経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2022-01-31 08:06:50 | 株価
◇ ダウは底値が見えた = ダウ平均は先週460ドルの値上がり。ことし初めての上昇となった。FRBの金融引き締め前倒し、ウクライナ情勢の緊迫化などで売られたが、大きく巻き戻した。特に24日は一時1100ドルも下落したが、あと反発して99ドルの上昇で終わっている。続いて25日も800ドル下げたあと、ほぼ値を取り戻して終わった。こうした動きからみて、ダウ平均の下値抵抗線は3万3000ドルだったことが判明したと言えるだろう。

日経平均は先週805円の値下がり。ことしはまだ上昇した週がない。4週間の合計では2074円の下落、終り値は2万7000円を割り込んだ。株価は20年11月の水準に逆戻りしている。特にFRBの発表が伝わった27日には800円を超す値下がりとなったが、ニューヨークと違って反発はしなかった。オミクロンの異常な感染拡大も、市場の空気を暗くした。

特に大きな悪材料が出ない限り、ダウ平均が3万3000ドルを下回ることはなさそうだ。むしろ今後は上下動を繰り返しながら、値を切り上げて行くのではないか。一方、日経平均の方は見通しを立てにくい。オミクロンと原油の先行きが判然としないからだ。この2つの不安材料が長引いて企業業績の見通しが暗くなると、株価は再上昇の手がかりを見失うことになりかねない。

今週は31日に、12月の鉱工業生産、商業動態統計、1月の消費動向調査。1日に、12月の労働力調査、1月の新車販売。アメリカでは1日に、ISM製造業景況指数。3日に、ISM非製造業景況指数。4日に、1月の雇用統計。また31日に、EUが10-12月期のGDP速報を発表する。

        ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (97)

2022-01-29 07:40:51 | なし
◇ 日本のピークは2月半ば?? = 世界の感染者は累計3億6252万人、この1週間で2460万人増加した。前週より200万人多く、もちろん過去最大。死亡者は562万6879人で、週間6万1339人増加した。前週より約6000人拡大、昨年9月以来の多さとなっている。こうしたなかでアメリカ・南アフリカ・イギリスでは感染者の増勢に歯止めがかかり、専門家の間で注目されている。ただ死亡者の増勢は衰えていない。

国別の死亡者数をみると、アメリカが累計87万6066人。前週より1万8288人増えた。続いてブラジルが62万人台、インドが49万人台、ロシアが32万人台、メキシコが30万人台。さらにイギリスが15万人台、イタリアとインドネシアが14万人台、イランとフランスが13万人台となっている。アメリカ・ブラジル・メキシコ・インドのほか、イギリス・フランス・イタリアなどのヨーロッパ諸国でも増勢は強まった。

注目されるのは、アメリカ・イギリス・南アフリカで、感染者の増加に頭打ちの傾向が見えてきたこと。たとえばアメリカの感染者は累計7291万人で、この1週間の増加数は434万人。前週の536万人を下回った。イギリスの増加数も65万人で、前週から横ばいになっている。こうした国では感染者が急増し始めてから、27-30日を経過している。このため「約1か月でピークに達するのではないか」という推測も強まった。

日本の感染者は累計243万8155人。1週間で41万2300人も増加した。前週のほぼ2倍である。死亡者は1万8650人で、181人の増加。昨年10月中旬以来の多さとなった。東京など34都道府県に「まん延防止措置」が発令されている。米英の例からみると、「日本のピークは2月半ば」という説も飛び始めた。しかしフランスでは感染者の急増が続いており、また日本では3回目のワクチン接種が遅れていることを考えると、まだピークの見極めは尚早だろう。

        ≪28日の日経平均 = 上げ +547.04円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】    
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ついに 人口減少へ! / 中国

2022-01-28 07:58:25 | 中国
◇ 少子高齢化も急速に進行中 = 中国の人口が、ことしから減少し始めることが確実となった。国家統計局の発表によると、昨年末の総人口は14億1260万人。前年比では48万人しか増加しなかった。ほとんど増勢が止まっており、ことし前半からは減少局面に入る可能性がきわめて大きい。世界最大の人口を誇る中国もついにピークを超え、数年後にはインドに抜かれる見通しだ。

人口増加が止まった最大の原因は、少子化の急速な進行。統計局によると、21年の出生数は1062万人で前年を138万人下回った。1949年の建国以来、最も少ない出生数だとみられている。中国政府は15年に‟一人っ子政策”を停止、昨年は3人までの出産を解禁。育児休暇制度の拡充など、出産奨励策を講じてきた。しかし教育費など子育て費用の高騰もあって、効果は挙がっていない。

その一方、中国でも高齢化ガ進んでいる。65歳以上の人口は、昨年2億0056万人に。全人口に占める割合は14.2%、前年より0.7ポイント上昇した。ちなみに日本の高齢化率は28.7%だから、中国の比率はまだ日本の半分ほど。しかし伸び率は日本よりずっと大きいから、10年もたたないうちに日本と肩を並べることになりそうだ。

人口が減少局面に入り、少子高齢化ガ進むと、中国もいま日本が経験している問題を抱えることになる。たとえば年金や医療の問題。日本は厳しい状況に直面しているが、中国の場合は社会福祉や医療の整備が日本より遅れている。また基本的には、労働力人口も減少へ向かう。全体として潜在成長力が低下するわけだ。こうした重大な環境変化の下で、習政権はこれからどんな経済目標を樹立するのだろうか。

        ≪27日の日経平均 = 下げ -841.03円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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原油価格は 100ドルへ!? (下)

2022-01-27 07:59:19 | エネルギー
◇ 日本は‟無策の国”である = 原油価格の高騰が日本経済に及ぼす影響は、きわめて大きい。たとえば昨年12月の電気料金は、前年比で13.4%も上昇した。実に40年9か月ぶりの大幅な上昇率である。企業のコストは増大し、家計の負担は重くなった。またガソリンの店頭価格も、今週1リットル=170円を超えた。13年ぶりの高値である。政府は元売り業者に1リットル=3円50銭の補助金を出して、小売価格の上昇を抑えることになった。

財務省が発表した貿易統計によると、21年の原油やLNG(液化天然ガス)など鉱物性燃料の輸入額は17兆円にのぼった。価格の高止まりが続けば、年間の輸入代金は20兆円を上回るだろう。日本の企業や家計は電気やガソリンの支払いを通じて、これだけの負担をしていることになる。もちろん、これをゼロにすることは出来ない。しかし仮に4分の1を減らすことが出来れば、企業や家計の負担は年間5兆円も減ることになる。

日本は1973年、あの強烈な石油ショックに見舞われた。その後の歴代政府は原油などの輸入先分散に努力してきたが、価格の高騰に対しては効果がない。その一方で、原油などの輸入依存度を減らす努力は怠ってきたと言えるだろう。現在も脱炭素に迫られているが、政府はそのための具体的なエネルギー計画を作成できずにいる。

まず原発に対する明確な評価を下せない。もし原発がダメなら再生可能エネルギーを育成するしかないが、その方針も中途半端だ。太陽光や風力発電に、年間5兆円の補助金を出したらどうだろう。数年でモトが取れるのではないか。そのとき企業や家計の負担が大きくは減らなくとも、巨額の購買力が海外に流出する事態は防げるから、景気にはプラスの効果があるはずだ。チンケな3円50銭のガソリン補助金しか出せない日本は‟無策の国”である。

        ≪26日の日経平均 = 下げ -120.01円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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原油価格は 100ドルへ!? (上)

2022-01-26 07:51:11 | エネルギー
◇ 値下がり要因は景気の悪化だけ = 原油の国際価格が高止まりしている。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は先週1バレル=86ドル、7年3か月ぶりの高値を付けた。専門家の予想は「まだ値上がりする」でほぼ一致、市場では「100ドルまで行っても不思議ではない」という声が強まっている。なかでもJPモルガン証券は「125ドルの可能性がある」と予測した。

WTI先物相場は20年4月、1バレル=16ドルまで低下していた。そこからはほぼ一本調子に上昇、最近の高値は世界的なインフレ傾向の源泉となっている。このためアメリカではFRBが金融政策を引き締めに転換、日本でも電気料金やガソリン価格の高騰を招いている。さらに原油価格が上昇すれば、各国の経済に与える悪影響は計り知れない。

原油価格を押し上げている原因は、供給の不足。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、価格を維持するために増産を規制していることが大きい。しかもナイジェリア・アンゴラ・カザフスタン・リビアなどでは、政情不安や設備の老朽化で生産量が落ちている。またアメリカでは脱炭素に向かって、シェール油田開発が規制された。結果として世界の原油在庫量が減少、価格が高騰した。

原油の供給が大幅に増える見込みは小さい。その一方、需要はコロナ禍にもかかわらず各国が経済再生を重視する政策に傾いているため、増加する傾向にある。専門家が「まだ値上がりする」と予想するのは、このためだ。仮にアメリアなどの金融引き締め政策によって世界の景気が後退すれば、原油の需要は落ちる。価格が下がるのは、こうした場合に限られると考える人が少なくない。

                          (続きは明日)

        ≪25日の日経平均 = 下げ -457.03円≫

        ≪26日の日経平均は? = 下げ≫

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