◇ 異常な円安と人手不足で減益予想 = 日銀は1日、6月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス13で、3月調査より2ポイントの改善。大企業・非製造業はプラス33で、1ポイントの悪化だった。製造業では、自動車がダイハツの不正認証による減産で1ポイントの悪化。非製造業では、小売り業が12ポイント悪化してプラス14となっている。非製造業の悪化は、コロナで不況になった20年6月以来4年ぶりのことである。
この日銀の、いわゆる短観は5月29日から6月28日にかけて9076社を対象に実施された。業況判断指数は「業況が良くなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を差し引いた数字。大企業・非製造業の判断指数が4年ぶりに悪化したことを大きく取り上げた新聞もあったが、これは3月調査の水準が33年ぶりの高さだったことの反動。大騒ぎするほどのことではない。
それよりも注意すべきことは、企業の先行きに対する慎重さ。3か月後の業況について、大企業・製造業はプラス1ポイントだが、大企業・非製造業はマイナス6ポイントとなっている。また24年度の経常利益についての予想では、大企業・製造業が8.8%の減益、大企業・非製造業も8.5%の減益と、きわめて慎重だ。
理由は異常な円安と人手不足。全産業・全規模ベースでみると、企業は24年度に1ドル=144円77銭のレートを想定している。だが現在の相場は160円を超える状況。したがって経営者は今後の円高を予想しており、そうなれば利益がかなり圧迫されるとみているわけだ。また人手不足は、特に非製造業の人件費コストを引き上げる。その圧迫感が、企業経営者の判断を慎重にしているようだ。
≪2日の日経平均 = 上げ +443.63円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
この日銀の、いわゆる短観は5月29日から6月28日にかけて9076社を対象に実施された。業況判断指数は「業況が良くなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を差し引いた数字。大企業・非製造業の判断指数が4年ぶりに悪化したことを大きく取り上げた新聞もあったが、これは3月調査の水準が33年ぶりの高さだったことの反動。大騒ぎするほどのことではない。
それよりも注意すべきことは、企業の先行きに対する慎重さ。3か月後の業況について、大企業・製造業はプラス1ポイントだが、大企業・非製造業はマイナス6ポイントとなっている。また24年度の経常利益についての予想では、大企業・製造業が8.8%の減益、大企業・非製造業も8.5%の減益と、きわめて慎重だ。
理由は異常な円安と人手不足。全産業・全規模ベースでみると、企業は24年度に1ドル=144円77銭のレートを想定している。だが現在の相場は160円を超える状況。したがって経営者は今後の円高を予想しており、そうなれば利益がかなり圧迫されるとみているわけだ。また人手不足は、特に非製造業の人件費コストを引き上げる。その圧迫感が、企業経営者の判断を慎重にしているようだ。
≪2日の日経平均 = 上げ +443.63円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫