経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2016-10-31 07:39:45 | 日記
◇ 円安の流れは止まるのか = ニューヨーク市場は先週、大いに迷ったあげく動きを止めた。ダウ平均は週間15ドルの値上がり。OPEC(石油輸出国機構)の総会で、実効性のある生産調整計画が決まるのか。アメリカの7-9月期のGDP成長率は、予想を上回る2.9%に拡大。経済の実体は思ったよりいいが、これでFRBによる12月の利上げは確実になったのか。大統領選挙の結果は。これらの大きな材料をどう評価したらいいのか。

東京市場は円安の進行で、株価は続伸した。日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れ期待も、株価を下支えしている。円の対ドル相場は、3か月ぶりに105円台まで下落した。日経平均は先週262円の値上がり。週の終り値は1万7500円にあと一息というところまで近づいた。今週も円安基調で推移すれば、半年ぶりに1万7500円を回復するのだが・・・。

その後、土曜日になって2つのニュースが飛び込んできた。OPEC総会の結果はやっぱり不調で、結論を11月末まで持ち越した。FBIがクリントン候補のメール問題を再調査することになった。これで原油の国際価格は50ドルを割り込み、ドルが売られた。今週の市場がどんな反応をみせるか観察する必要はあるが、このところ続いた円安の流れには水を差された感じが濃い。

今週は31日に、9月の鉱工業生産と住宅着工戸数。アメリカでは1日に、10月のISM製造業景況指数。3日に、10月のISM非製造業景況指数。4日に、10月の雇用統計と9月の貿易統計。また中国が1日に、10月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ


               
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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑨

2016-10-29 09:56:52 | 日記
◇ 不健康期間の短縮を目指す = 健康寿命を延ばして、不健康期間を短縮する。政府はその具体的な目標として「22年度の不健康期間を、10年度の実績より短縮すること」を掲げた。国立人口問題研究所の推計によると、22年の平均寿命は女性が87.87歳に、男性は81.15歳に延びる。ここから逆算すると、健康寿命が女性は0.59歳以上、男性は0.23歳以上延びれば、目標は達成できる。平均値をこれだけ底上げするのは大変かもしれないが、決して不可能ではなさそうだ。

この問題を所管する厚生労働省は「健康寿命を延伸する社会を創る」と称するプロジェクトを立ち上げた。内容は健康管理・疾病予防・介護予防の支援が中心。だが具体的な指針は「毎日10分間だけ運動を増やす」「毎日70グラム余計に野菜を食べる」といった程度のもの。なんとも迫力に欠けている。

というのも、国は個々人とは直接に接触しない。個々人と接触して具体策を講じるのは、やはり地方自治体になってしまう。だから政府は通常の厚生行政を超えて、なんらかの指針を打ち出すことは難しい。地方自治体を支援するだけの役割になってしまう。じっさい、地方自治体のなかには、健康寿命の延伸に向けて活発に動き出したところも少なくない。

政府はそうした自治体の成功例や失敗例を収集・分析し、その情報を他の自治体に伝える役割を果たすべきだろう。それによって、日本中の健康管理レベルを向上させることができる。そういう努力なしに「25年までに医療・介護費を5兆円削減できる」などと宣伝しても、国民からは本末転倒とみられるだけである。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪28日の日経平均 = 上げ +109.99円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  

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米シェールの判定勝ち : 対産油国 (下)

2016-10-28 07:50:23 | 日記
◇ サウジは場外での反撃を模索 = OPECは9月末の臨時総会で、加盟国全体の産油量を日量3250万バレル~3300万バレルに抑えることで合意した。同時に国内経済が疲弊しているイラン、イラク、ベネズエラなどについては、例外措置として増産することも認めた。するとサウジアラビアやクウェートなどの諸国は、減産しなければならない。その結果、今週末の総会では各加盟国についての生産上限を取り決めることが必要になっシリアでそれぞれ反政府軍と政府軍を支援している。こうした現状なのに、果たして各国の生産上限を決められるのだろうか。疑問を持つ専門てくる。

サウジアラビアとイランは国交断絶の状態。シリアでは戦火を交えている。またサウジとロシアは、家も少なくない。逆に生産上限の設定に成功すれば、それなりのインパクトはある。原油価格は60ドル近辺にまで上昇するに違いない。

原油価格が60ドルまで上昇すると、米シェール産業はさらに活気を増すだろう。採油技術も大幅に向上し、同じリグでの生産量が2年前の2倍になった例もある。そしてシェールの生産量が増えれば、原油価格には下落の力が働く。OPECやロシアが減産しても、価格は60ドルが限度だとの見方が強いのはこのためだ。

産油国連合と米シェール産業の死闘は、産油国側の判定負けになった。そこでサウジアラビアは、すでに場外での反撃戦略を練り始めた。総額2兆ドル(200兆円強)の政府系投資ファンド設立が、その主柱である。このファンドの金融取り引きで儲けたカネで、原油収入の縮小を補うことが当面の目標だ。日本のソフトバンクと組んで、10兆円規模の新ファンド設立にも乗り出した。将来は商品市場にも手を出し、原油価格を揺さぶることになるかもしれない。

      ≪27日の日経平均 = 下げ -55.42円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


             
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米シェールの判定勝ち : 対産油国 (上)

2016-10-27 08:04:25 | 日記
◇ 体力を消耗した産油国側 = OPEC(石油輸出国機構)は今週28-29日に総会を開いて、原油の生産調整を正式に決める予定。この総会と併行してOPECはロシアとも協議し、ロシアもこの調整計画に参加する可能性が強い。生産調整が決まれば原油価格は上昇し、産油国だけでなく資源の輸出に頼る多くの新興国にも好影響が及ぶ。株価の押し上げ要因ともなるだろう。そして産油国連合と米シェール産業との死闘は、シェール側の判定勝ちに終わる。

産油国連合と米シェール産業の対立は、文字通り食うか食われるかの死闘に発展した。その試合開始は14年11月、OPECが大方の予想に反して「減産せず」を決めたことに始まる。その意図は原油の価格を低下させ、急速に生産量を増やしてきた米シェールを叩き潰すことにあった。この作戦は成功し、価格は16年2月に1バレル=26ドル台にまで低落した。

この影響を受け、米シェールのリグ稼働数は316基とピーク時の4分の1に減少した。企業の倒産も102社に及んでいる。このように第1ラウンドは産油国側の圧勝、シェール産業はダウン寸前にまで追い込まれた。ところが産油国側は、この第1ラウンドで体力を使いすぎてしまう。価格の低落で各国とも財政難に陥り、悲鳴をあげることになった。

背に腹は替えられず、ことし9月になると産油国側は8年ぶりに減産で価格の上昇を目指すことに方針転換。これにより、価格は50ドル前後にまで上昇している。この方針を正式に決定するのが、今週末のOPEC総会だ。産油国側の方針転換で、シェール側は息を吹き返す。リグの稼働数は、最近443基まで増えた。産油量も最低だった日糧849万バレルから1218万バレルにまで回復した。第2ラウンドは産油国側の自滅という色彩が濃く、シェール側の判定勝ちと言えるだろう。

                               (続きは明日)

      ≪26日の日経平均 = 上げ +26.59円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


                
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400兆円 × 2 ⇒ ?? : 日銀

2016-10-26 08:30:58 | 日記
◇ 先行きに広がる不安 = 400兆円という金額。想像を絶する膨大なおカネである。なにしろ日本のGDPの約8割。国民に分配すれば、1人当たり300万円にもなる。オリンピックなんかは100回開いても、まだおつりがくる勘定だ。その400兆円という莫大な金額を、日銀が最近2つの分野で記録した。

まずは国債の保有額。発表によると、日銀の国債保有残高は10月10日時点で400兆3092億円に達し、初めて400兆円を超えた。金融の量的緩和政策で、日銀が年間80兆円の国債を買いまくっているためだ。過去3年半で、保有高は3倍以上に膨れている。国債発行残高の4割に近い。

次に日銀は国債やETF(上場投資信託)を購入する形で、市場に資金を供給している。発表によると、この資金供給額が6月末で403兆円となり、これも初めて400兆円を突破した。日銀が異次元緩和を開始した13年4月に比べると、資金供給量は2.7倍に増大している。ところが、こうした日銀の国債購入と資金供給について大きな問題点が浮かび上がってきた。

まず国債の流通量が激減、最近は1日の売買量が半減してしまった。これまでの勢いで日銀が国債を買い続けると、債券市場は機能しなくなってしまう。日銀がETFを買うため、なかには業績が低下しても株価が下がらない銘柄が現れてきた。これでは株式市場の公平性が損なわれる。また巨額の資金が供給されても、景気はよくならない。その資金は不動産などの投機に向けられている。こうした不安や疑問に対して、日銀は何と説明するのだろうか。

      ≪25日の日経平均 = 上げ +130.83円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ

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