経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

3兆円の圧縮は至難 : 来年度予算編成

2017-08-31 08:04:03 | 予算
◇ 減らせない社会保障・防衛・公共事業 = 財務省はきょう31日で、各省庁が提出する概算要求の受付けを締め切る。ここからは18年度予算の本格的な編成作業が始まるわけだ。これまでに集まった概算要求総額は、101兆円台にのぼった模様。だが昨年の概算要求も101兆4700億円に達しており、特にことしの要求額が突出しているわけではない。しかし、ことしは社会保障関係費、防衛費、公共事業費など、圧縮しにくい要求がずらりと並ぶ。例年にも増して、編成作業は難航しそうだ。

いま執行中の17年度予算は、一般会計の総額が97兆4547億円。これに対して、政府は18年度予算を98兆円台に収めたい考えだ。すると概算要求から、約3兆円をカットしなければならない。ところが予算総額の3分の1を占める社会保障関係費は、高齢化の進展で医療費や介護費が膨らむばかり。厚生労働省が見込んだ6300億円の増加を、5000億円程度に圧縮できるかどうか。

防衛省も過去最大の5兆2000億円を要求しているが、これも北朝鮮リスクが高まっている現在、なかなか切れそうにない。また公共事業費も、災害復旧やオリンピックを控えたインフラの老朽化対策で、要求の6兆円を削るのは難しそうだ。ほかにも大学の授業料減免、FTA(自由貿易協定)もからんだ農業対策など、与党の公約も絡んだ案件が目白押しだ。

しかも解散・総選挙がちらつくなど、政治的な環境も悪い。たとえば社会保障費では、予算を圧縮するために診療報酬や介護報酬の改定が計画されているが、選挙ともなれば実施は難しくなるだろう。財務省からみればたかが3兆円の攻防だが、ことしはかなり苦戦するかもしれない。結局、予算総額は100兆円に近づくのではないか。

      ≪30日の日経平均 = 上げ +143.99円≫

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ
           
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8月30日(水)のつぶやき

2017-08-31 05:57:16 | G7
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トランプ大統領に 議会の厚いカベ (下)

2017-08-30 07:27:30 | トランプ
◇ 国債が格下げされる? = アメリカでは、国債の発行総額が法律によって決められている。したがって政府が国債を増発するときには、議会で法律を改正してもらわなければならない。現在の政府債務総額は19兆8087億ドルで、すでに限度いっぱい。この限度引き上げも10月半ばまでに決まらないと、政府は新年度に国債を発行できなくなる。すると公共事業がストップするだけではなく、既発国債に対する利払いも不能に。そうなれば国債の格下げは避けられない。

満期がきた国債の償還も不可能になり、アメリカ政府はデフォルト(債務不履行)の状態に陥る。金融市場は大混乱となり、経済に大きな悪影響が及ぶ。実は11年にデフォルト寸前にまで追い詰められたことがあり、国債は格下げ。市場は大騒ぎになった。今回は議会内部に、この債務限度引き上げ問題と新年度予算を一括審議しようという動きが広まっている。

アメリカ議会は、上下両院とも共和党が過半数を制している。しかし共和党内にも、債務上限の引き上げには反対する声が強い。さらにメキシコ国境のカベ建設費を含む新年度予算がからんでくると、議会の動向は全く予断を許さなくなってきた。株式市場も先週あたりから問題を重視、大きな不安材料として認識するようになっている。

さらに問題をこじらせているのは、議会の態度に業を煮やしたトランプ大統領が、共和党の幹部を名指しで非難したこと。得意のツィッターで、ライアン下院議長とマコネル院内総務に不満をぶちまけた。こうしてメキシコとの国境にカベを作ろうとするトランプ大統領にとっては、議会が分厚いカベになりつつある。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -87.35円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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8月29日(火)のつぶやき

2017-08-30 06:01:12 | G7
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トランプ大統領に 議会の厚いカベ (上)

2017-08-29 07:50:32 | トランプ
◇ 政府機関の閉鎖は避けられない? = アメリカでは、トランプ大統領と議会の対立問題が急浮上してきた。夏休みを終えた議会は、9月5日に再開。来年度予算と政府の債務限度引き上げについて、最終的な審議に入るからだ。ところが、この2つの財政案件がすんなりと可決・成立する見通しは全くない。成立しない場合は、政府機関が閉鎖されたり、アメリカ国債が格下げされる可能性が高く、経済全体に深刻な影響を及ぼす危険性がある。

アメリカの18会計年度は10月から始まる。このため9月中に来年度予算が成立しないと、政府は1ドルのおカネも使えない。そこで10月半ばごろには、政府機関を閉鎖せざるをえなくなる。こうした事態は過去に何度も起きており、1990年代には最長21日間も政府が業務を停止した。また最近では13年に、オバマケア(医療保険制度改革法)を巡って与野党が対立。政府機関が数日にわたって閉鎖された。

政府機関が閉鎖されれば市民の生活に悪影響が出て、国民の不満は議会に向けられる。与野党の議員もそれを承知しているから、そう長くは予算に反対できない。短期間の“つなぎ予算”を認めることも、しばしばあった。ところが今回は、様相がかなり違う。この予算のなかに「メキシコ国境のカベ建設」費16億ドルが含まれているからだ。

メキシコ国境のカベ建設については、民主党だけでなく共和党内にも反対の意見が強い。そこで議員のなかからは「カベの建設費を除外したら」という提案も出たが、トランプ大統領はこれをきっぱり拒絶してしまった。いわく「政府機関を閉鎖しなければならなくなっても、カベは建設する」と。この一言で、状況はさらに悪化している。

                     (続きは明日)

      ≪28日の日経平均 = 下げ -2.71円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ
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