◇ 出遅れの挽回は至難の業 = 海外のEVメーカーが急成長を遂げた背景には、各国政府の並々ならぬ支援がある。生産や消費に対する補助金や減税。それに加えてEUは「35年には排気ガスを出さない車しか販売できない」点で合意。またアメリカも「30年には新車の50%をEVにする」方針を決めた。これらは地球温暖化ガスの削減を目標とした政策だが、日本のハイブリッド車対策と考えられないこともない。
日本は周回遅れを取り戻せるのだろうか。結論から言えば、相当に難しいのではないか。たとえばEVの普及には、給電施設が欠かせない。その施設と車を結ぶ給電コード。これだけみても、テスラやBYDの方式が世界標準になってしまう確率が、きわめて高い。日本のメーカーは輸出しようとすれば、これを取り入れなければならなくなる。
EVの命はバッテリーだ。各社はその性能向上にシノギを削っているが、これも売れ行きがよくなければ大量生産できず、単価を安くできない。全固定電池など画期的な発明があれば状況は変わるだろうが、そうでなければ後発組は頭を出せない。出遅れてしまったことのマイナス面は、見た目よりもずっと大きい。
トヨタ自動車もこのマイナス面に気が付き、EV重視に方針転換した。社長を交代し、アメリカへの投資を増やしている。だがハイブリッドを完全に捨てる決断は出来ない。経産省もEV販売に補助金は付けたが、状況を見守るばかり。日本は「EVで完全に出遅れた」ことを、まず自覚しよう。さらに「日本の自動車産業は存亡の危機にある」という緊張感も必要だ。
≪29日の日経平均 = 上げ +40.15円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
日本は周回遅れを取り戻せるのだろうか。結論から言えば、相当に難しいのではないか。たとえばEVの普及には、給電施設が欠かせない。その施設と車を結ぶ給電コード。これだけみても、テスラやBYDの方式が世界標準になってしまう確率が、きわめて高い。日本のメーカーは輸出しようとすれば、これを取り入れなければならなくなる。
EVの命はバッテリーだ。各社はその性能向上にシノギを削っているが、これも売れ行きがよくなければ大量生産できず、単価を安くできない。全固定電池など画期的な発明があれば状況は変わるだろうが、そうでなければ後発組は頭を出せない。出遅れてしまったことのマイナス面は、見た目よりもずっと大きい。
トヨタ自動車もこのマイナス面に気が付き、EV重視に方針転換した。社長を交代し、アメリカへの投資を増やしている。だがハイブリッドを完全に捨てる決断は出来ない。経産省もEV販売に補助金は付けたが、状況を見守るばかり。日本は「EVで完全に出遅れた」ことを、まず自覚しよう。さらに「日本の自動車産業は存亡の危機にある」という緊張感も必要だ。
≪29日の日経平均 = 上げ +40.15円≫
≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫