経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

「日本死ね!」の子どもは 小学生に

2022-09-02 08:05:25 | 保育所
◇ 保育所の不足はほぼ解消したが = 厚生労働省は30日「保育所に入れない待機児童の数が大幅に減少した」と発表した。それによると、4月1日時点で待機児童は2944人、この1年で2690人減少した。ピークだった17年に比べると、およそ1割の人数となっている。全国1741の市区町村のうち、1489の市区町村で待機児童ゼロとなっている。地方では定員割れの保育所も目立ち始めた。

原因は保育所の整備が進んだこと、コロナで敬遠する風潮が強まったこと、それに少子化で幼児の数が減ったこと。今後は働きたい女性が増える、コロナによる敬遠が減るかもしれないが、少子化は進むので待機児童が大幅に増えることはないと考えられる。ただ職員が不足したり、定員割れで経営困難に陥る保育所が出てくる心配は否定できない。

一方、小学生を放課後に預かる学童保育。こちらの方は、一向に改善されない。21年の調査では、全国に1万3416人の待機学童がいた。日経新聞の最近の調査では、東京23区で待機学童は前年より15%増えている。政府は21年度末で待機学童ゼロを目指していたが、目標達成どころか状態は逆に悪化している。

「保育所落ちた 日本死ね!」--5年前、この強烈な匿名ブログが世間に大きな衝撃を与えた。これがきっかけとなって、待機児童の解消が進んだと言ってもいい。だが、よく考えてみると、そのときの子どもはいま小学生。この子はまた待機学童の問題に直面しているかもしれない。ちなみに、ことし4月1日時点で0-2歳児は251万人、6-8歳児は301万人。その差50万人が大きく影響しているのかもしれない。

        ≪1日の日経平均 = 下げ -430.06円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑦

2017-05-20 08:02:21 | 保育所
◇ “仮想水”という考え方 = 夕食でポテト・チップスをつまみながらビールを飲み、牛どんを食べた。そこで「あなたは約2000リットルの水を消費しました」と言われたら、だれでもウソだと思うだろう。だが“仮想水”という考え方によると、そういう計算になる。要するに大麦やホップ、じゃがいもや牛が育つまでには大量の水が必要だ。その分を計算に入れる考え方である。

たとえば牛肉1キログラムを得るには2万0600リットル、大麦1キログラムには2600リットルの水が必要だと計算されている。特に日本は食料の輸入大国だ。その食料が生産されるまでに、外国では大量の水が消費された。したがって日本は食料の輸入を通じて、水も輸入したことになる。東大生産技術研究所の試算によると、その量は年間427億トン。国内で食料生産に使う農業用水の8割に達するという。

この“仮想水”という考え方は、1990年代にロンドン大学のアンソニー・アラン教授が提唱した。食料の輸出入が各国の水資源に与える影響を調べることが目的だった。最近はこの考え方を使って「だから日本は水不足の国なのだ」と主張する学者もいるが、感覚的にはピンとこない。

たしかに輸入した分の食料を日本国内で育成すれば、それだけの水を消費するだろう。けれども、たとえばオーストラリアで育った牛は、消費した水の大部分を現地で還元している。また“仮想水”は食料に限って考えているが、日本が輸出する鉄鋼や化学製品の生産には大量の水を消費する。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪19日の日経平均 = 上げ +36.90円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小学校にお願いしたら : 保育所不足

2017-05-12 05:32:31 | 保育所
◇ 1教室を空けてもらえないか = 保育所に入れず、順番待ちをしている待機児童の数が減らない。厚生労働省の調査によると、その人数は昨年4月時点で2万3553人。都道府県別では、東京都の8466人が突出している。その東京都のなかでも、いちばん多いのが世田谷区で8466人の待機児童を抱えていた。いまでも人口の増加が続いている世田谷区は、全国でも有数の激戦区だろう。

その世田谷区には、区立の小学校が63校ある。人口が23区でもトップだから、学校の数も多い。小学校の生徒数も、ここ4年間で2600人ほど増えている。しかし1クラス当たりの生徒数は、少ない学校で21.8人。多いところでも36.2人だ。1クラスの生徒数は、少ない方がいいに決まっている。だが1クラスの生徒数を2-3人増やすことで、なんとか教室を1つ空けてもらえないものだろうか。そこに保育所を併設する。

人口減少・少子化の波は、こうした激戦区にも間もなく押し寄せる。現に世田谷区の場合も、幼稚園の数はもう減り始めている。小学生の数もやがて減るだろう。そのときは保育所だけでなく、小学校の一部を高齢者向けの施設としても開放する。いまから、そういう体制作りを始めておくことは、世田谷区にとってもマイナスではないだろう。

世田谷区の小学校は、すべて耐震工事を終えている。小学校の構内ならば、警備もしやすい。小学生と乳幼児の触れ合いが生まれるかもしれない。近隣の住民から「声がうるさい」と苦情がくることもなさそうだ。問題は小学校が文部科学省、保育所が厚生労働省の管轄にあること。この両省が、この問題で話し合ったことはあるのだろうか。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +61.46円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>