経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

成功した 景気刺激策 / アメリカ

2018-07-31 07:57:38 | アメリカ
◇ 景気拡大は10年目に突入 = アメリカの景気が、予想以上の強さをみせている。米商務省が発表した4-6月期のGDP成長率は、実質値で4.1%に達した。1-3月期の2.2%成長から大きく跳ね上がり、4年ぶりの高い成長率を実現している。景気の拡大期間も7月で10年目に突入。今後も好景気が続くという観測が広がっている。

GDPを大きく押し上げたのは、個人消費と企業の設備投資。個人消費は4.0%、設備投資は7.3%増加した。特に自動車を含む耐久消費財は9.3%も伸びている。個人消費も設備投資も、トランプ政権による大型減税とインフラ投資の効果が現われた結果だと分析されている。この効果はまだ持続し、景気拡大は19年も続くという見方が強い。

問題もないではない。1つはFRBが進める金融引き締め政策との関係。景気拡大が加速すれば、物価も上昇速度を速める。貿易戦争も、国内の物価上昇につながりかねない。するとFRBは引き締めのテンポを速める可能性がある。もう1つは共和党内に多い財政再建派の抵抗。これ以上の財政支出増には、強く反対する姿勢をみせている。

ただトランプ流の積極財政政策が、目に見えた効果を挙げたことは事実。中間選挙を前に、トランプ氏にとっては大きな得点になったと思われる。同時にアメリカで財政の出動が成功したことは、他の先進国にも影響を与えそうだ。日本でも来年の参院選を前にして、大型減税論が湧き上がるかもしれない。

       ≪30日の日経平均 = 下げ -167.91円≫

       ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ

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今週のポイント

2018-07-30 07:55:14 | 株価
◇ ピークを迎えた決算発表 = 日米ともに、企業の4-6月期決算発表がピークを迎えようとしている。そんななかでダウ平均は先週393ドルの値上がり。一方、日経平均は15円の値上がりにとどまった。いろいろ理由は考えられるが、企業経営者がことし後半の業況をどう予想しているかの差が大きい。アメリカでは好業績が続くとみる経営者が多く、日本では減益予想が広がっている。

米商務省が週末に発表した4-6月期の実質成長率は4.1%。なんと4年ぶりの高さだった。トランプ大統領による大型減税などの景気刺激効果が現われたものとみられ、この勢いはまだ持続するとの見方が強い。株価もこの勢いに乗っている。片や東京市場の方は円相場がやや下落したことで、なんとか水準を保っている状況だ。

気になる点もないではない。アメリカの場合は、貿易戦争の悪影響がいつ表面化してくるか。物価が上昇して個人消費に影が差すと、好況見通しにも狂いが生じかねない。日本の場合は、長期金利に上昇圧力がかかってきたこと。日銀が指し値オペで上昇を阻止しているが、異常な雰囲気が醸成されてきたことは否定できない。

今週は30日に、6月の商業販売統計。31日に、6月の労働力調査と鉱工業生産、7月の消費動向調査。1日に、7月の新車販売。アメリカでは30日に、6月の中古住宅販売。31日に、7月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、7月のISM製造業景況指数。3日に、7月の雇用統計とISM非製造業景況指数、6月の貿易統計。また中国が31日に、7月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】

2018-07-29 06:33:44 | SF
第5章 ニッポン : 2060年代

≪43≫ 絶対条件 = 「君の帰国は、これで本決まりじゃ。ただ1つだけ、絶対に守ってもらわなければならないことがある。それは地球に帰ったら、このダーストン星のことはいっさい口外しないこと。君がこの国で5年過ごしたことも、話してはならない。地球人にはダーストン国の存在を知られたくないからね。

君は例のダーストニウム合金を地球に持ち帰り、太陽光発電を各国に広める仕事を始める。しかし仮に君がこの約束を守らないときは、UFOがダーストニウムを破壊する光線を発射することになるだろう。すると地球は再び深刻なエネルギー不足に見舞われる。マーヤの神経系統にも異常をきたすから、十分に注意してもらいたい」

ウラノス博士の顔つきは引き締まり、声はいっそう低くなった。
――判りました。絶対に秘密を守ります。

「この5年間、君は記憶を喪失していたことにしてくれ。とにかく計画はわれわれが練り上げ、マーヤがそのすべてを記憶する。だから君は、マーヤの指示に従って行動してくれればいい」

あくる日から、マーヤはがぜん忙しくなった。病院に行って、日本の文字についての読み書き能力をインプットする。どこかで日本の女性に関する思考や習慣も、記憶装置に投入しているらしい。さらに科学院にも通って、ウラノス博士が言う“われわれが練り上げた計画”なるものを学んでいるようだ。

逆に、ぼくの方はやることがない。行き付けになった近所の居酒屋風集会所に、ひとりで出かけることが多くなった。顔見知りも増えたが、やはり言葉は通じない。それでも、みんなが歓迎してくれるから嬉しい。身振り手振りで、なんとか意思は通じるようになっている。特にガーシュおばあちゃんがいると、身振り手振りでも盛り上がった。

夜遅く、マーヤが帰ってきた。
――大変だね。疲れたろう。
「いいえ、ロボットは疲れません。貴方と大きな仕事が出来るので、とっても嬉しいんです。日本の女性のことも、ずいぶん判ってきました。貴方こそ、もう寝ないと」

このごろ、マーヤはぼくの隣で寝ることが多い。もちろん、ロボットだから本当に眠りはしない。でも、ぼくの方はマーヤの手を握っていると、深い眠りに落ちる。

                           (続きは来週日曜日)

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「健康寿命」を 代表取締役に

2018-07-28 07:36:30 | 寿命
◇ 「平均寿命」は相談役に降格 = 厚生労働省が17年の平均寿命を発表した。それによると女性は87.26歳、男性は81.09歳。女性は5年連続、男性は6年連続で過去最高を更新した。また男性は初めて81歳を超えている。厚労省は「がん、心疾患、脳血管疾患による死亡率の減少が、平均寿命の上昇につながった」と解析している。

だが新聞やテレビは、このニュースをひところのように大々的には伝えなかった。国際比較でみると、女性は香港に抜かれて第2位。男性は香港とスイスに抜かれて第3位だったからかもしれない。しかし一般的に「もう平均寿命の延びを単純に喜ぶ時代ではない」という風潮が広まったことも確かだろう。

寿命が延びても、元気でなければ意味がない。病人や要介護者が増えれば、医療費や介護費が膨張するだけ。それよりも、何歳まで元気でいられるかに、国民の関心は集中し始めた。これはきわめて好ましい兆候だと言えるだろう。ところが厚生労働省の方が、頭を切り替えられない。平均寿命は毎年かならず集計しているのに、健康寿命はいまだに3年に1度しか調査していない。

このため健康寿命に関する最新のデータは、16年の女性74.79歳、男性72.14歳しかない。この健康寿命を延ばして平均寿命との差を縮めることを、政府も最大の政策目標として掲げるべきだ。そのためにも責任官庁である厚生労働省は、健康寿命に関する調査をもっと重視してほしい。健康寿命が主役、平均寿命は脇役でいい。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +125.88円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   
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日銀は “改心”した方がいい

2018-07-27 06:47:11 | 日銀
◇ 注目が集まる来週の政策決定会合 = 日銀は来週30-31の両日、政策決定会合を開いて金融政策のあり方を議論する。この会合で、物価の見通しを下方修正することは確実。また長期にわたっている金融緩和政策の副作用を和らげる方策についても、初めて検討する模様だ。しかし小手先の技術論で対応しようとすれば、副作用はますます膨張し収拾がつかなくなってしまうだろう。

ことし4月の時点で、日銀は18年度の物価上昇率を1.3%と予測していた。現在の状況からみて、この予測を引き下げることは間違いない。黒田総裁は就任当時から「物価上昇率が2%になるまで、金融緩和は続ける」と宣言しているが、この目標はさらに遠ざかってしまうことになる。また5年も続いた金融緩和の副作用も、放ってはおけないほど大きくなってきた。

不思議なことがある。日銀は最近「生活意識に関するアンケート調査」なるものを発表した。それによると「1年後の物価は上がる」と答えた人は77.4%にも達した。政策決定会合で物価上昇の予測を下方修正しようとしているときに、なぜこんな調査結果を公表したのだろう。日銀が目指す2%物価上昇は、GDPや株価の高騰、つまりアベノミックスの成功だけを目的としており、一般国民のいう物価とは関係がないと考えているのだろうか。

この際、ゼロ金利政策を0-0.1%金利政策に改めるなど姑息な対応策をとっても、副作用の改善は見込めない。金融政策は誰のために行うのか。この根本的な姿勢を変えないがぎり、日銀がいまのジレンマから抜け出す道はないだろう。思い切って改心すれば、物価2%目標などという有害無益な数字から直ちに離脱できる。

       ≪26日の日経平均 = 下げ -27.38円≫

       ≪27日の日経平均は? = 上げ

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