経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

ガソリン補助金 またも延長 (下)

2024-03-29 07:41:43 | ガソリン
◇ 岸田内閣はバラマキ依存症 = ガソリン補助金は延長せず、代わりにトリガー条項の凍結を解除したらどうか。トリガー条項というのは、ガソリン価格が高騰した場合に、ガソリン税の暫定上乗せ分の約25%分を免除できる仕組み。現在は東日本大震災の復興財源とするため凍結されている。国民民主党がこの方式を強く主張、予算の成立に協力までして自民党に迫ったが、結局は“裏ガネ問題”で霧消してしまった。

この交渉の自民党の責任者は、当時の萩生田政調会長だった。その責任者が“裏ガネ問題”で失脚してしまったのだから、どうにも仕方がない。自民党のなかでも、ガソリン補助金問題に対する意見集約ができなくなってしまった。岸田首相が補助金の延長を示唆したのも、このためだったと考えられる。だが延長はせず、4月末をもって補助金を止める選択肢はなかったのだろうか。

補助金を止めれば、ガソリンの小売り価格は200円近くに跳ね上がる。消費者にとってみれば、突然の大幅値上げとなるわけだ。当然、不満の大合唱が起きるだろう。岸田内閣としては、これが怖い。かつてG7(主要7か国)首脳会議では「エネルギーに対する補助金は脱炭素にも反するから、出来るだけ早く停止する」ことで合意した。そのとき議長国は日本だから、国際的にも批判は免れない。にもかかわらず補助金を延長するのは、これでまた支持率が下がることを警戒するためである。

コロナ被害に対する補助金に始まり、電気やガス、それにガソリン。とにかく岸田内閣は、補助金をバラ播いてきた。たしかに補助金の恩恵に浴した人たちは喜ぶだろう。だが停止すると、不満が高じる。だから、なかなか止められない。長期になると必要経費がかさみ、財政の圧迫要因となってしまう。それでも止められないのは、一種の依存症だ。その治療薬は、まだない。

        ≪28日の日経平均 = 下げ -594.66円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
  
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ガソリン代 じりじり上がる 夏休み

2023-08-05 07:52:33 | ガソリン
◇ 1リットル=200円の可能性も = 資源エネルギー庁の集計によると、7月31日時点のレギュラー・ガソリン店頭価格は全国平均で1リットル=176.7円だった。これで11週連続の値上がり。価格水準は15年ぶりの高値となっている。原因は政府の補助金が縮小していることに加えて、原油の国際価格が上昇、それに円安が重なった。10月には200円になる可能性も出始めている。

政府はガソリン価格の急騰を抑えるため、昨年1月から石油元売り会社に補助金を出している。この政策はことし9月いっぱいで終了する予定。それに備えて、ことし6月からは補助金の額を段階的に縮小している。この縮小分が、店頭価格の引き上げにつながった。すでに補助金の累計は6兆円にも達しており、政府は10月以降の対策をまだ決めていない。

そこへ7月からは、原油の国際価格上昇が重なった。1バレル=70ドル近辺で安定していたニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、7月に入るとじりじり上がり始めた。産油国が減産を強化するといった明確な原因はなく、急騰はしていない。おそらくアメリカの景気が意外に堅調なこと、世界の在庫がやや減少したことなど、いくつかの原因が相場を押し上げているものと考えられる。さらに円安が加わって、輸入価格が上昇した。

国際価格の上昇と円安は、近いうちに反転しそうもない。したがって10月以降に補助金がなくなれば、ガソリンの小売り価格は1バレル=200円に達する可能性さえ出てきた。ただ補助金はガソリンの消費を促す形となり、温暖化抑制にも逆行する。むしろ政府はガソリンの消費を抑制するため、たとえばEV(電気自動車)の普及などに補助金を使ってほしい。

        ≪4日の日経平均 = 上げ +33.47円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】    
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ガソリンが安い お正月

2018-12-28 07:54:05 | ガソリン
◇ 原油の国際価格が急落して = お正月を前に、ガソリンの小売価格が急降下している。資源エネルギー庁の調査によると、12月25日時点のレギュラー・ガソリンの全国平均価格は1リットル=146円60銭。9週連続で下落しており、160円の高値をつけた10月下旬に比べると8%ほど安くなった。これから年末年始の需要期に入るが、価格はまだ下がる見込み。長距離を運転する人たちにとっては朗報だ。

日本国内のガソリン店頭価格は、原油の国際価格とほぼ比例する。その国際価格をニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格でみると、最近は1バレル=42ドル台にまで低落した。10月の高値76ドルから急落している。これが日本の輸入価格、さらには精製後のガソリン価格に反映されるまでには1か月近くかかる。したがってガソリンの小売価格は、まだ下がる途中だと考えられるわけだ。

いま原油の国際市場では、価格の上げ要因と下げ要因がぶつかり合っている。上げ要因はOPEC(石油輸出国機構)やロシアなどが、来年からの減産を決めたこと。下げ要因はアメリカのシェール生産量が、過去最大の水準に達したこと。この両者はほぼ釣り合っていたが、10月以降は世界経済の減速で原油の需要が伸び悩むという見方が急速に広まった。

言うまでもなく、ガソリンの店頭価格は地域によって異なる。今回の調査で最も高かったのは、長崎県の160円50銭。安かったのは、石川県の140円80銭だった。また人々は安い店を探して給油するから、店頭価格と実際に購入した価格とは違ってくる。民間団体の調査によると、17日時点の平均購入額は135円40銭だった。念のため。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +750.56円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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