◇ 日本への影響も大きい原油価格の上昇 = 原油の国際価格が、また上昇している。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は先週87ドル台に上昇、北海ブレンドも90ドル台に乗せた。上昇のきっかけは、イスラエルがシリア首都ダマスカスのイラン大使館周辺をミサイル攻撃したこと。中東情勢の緊迫感が強まり、原油供給への不安が高まった。この原油価格の上昇で、アメリカではインフレ再燃論が拡大。金利が上昇、株価は急落、ドル高・円安が進行した。
アメリカでは4月に入って、景気の堅調を示す指標が次々と発表されている。ISMの景況判断指数は、製造業と非製造業がともに50を上回り、3月の雇用者増加数も30万3000人と予想を大きく超えた。このためパウエルFRB議長は「利下げは急がない」と再三にわたって発言。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「利下げは年内にないかも」とまで言い切った。これでインフレの残り火は意外に強いと再認識したところへ、原油の高騰が文字通り油をかける結果となった。
つい最近まで、ニューヨーク市場では「6月の利下げ」説が大勢を占めていた。ところが原油高で、この説は急速に勢いを失っている。株式市場では買いの大きな根拠がなくなり、為替市場ではドル安・円高の可能性が薄まった。日本にとっても、その影響はきわめて大きい。原油の国際価格が上昇したところへ円安が重なる。輸入物価の高騰は避けられない。
政府は電気・ガス料金に対する補助金を、5月分で終了する方針を固めている。だが折悪しく、原油価格が上昇し始めた。補助金をまた延長するのだろうか。財源はどうするのだろう。仮に延長しなければ、物価の上昇が続く。すると大幅な賃上げが実現したとしても、物価の上昇率がそれ以上になる可能性が大きい。経済の好循環は望めなくなる。
≪9日の日経平均 = 上げ +426.09円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
アメリカでは4月に入って、景気の堅調を示す指標が次々と発表されている。ISMの景況判断指数は、製造業と非製造業がともに50を上回り、3月の雇用者増加数も30万3000人と予想を大きく超えた。このためパウエルFRB議長は「利下げは急がない」と再三にわたって発言。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「利下げは年内にないかも」とまで言い切った。これでインフレの残り火は意外に強いと再認識したところへ、原油の高騰が文字通り油をかける結果となった。
つい最近まで、ニューヨーク市場では「6月の利下げ」説が大勢を占めていた。ところが原油高で、この説は急速に勢いを失っている。株式市場では買いの大きな根拠がなくなり、為替市場ではドル安・円高の可能性が薄まった。日本にとっても、その影響はきわめて大きい。原油の国際価格が上昇したところへ円安が重なる。輸入物価の高騰は避けられない。
政府は電気・ガス料金に対する補助金を、5月分で終了する方針を固めている。だが折悪しく、原油価格が上昇し始めた。補助金をまた延長するのだろうか。財源はどうするのだろう。仮に延長しなければ、物価の上昇が続く。すると大幅な賃上げが実現したとしても、物価の上昇率がそれ以上になる可能性が大きい。経済の好循環は望めなくなる。
≪9日の日経平均 = 上げ +426.09円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫