◇ FRBは金利を上げられるのか? = アメリカでは中堅の銀行が相次いで倒産、金融不安の影が色濃くなった。まず10日に倒産したのはカリフォルニア州のシリコン・バレー銀行。保有資産の総額は28兆円ほどで、全米16番目の規模。次いでニューヨーク州のシグネチャー銀行が12日に倒産。こちらの総資産は約15兆円、全米29位だった。財務省とFRBは直ちに「すべての預金を保護する」と発表、いまのところ金融危機とか信用不安といった雰囲気は出ていない。
FRBによる金融引き締めで金利が上昇、保有する国債などの価格が大幅に下落した。これが両行に共通する倒産の原因である。つまり引き締め政策の副作用が、初めて発生したと言っていい。ただ金融当局による素早い対応で、直接的な連鎖倒産の発生は避けられそう。しかし同じような原因で、いくつかの銀行が行き詰まる可能性は残っている。
さらに恐ろしいのは、金融不安が低格付けの債券に飛び火すること。そうなれば金融当局にも火消しは難しくなり、事態はリーマン・ショックと似てくる。その可能性は、決して小さくはない。そんな状況でFRBは来週21-22日にFOMC(公開市場委員会)を開くが、はたして政策金利を引き上げることができるのかどうか。
日本経済への影響も、すでに大きく現われている。安全資産として円と日本国債が買われ、円相場が上昇し金利は下落した。また日銀が3か月ぶりにETF(上場投資信託)を購入したが、株価は大きく下落している。この先FRBが利上げを見送るとすれば、アメリカではインフレの長期化が懸念されるだろう。その影響も、日本経済にはまた違った風圧となって及んでくる。
≪15日の日経平均 = 上げ +7.44円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
FRBによる金融引き締めで金利が上昇、保有する国債などの価格が大幅に下落した。これが両行に共通する倒産の原因である。つまり引き締め政策の副作用が、初めて発生したと言っていい。ただ金融当局による素早い対応で、直接的な連鎖倒産の発生は避けられそう。しかし同じような原因で、いくつかの銀行が行き詰まる可能性は残っている。
さらに恐ろしいのは、金融不安が低格付けの債券に飛び火すること。そうなれば金融当局にも火消しは難しくなり、事態はリーマン・ショックと似てくる。その可能性は、決して小さくはない。そんな状況でFRBは来週21-22日にFOMC(公開市場委員会)を開くが、はたして政策金利を引き上げることができるのかどうか。
日本経済への影響も、すでに大きく現われている。安全資産として円と日本国債が買われ、円相場が上昇し金利は下落した。また日銀が3か月ぶりにETF(上場投資信託)を購入したが、株価は大きく下落している。この先FRBが利上げを見送るとすれば、アメリカではインフレの長期化が懸念されるだろう。その影響も、日本経済にはまた違った風圧となって及んでくる。
≪15日の日経平均 = 上げ +7.44円≫
≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫