経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (115)

2022-06-04 07:31:22 | SF
◇ 感染爆発の国がなくなった = 世界の感染者は累計5億3072万人、この1週間で333万人増加した。この増加数は前週より131万人多いが、それでも小康状態と言える。死亡者は629万4630人で、週間1万1404人の増加。全体として、落ち着いた推移が続いている。死亡者数が多い上位10か国で前週より死亡者数が上回ったのは、アメリカとメキシコだけ。それも微増にとどまっている。

国別の死亡者数をみると、アメリカは累計100万7703人。この1週間で3920人増加した。この増加数は前週より1400人多い。次いでブラジルが66万人台、インドが52万人台、ロシアが37万人台、メキシコが32万人台。さらにイギリスが17万人台、イタリアが16万人台、インドネシアが15万人台、フランスとイランが14万人台となっている。このうち1週間の増加数がインドは116人、インドネシアは41人にまで縮小した。

厳重な都市封鎖を実施した中国。その効果が表われて、この1週間の感染者は2万2000人の増加。死亡者は1人の増加にとどまった。上海市などの都市封鎖も、ほぼ解除されている。この結果、世界を見渡しても、感染が爆発的に拡大している国は皆無となった。その一方、厳重な規制を実施しなかったインドやインドネシアでも、感染は下火になった。その理由は、まだ明らかになっていない。

日本の感染者は累計889万6606人、この1週間で15万1102人増加した。この週間増加数は、ことし1月中旬以来の最少。死亡者は3万0682人で、週間215人の増加だった。この増加数は1月下旬以来の最少。ワクチンの3回接種率が6割に達した効果だろうか。しかし10日からは、いよいよ外国人観光客の受け入れが再開される。気を抜かずに、段階的な正常化を進めることが肝要だろう。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +347.69円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (81)

2021-10-02 07:30:37 | SF
◇ 世界的にピークは過ぎた!? = 世界の感染者は累計2億3326万人、この1週間で317万人増加した。死亡者は477万4192人で、5万4495人増えている。しかし8月中旬に比べると、1週間当たりの感染者増加数は183万人も減少した。死亡者も1万4432人減っている。まだまだ安心できる水準ではないが、全体としてピークは過ぎたのかもしれない。ただ、その原因は不明。というのもワクチンの接種率が低い国でも、感染者や死亡者が減少しているからだ。

NHKの集計によると、ワクチンを2回以上接種した人が人口に占める割合は次の通り。①スペイン78.23%②中国72.56%③カナダ70.74%④イタリア67.68%⑤イギリス65.73%⑥フランス65.58%⑦ドイツ63.71%⑧マレーシア61.31%⑨日本59.54%⑩アメリカ54.81%。その一方、接種率が低い国はブラジル41.97%、インドネシア18.24%、インド16.82%など。これらの国でも、感染者や死亡者の増加数は急速に縮小している。たとえば5月には週間3万人に近かったインドの死亡者数は、現在2000人に減少した。

国別の死亡者数をみると、アメリカが69万人台、ブラジルが59万人台、インドが44万人台、メキシコが27万人台。あとはロシアが20万人台、インドネシアが14万人台、イギリスとイタリアが13万人台、イランが12万人台、フランスが11万人台と続いている。各国とも状態は落ち着いており、死亡者が急増している国はない。

日本もオリンピックが終わったあと、状況は劇的に改善した。感染者は累計170万1192人、この1週間で1万3267人増えている。ただ8月下旬には1週間で16万人以上も増加していたのだから、まるでウソのようだ。死亡者も1万7652人で、266人の増加にとどまった。政府は緊急事態宣言の解除に踏み切ったが、予想される第6波の山を低く抑え込めれば、コロナ完全収束の達成も見えてくる。

        ≪1日の日経平均 = 下げ -681.59円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     
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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-12-30 08:26:01 | SF
第7章 終 局

≪65≫ かぐや姫 = その年の秋。夜半の満月を見上げた人は、びっくり仰天した。明るい月面から地上に一条の光が射し込み、その光に沿って和服姿の女性がゆっくりと登って行く。奇妙なことに女性は大きな黒い荷物を両手で抱えており、3-4分もすると見えなくなってしまった。

この天体ショーはSNSですぐに拡散。あくる日の新聞、テレビでも大きく報道された。見出しは「天に昇る美女」「かぐや姫の現代版」・・・。だが少なからぬ人がカメラやスマホで写真を撮ったのに、再生してみると女性の姿は消えて一条の光だけが映っていた。

ぼくが死んだあと、マーヤを地球で暮らさせるわけにはいかない。だから2人でダーストン国へ戻ることを、すぐに決断した。こうして、ぼくたちはいま、UFOのなかで宇宙船の出発準備をしている。

――マーヤ、ぼくはまた宇宙船のなかで4年以上も眠らなければならない。起きたとき、ダーストン国はどんなになっているのだろうか。
「私は起きていますから、安心して眠ってください。ダーストン国は何も変わっていないと思いますよ。でもブルトン院長もメンデール教授もショッピー館長も、知っている人たちは、もうみんな亡くなってしまいました」

――そう、ぼくたちは地球に40年もいたんだ。ダーストン星の時間で言えば80年になるはずだ。あの当時20歳以上の人は、もういない。でも彼らは100歳の命を全うしたと考えて、満足して死んだに違いない。寿命なんて、その人の考え方しだいで長くも短くもなるんだね。

宇宙船が発進し、ぼくが眠りについたころ、地上ではJRリニアの関係者と警察が、山梨県のロボット生産工場を捜索しようとしていた。近所の住民から「工場は操業を止め、誰もいなくなったようだ」という通報があったためである。

警察官らが工場に入ってみると、機械などは跡形もなくなり、広い床の真ん中に小さな机がポツンと置かれていた。机の上には緑色と黄色のパソコンが2台。

まず黄色いパソコンの蓋を開けると、画面にメッセージが。
≪ダーストニウムの製造方法が詳しく書いてあります。海底から原料を取り出すまで5年はかかるでしょう。でも、その後は“神の粉”を自給できるようになるでしょう。頑張ってください。二階堂摩耶≫

次に緑色のパソコンを開けると。
≪ぼくの“私の履歴書”です。ただし2300年1月1日までは絶対に開けません。開いたときに「経済のない世界」が実現しているか、興味津々です。二階堂純一≫   

                                    = 完 =
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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-12-23 09:12:18 | SF
2018-12-23-Sun CATEGORY: 政治・経済


第7章 終 局

≪64≫ 2100年 = 地球は22世紀を迎えた。早いもので、ぼくが地球に帰還してから、もう39年の歳月が流れたことになる。マーヤのおかげもあって元気に暮らしているが、御年なんと80歳だ。それに気になることがある。

それは左胸のプレート。地球では着衣に隠れて見えないようになったが、裸になれば緑色の≪14≫という数字がくっきり。マーヤの黄色の数字は≪19≫だ。どうやらダーストン国の滞在期間と帰りの宇宙船に乗っていた年月が、ダーストン星の時間で計測されたらしい。ダーストンの1年は168日だから、通算すると6年ほど長くなってしまうわけだ。

このプレートの意味するところが地球上でも効力を発揮するとすれば、ぼくの寿命はあと14年ということになる。ダーストン星を訪れ、ロボットを妻に迎えるという数奇な運命を味わってきただけに、もう思い残すことはほとんどない。しかし“終活”については、そろそろ考えておかねばなるまい。

日本経済は見事に立ち直ったが、政治の世界は相変わらずドロドロしたままだ。カネ余りの恩恵を受けて一握りの大金持ちが誕生する一方で、大多数の国民は苦しい生活を強いられている。この貧富の差が、政治への不満となって現われる傾向は世界共通。だから誰が政権の座についても、長持ちはしない。

そんなとき、肝を冷やす事件が起こった。女性だけで結成した「女の党」が野党第1党に躍り出ると、余勢を駆って政権を獲るため新しい党首を探している。その有力候補に、なんと『二階堂摩耶』の名が挙がっていると、週刊誌が大々的に報じたのだ。

続いて「神の粉を発明して、日本経済を立て直した救世主」とか「摩耶さんが出馬すれば、衆院の過半数は間違いない」とか。さらには「次は摩耶総理。男性の期待も大きい」などという記事も飛び出した。

これは困ったことになった。そんなことになれば、マーヤの生い立ちや学歴、家族関係などが徹底的に洗われるだろう。いったい、どう対処したらいいんだろう。さすがのマーヤも、最近は外出を控えるようになってしまった。

2人で考えあぐねていたとき、ぼくの心のなかには別の心配事が芽生えてきた。ぼくがあと14年後に死んだら、マーヤはひとりで生きて行かねばならない。この地球で、彼女はロボットであることをひた隠しに隠して生きて行かねばならないのだ。そのことも考えてやらねば、ぼくは安心して死ねない。

そして突然のひらめき。決断したら、早く実行しなければならない。

                          (続きは来週日曜日)   
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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-12-16 08:17:49 | SF
第7章 終 局

≪63≫ 記録 = 近ごろは朝のうち、パソコンの前に座っていることが多くなった。ダーストン国では数多くの人に会い、いろいろな施設を見学した。その都度メモをしたが、そのノートは帰りの宇宙船に持ち込ませてくれなかった。地球人にダーストン星のことを知られたくなかったからだろう。

だが、あの5年間の経験は強烈だっただけに、ぼくはメモがなくても全部覚えている。ただ歳をとれば、記憶が薄れるかもしれない。そこでパソコンに記録しておこうと思い立った次第。もちろんウラノス博士との約束があるから、いまは公開できない。200年後の子孫が読んで参考にしてくれたらいいと考えてのことだ。

200年後の地球人が、ダーストン並みの医療技術を手に入れているかどうか。ぼくの最大の関心事は、この一点にある。ぼくはやや懐疑的だが、マーヤはとても楽観的だ。

「ダーストン人だって、200年前には完璧な技術を持っていませんでした。逆にいまから200年前の地球は、どうでしたか。200年という歳月は、世の中を想像できないほど変えるに違いありません」

いまは2094年だから、200年前は1894年。日本は明治27年、日清戦争が勃発した年だ。すでに鉄道や自動車は実用化されていたが、その当時の人で現在の宇宙船やリニア・モーターカー、それにロボットやiPSによる難病の治療、インターネット空間などを想像した人は、誰もいなかったに相違ない。

こう考えてくると、マーヤの言い分が当たっているような気もする。しかし真実は200年後の子孫にしか判らない。このパソコンを開いた子孫たちがどう感じるのか。

仮に200年後の地球人がダーストン級の医療技術を手に入れているとすれば、人間並みの能力を持ったロボットが人間の代わりに働いているだろう。その結果、地球からもおカネが姿を消し、経済のない世界が実現する可能性は大きい。

だが、ぼくが見てきた経済のないダーストン国は、なんとも活気のない世界だった。たしかに貧富の差はないし、働きたくない人は働かずに済む。犯罪もなく、病気の心配もない。しかし競争も刺激もない社会だ。うっかりしていると足を掬われる、金儲けにうつつを抜かす、事故や病気をいつも心配している。この現実社会とあのユートピアと、どちらが優れているのだろう。これも200年後の人類に、聞いてみたい点である。

                              (続きは来週日曜日)
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