労者世帯の実収入は前年度比で0.9%の減少だった。

にもかかわらず所得税が大幅に増え、法人税が伸び悩んだのはどうしてだろう。たとえば財務省が公表した4月末時点での租税・印紙収入額をみると、所得税は前年同期比で5.4%の増加。法人税は7.6%の増加となっている。そのあと5-7月には3月期決算企業の法人税がどっと入ってくるはずだ。

収入が増えないのに所得税が伸びたのは、株式や債券の売買が増えた結果かもしれない。しかし法人税が最終的に伸び悩むという予想は、不可解である。新聞各紙が同じように書いているのは、おそらく財務省か国税庁の担当者が、そう話したからなのだろう。それが正解なのか、それともミスなのか。1か月後には、答えが判明する。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +251.58円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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