◇ 来年度も35兆円を新規に発行 = 政府が編成した24年度の予算案。一般会計の総額は112兆0717億円で、23年度の当初予算より約2兆円縮小している。これはコロナ関連の予備費を4兆円削減したため。内容を見ていちばん気になったのは、社会保障費と国債費が増大したこと。どちらも自然に増加してしまう費目で、いずれも過去最大に。両方を合わせると64兆7000億円と、歳出全体の57.8%を占めている。いわば6割近くが固定費であり、裁量的に動かせる費目は4割に減ってしまった。
このうち国債費は27兆0090億円。国債費というのは、国債の償還や利払いに充てる費用。国債の発行残高が増えたり、金利が上がると、この費用は増大する。ここで注目されるのは、想定される金利を7年ぶりに1.1%から1.9%に引き上げたことだ。要するに24年度は日銀がゼロ金利政策から脱却、金利が上がることを政府自らが想定していることになる。
新予算案によると、新規国債の発行額は34兆9490億円。歳入全体の31.2%を占める。つまり歳入の約3分の1は、借金で賄うわけだ。この結果、24年度末の国債発行総残高は1105兆円に。国と地方の長期債務残高は、GDPの212%となる見通しだ。こうした‟借金漬け”の財政政策は、いつまで続けられるのだろう。常識的には、もう限界に近い。
ところが日銀が多くの国債を買ってしまうから、話が見えにくくなる。日銀は13年に始めた異次元緩和政策で、国債を毎年50兆円-80兆円のペースで市場から買い入れている。22年は136兆円も買った。このため金利は上がらず、こんな状態なら何年でも続けられるように思われる。しかし金利が上がり出すと、そうはいかない。財務省も26年度の国債費は金利が1%上昇すれば3兆6000億円、2%上昇なら7兆2000億円増加すると試算した。そうなると、26年度以降の予算はどんな形になってしまうのだろうか。少々恐ろしい。
≪28日の日経平均 = 下げ -141.62円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
このうち国債費は27兆0090億円。国債費というのは、国債の償還や利払いに充てる費用。国債の発行残高が増えたり、金利が上がると、この費用は増大する。ここで注目されるのは、想定される金利を7年ぶりに1.1%から1.9%に引き上げたことだ。要するに24年度は日銀がゼロ金利政策から脱却、金利が上がることを政府自らが想定していることになる。
新予算案によると、新規国債の発行額は34兆9490億円。歳入全体の31.2%を占める。つまり歳入の約3分の1は、借金で賄うわけだ。この結果、24年度末の国債発行総残高は1105兆円に。国と地方の長期債務残高は、GDPの212%となる見通しだ。こうした‟借金漬け”の財政政策は、いつまで続けられるのだろう。常識的には、もう限界に近い。
ところが日銀が多くの国債を買ってしまうから、話が見えにくくなる。日銀は13年に始めた異次元緩和政策で、国債を毎年50兆円-80兆円のペースで市場から買い入れている。22年は136兆円も買った。このため金利は上がらず、こんな状態なら何年でも続けられるように思われる。しかし金利が上がり出すと、そうはいかない。財務省も26年度の国債費は金利が1%上昇すれば3兆6000億円、2%上昇なら7兆2000億円増加すると試算した。そうなると、26年度以降の予算はどんな形になってしまうのだろうか。少々恐ろしい。
≪28日の日経平均 = 下げ -141.62円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫