◇ 絶好調NY市場のアキレス腱 = 日米欧の株式市場が、そろって史上最高値を更新中。その動きを主導したのは、やはりニューヨーク市場だった。いまウオール街は“怖いものなし”の状態。というのも景気がいいことを示す指標が出れば、素直に喜ぶ。景気が悪い指標が出たら、FRBによる利下げが早まると歓迎する。ダウ平均は4万ドルに向けて、まっしぐらだ。しかし、そんな絶好調のニューヨーク市場にも死角はある。
ニューヨークの株価を押し上げた原動力は、半導体だ。その象徴は、驚異的な決算を発表したエヌビディア。株価が急騰した結果、市場では「投機的に過ぎる。バブルだ」という評価が強まっている。仮にエヌビディアの株価が急落したら、どうなるだろう。周辺の半導体関連銘柄も、一斉に売られるに違いない。つまり上昇時と同様に、エヌビディアが株価反落の先導役になる危険性もありうるわけだ。
景気の先行きについても、不安がないわけではない。たとえば金利の上昇で、クレジット・カード債務の返済率が急落している。アメリカはクレジット社会だから、その影響はかなり大きい。そのせいもあってか、1月の小売り売上高は前月比0.8%の減少。消費支出が失速する予兆ではないかという観測も広がった。仮に本当に景気が後退したら、市場も「利下げが近い」と言って喜んではいられないだろう。
もう1つ、一部の地方銀行に経営不安の影が差してきたことも心配だ。これも金利の上昇で、不良債権が顕在化してきたためである。いまの勢いからみると、ダウ平均が4万ドルを達成する可能性は十分にありそうだ。だが、その後は数々の死角を避けながら、さらに高みを目指して行けるのか。現段階では、残念ながらまだ予測不能である。
(続きは明日)
≪28日の日経平均 = 下げ -31.49円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
ニューヨークの株価を押し上げた原動力は、半導体だ。その象徴は、驚異的な決算を発表したエヌビディア。株価が急騰した結果、市場では「投機的に過ぎる。バブルだ」という評価が強まっている。仮にエヌビディアの株価が急落したら、どうなるだろう。周辺の半導体関連銘柄も、一斉に売られるに違いない。つまり上昇時と同様に、エヌビディアが株価反落の先導役になる危険性もありうるわけだ。
景気の先行きについても、不安がないわけではない。たとえば金利の上昇で、クレジット・カード債務の返済率が急落している。アメリカはクレジット社会だから、その影響はかなり大きい。そのせいもあってか、1月の小売り売上高は前月比0.8%の減少。消費支出が失速する予兆ではないかという観測も広がった。仮に本当に景気が後退したら、市場も「利下げが近い」と言って喜んではいられないだろう。
もう1つ、一部の地方銀行に経営不安の影が差してきたことも心配だ。これも金利の上昇で、不良債権が顕在化してきたためである。いまの勢いからみると、ダウ平均が4万ドルを達成する可能性は十分にありそうだ。だが、その後は数々の死角を避けながら、さらに高みを目指して行けるのか。現段階では、残念ながらまだ予測不能である。
(続きは明日)
≪28日の日経平均 = 下げ -31.49円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫